【ライヴレポート】BREAKERZのAKIHIDE、ツアー<Three Stars>ファイナルで「みんなの笑顔を思いながら描き続けます」

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BREAKERZのAKIHIDEが11月23日および24日、東京・コットンクラブにて全国ツアー<AKIHIDE LIVE TOUR 2023 -Three Stars->のファイナル公演を開催した。同ツアーはソロ10周年を迎えてリリースされたオリジナルアルバム『Three Stars』を携えて行われたものだ。

◆AKIHIDE [BREAKERZ] 画像

20年近く前から頭の中で思い描いていたという“3つの星の物語”をベースに、新たに曲を書き下ろしたアルバム収録曲は、ファンタジックで壮大で自由でイマジネーションを刺激されるAKIHIDEワールド。今回のツアーはループペダルを使ったギター1本のスタイルとバンドスタイルの2パターンが楽しめる内容だ。デューク・エリントンなど数々の大スターを輩出した米国NYのクラブの華やぎと雰囲気を今に蘇らせたコットンクラブで行われたのは、バンドスタイルのライブ。AKIHIDEのライブではおなじみのメンバーに新たにKAZU(Dr, Perc)が加わった4人編成でその瞬間にしか味わえないインプロヴィゼーションを混じえた演奏が繰り広げられた。東京公演の初日、1stステージの模様をお伝えしよう。


ノスタルジックでオシャレでムーディなコットンクラブのステージにメンバーが登場。アルバムのアートワークと同じサイケデリックなジャケットを着たAKIHIDEがヤマザキタケル(Key)、砂山淳一(B)、KAZUのメンバーを紹介した。BARKSインタビューでAKIHIDEが「映画のサントラのようなポジション」と語っていたインスト「赤い戦慄」でライブの幕を開けた。赤く染まったステージの中、多彩な表情を見せるAKIHIDEのギターソロそのものが曲のドラマを作り出していく。「Three Starsにようこそ」と挨拶し、ロックギタリストの原点に戻ってソロを弾きまくりたかったという「Singing in the Starlight」へ。時折、身体を折り曲げるようにして切なくもエモーショナルなソロを奏でるAKIHIDE。そのプレイと歌を活かす細やかでスキルが高いバックの演奏もさすがだ。

「<AKIHIDE LIVE TOUR 2023 -Three Stars->、東京コットンクラブ Day1 1stステージに、みなさんようこそ! 僕のソロデビュー10周年を記念して発売した10枚目のソロアルバムのツアーも、今日と明日でいよいよ締めくくりとなります。素晴らしい素敵なミュージシャンと一緒にアルバムの曲をより色を深く、その時だけの音でみなさんを旅の世界にお連れしたいと思います」──AKIHIDE

「コンセプトストーリーの中で、“炎の皇子が炎の流儀の挨拶をして最初に披露した曲”という場面をイメージした」と紹介して披露された「the Burning Star」も生のバンドサウンドならではの温度感。AKIHIDEのエキゾティックなギターソロから歌に移行し、スパニッシュなリズムの中でドラムのハイハットに合わせるようにハンドクラップ。間奏ではウッドベースに持ち替えた砂山が弓を使ったソロを聴かせ、曲を際立たせる。童話「赤ずきんちゃん」をイメージさせる「帰らずの森」は歌詞に寄り添うようにヤマザキがキーボードで摩訶不思議な世界にいざなうフレーズを弾き、そこにAKIHIDEのギターが絡んでいく。


「今日の天気は雨ではなく(※AKIHIDEは雨男でおなじみ)、非常に嬉しく思います。コロナの制約もなくなりましたので、今日は僕たちの音楽をお土産にして帰っていただいて、僕らはみなさんの笑顔を持ち帰れたら。ぜひ、みなさんの声と拍手を聞かせてください」──AKIHIDE

コンダクターのようなジェスチャーで客席とクラップでのやりとりを楽しみ、話題は “Three Stars”のヴィジュアルをイメージし、コットンクラブとコラボしたオリジナルカクテルのことに。「飲まれている方、どれぐらいいますか?」と問いかけ、挙がる手の多さに嬉しそうな笑顔。「みなさんがお持ちの飲み物で乾杯したいと思います。“Three Stars”の1stステージに乾杯!」とノンアルのカクテルを一口飲んで「美味しい!」とテンション高めなAKIHIDEに客席からも笑いがこぼれる。

アルバム収録曲の中でも切ないミディアムバラード「嘘」は、エレクトリックピアノとAKIHIDEのヴォーカルのみで始まり、途中でドラムとベースがインする構成で届けられた。情感を込めた歌、後半では想いが溢れ出すようなギターソロが切なさを増幅させる。最新アルバムの曲たちは音源とはまた違う表情と色合いをまとっていた。次に演奏されたのはインストで構成された2nd アルバム『Lapis Lazuli』収録曲「Namida」。フルアコに持ち替えて奏でられたこのナンバーでは、ヤマザキのジャジーで洗練されたピアノをフィーチャリング。ノスタルジックな会場の雰囲気もあいまって、時がゆっくり流れていくようだ。


そして、AKIHIDEが改めてメンバーを紹介。キーボーディストのヤマザキは「フレーズがオシャレでセンスが良くて、僕もステージ上で聴き入ってしまいます」と形容され、砂山は「僕のソロプロジェクトで、もう7年近くお世話になっています。素晴らしいベースプレイはもちろんのこと、素晴らしい人柄でバンドをまとめてくれるバンドマスターでもあります」と紹介された。初参加となったKAZUは「非常に力強いビートと、時に優しい音色でバンドを支えてくれています」と表現された。

