【レポート+インタビュー】ACIDMAN、<“SAI”2022>映像上映会で「感動のひと言に尽きる」

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■次回、また開催できるとしたら
■今回を超える景色を描きたいと思います


──そして、狙ってそうなったわけではないとは言え、結成20周年、結成25周年に<SAI>が開催されたことになります。このまま行くと単純計算で、次は30周年かなと思ったりしてますが。

大木:30周年でまたやれたら、本当にそれは奇跡だと思っているんです。 やっぱりフェスって甘くないし。ACIDMANがこのままの活動を続けてなきゃいけないし。でもバンドってやっぱり大変だから本当にいつ終わるかわからないし。

──なるほど。

大木:“いつだってやめてやるよ”と思いながらやってるんです、僕は。それぐらい命をかけているということで。他のバンドもたぶんそうだと思うんですよ。お客さんの前ではカッコいいところしか見せてないですけど、裏ではみんな切磋琢磨してるので。それをみんなが乗り越えて、またチャンスをいただけたら…。でも、本当に僕たちだけじゃできないことで、スタッフにはフルパワーで手伝っていただきましたし、そういうチーム作りも含めて、はじめてできることなんです。やれたら最高だなと思うけど、軽い感じで「やりたい」とか「やりますやります」とは言えない。だから10-FEETの<京都大作戦>とか本当にすごいですよね。ああいう感じのフェスを毎年やってるんだから、本当にすごい。


──ACIDMANの2日目の1曲目「world symphony」は、それこそ15年ぐらい前の楽曲ですよね。今、ACIDMANは結成から26周年ということになるそうですが。

大木:結成26周年、デビュー21周年になるのかな。だから、あと4年後…やれたらいいですね(場内から拍手喝采)。「去年やれたのは奇跡」と言いましたけど、コロナ禍のタイミングもあってやることを決断したので、逆にコロナ禍じゃなかったらやるって言えなかったかもしれないんです。

──どういうことですか?

大木:コロナウィルス感染拡大の影響で、全ての公演がなくなり、エンターテイメントが完全に潰れましたよね。そんな中で、いろいろなアーティストと意見交換をしながら、“このまま震えてる場合じゃない。それじゃダメだ”と思うところがあって。 スタッフに「2年後、<SAI>できるかな?」って聞いたんです。そうしたら、「2年後にコロナがどういう状況になってるかわかりません。以前の状態に戻るまで5年かかるっていう人もいます。どうしますか? 大木さん」と。でも、「いやもう、ここでやるっしょ!」って。


──そうか。開催2年前、コロナ禍が続いてる中での開催の決断だったわけですよね。

大木:だから、コロナがなかったらやろうと思わなかったかもしれないし、よく決断したなとも思うし、よくやり切れたなとも思う。

──初日の東京スカパラダイスオーケストラの2人も、DOPING PANDAのフルカワくんも、2日目のthe band apartも、みんな口揃えて「難しいですよね、バンドを続けるって」とおっしゃってました。メンバーそれぞれの主張や人生を抱えながらバンドとして転がっていくっていうことの難しさですね。

大木:そう。そんな美しいもんじゃないんですよ、バンドって。だけど、“やっているっていうことが美しい”と俺は思ってて。受け入れるし、耐えるし。


──<SAI>であることの理由の1つに、地元が埼玉だからということもありますよね。the band apartも「俺たちの地元はどこだろう?」みたいな話をしてましたけど、会場には川越物産展もありましたし、地元を大切にしたお祭りです。

大木:川越っていう町は、 今は住んでないけれども大好きだから、しょっちゅう帰ってるし。せっかくさいたまスーパーアリーナっていう会場だし、僕たちみんな埼玉出身だから、生まれ育った土地の歴史も味わっていただけたらっていう感じですね。

──『ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」 Live & Documentary FILM』のラストには“Until Then=じゃあそれまで”っていう言葉がありました。それが、次のライブを指しているのか、<SAI>なのか、期待が高まるところです。昨年の<SAI>では、「次の予定はまだ考えられない。2023年っていう1年間がどうあるべきかってことが全然イメージできない」ってお話をされてましたけど、今年も忙しかったですよね。

大木:そうですね。ありがたいことにいろいろなイベントに呼んでいただいたり。だからまだ、この1年をあまり振り返れてないですね。ちょっとでも休みがあるとすごく不安になっちゃう人間なので、ずっとやり続けていきたいと思ってます。


──では最後に、一言ずついただけますか。

浦山:DAY2は一度も『麺屋一悟』が映らないんですけど、DAY1のほうには映ってますので、ぜひ映像作品DVDでも確認していただければと思います。

佐藤:何回も何回もDVDを繰り返し見てください。ありがとうございました。

大木:客観的に映像を観て、すごくいいフェスになったんだなと思いました。これは、とんでもない数のスタッフが途方もない時間をかけてくれたおかげで成り立たせることができたもので。それでも失敗するフェスはあるんです。何が一番重要かといえば、結局は皆さんに来ていただけたこと。苦しいことを乗り越えながら、日々を楽しみながら、とにかく来てくれたってことが大切な宝物になりました。次回、また開催できるとしたら、 今回を超える景色を描きたいと思います。そのためには、もっともっと頑張らなきゃいけない。これからもよろしくお願いします。

構成・文◎梶原靖夫(BARKS編集長)
撮影◎石井麻木


■『ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」 Live & Documentary FILM』

2023年11月26日(日)発売
【DVD2枚組】PROV-3075/6 7,700円(税込)
特典:フルHD画質映像視聴パスワード付き ※発売日より1年間有効
購入URL:https://axelstore.jp/acidmanstore

▼<DAY-1(DISC1)>収録内容
2022.11.26(Sat.)
・Documentary FILM
・ACIDMAN Live
●ARTIST ※出演順
東京スカパラダイスオーケストラ
DOPING PANDA
SiM
back number
氣志團
LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS+
MAN WITH A MISSION
ストレイテナー
Dragon Ash
ACIDMAN
●STAGE MC ※出演順
ジョージ・ウィリアムズ
藤田琢己
ジョー横溝
岩尾望(フットボールアワー)

▼<DAY-2(DISC2)>収録内容
2022.11.27(Sun.)
・Documentary FILM
・ACIDMAN Live
●ARTIST ※出演順
THE BACK HORN
sumika
the band apart
マキシマム ザ ホルモン
BRAHMAN
ASIAN KUNG-FU GENERATION
ELLEGARDEN
10-FEET
Mr.Children
ACIDMAN
●STAGE MC ※出演順
Boo
ダイノジ
大抜卓人
斎藤工



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