また、KAZUが座っているのが椅子ではなく、箱型の打楽器カホンであることに触れ、「ちょっと音色を聴かせてもらっていいですか?」とリクエスト。カホンの温かみのあるリズムに拍手が沸き、その流れで演奏されたのが「バンドスタイルで新たに生まれ変わった曲」と伝えた「鏡の国のキミ」だった。アルバムではアコギが使用されていたが、カホンのソロに砂山が手にしたミニトライアングルの音色が色を加えるセッションも楽しく、オルガンソロも盛り込まれ、よりオーガニックで躍動感のあるヴァージョンに。笑顔で語りかけるように歌うAKIHIDEが後半で上手に移動し、ボトルネック奏法で沸かせたのも印象的だった。


グッズ紹介を挟んでライブは後半戦へ。曲のイントロで「ライブではおなじみの「黒猫のTango」のアンサーソングとして作った曲です」と伝えたシャッフルナンバー「白猫のランデヴー」も、お互いの音に呼応するようなソロ回しが盛り込まれた演奏がスリリング。砂山のウッドベースもロカビリーテイストのアレンジにピッタリで軽やかに動き回って身振り手振りを混じえながら歌うAKIHIDEに魅了される。客席との一体感も増していき、難易度の高いクラップでコール&レスポンス。そしてラストは華やかなお祭り感満載の「⻘ノ祭」へ。熱量を上げていくステージとシンクロするテンポの速さ、途中でお囃子のリズムになるアレンジも賑やかで、後半でAKIHIDEが「イエー!」と声を上げてのファンとのやり取りも。エンディングでギターを高く掲げ、本編を締めくくり、この日いちばんの歓声と拍手が沸き起こった。

アンコールではグッズTシャツに着替えてAKIHIDEがひとりでステージに登場。椅子に座ってガットギターを手にした。「小さい頃から物語が好きで、映画やアニメ、漫画や小説が好きだった」と振り返り、特に影響を受けているのが宮崎駿氏の映画だと話して奏でられたのは『天空の城ラピュタ』の主題歌「君をのせて」。照明を落とした中、柔らかで切ない音色が場内を満たしていく。


しっとりしたムードで包み込んだあとは再びメンバーを呼び込んで、最新アルバムが生まれた経緯がAKIHIDE自身の口から語られた。20年近く前に物語が浮かんだものの、当時は形にする術がなく、ファンと共有したくてネットにホームページ“MOON SIDE THEATER”を立ち上げた思い出、そしてそれがAKIHIDEのソロスタイルに繋がっていったことなど。

「“MOON SIDE THEATER”は月の裏側にあって、靴の形をしているアミューズメント施設で、そこを経営しているのは宇宙人。その宇宙人が平和のために笑いと物語を届けるという設定でした。なぜ月の裏側で宇宙人でなぜ平和を求めているんだろう?と考えた時に生まれたのが『Three Stars』の原型です。当時はまだその物語を形にする方法も知らなかったし、伝えることもできずに胸の奥にずっとしまっていました。でも、それは一つの幹でそこから枝が分かれて花が咲くように多くのアルバムのコンセプトストーリーに繋がっていきました。20年弱過ぎた今、昔の物語に向き合って作品を作るのは、非常に楽しくて幸せなひとときでした。こういうことができるのは聴いて見てくれて待っていてくれる。こうしてライブに来てくれるみなさんの応援があるからこそです」──AKIHIDE

そして「最後に感謝を込めて送りたいと思います」と届けられたのは、溢れ出す想いが詰まったバラード「君を描いて」。演奏をバックにAKIHIDEが語りでメッセージを伝えたのも感動的だった。

「誰もが人生という道を行く旅人です。選んだ道、選べなかった道、どんな道であっても僕たちは明日に向かって進み続けなければなりません。その道の中では嬉しいことや哀しいこと、辛いこと、いろんなことがあると思います。だけど、少しでも笑顔のキッカケが届けられるように、これからも僕は音楽を、物語を、みんなの笑顔を思いながら描き続けていきます。どうか、みなさんの旅の日々にたくさんの笑顔の花が咲き誇りますように。今日は本当にありがとうございました。また会いましょう」──AKIHIDE


“何度も 何度も 君を描いてる”というフレーズが心の中に染みわたり、最後には温かな光が心に灯ったような気持ちにさせてくれたステージだった。なお、AKIHIDEは2024年2月3日に福岡市科学館ドームシアター(プラネタリウム)にて<AKIHIDE Healing Planetarium>の第二弾公演を開催することが決定した。本ツアーの締めくくりとして、12月2日にループペダル形式での配信ライブ<Solo Style Online - Three Stars->が開催されることも明らかとなっている。

取材・文◎山本弘子
撮影◎達川範一

■全国ツアー<AKIHIDE LIVE TOUR 2023 -Three Stars->11月23日(木/祝)@東京・コットンクラブ SETLIST ※第一部

01. ⾚い戦慄
02. Singing in the Starlight
03. the Burning Star
04. 帰らずの森
05. 嘘
06. Namida
07. 鏡の国のキミ
08. ⽩猫のランデヴー
09. ⻘ノ祭
encore
en1. 君をのせて
en2. 君を描いて

■AKIHIDE配信ライブ<Solo Style Online - Three Stars->

2023年12月2日(土)21:00配信開始予定
※22:00 終了予定
※アーカイブ配信:12/9(土)23:59まで
配信メディア:イープラス「Streaming+」
https://eplus.jp/sf/streamingplus
※対応デバイス:スマートフォン、PC、タブレット
▼チケット
視聴券:¥3,800(税込)
※別途システム手数料¥330(税込)
販売期間:11月24日(金)21:30~12月9日(土)21:00
https://eplus.jp/akihide-st/
※ご利用には「e+(イープラス)」の会員登録が必要となります。
(問)イープラス「Streaming+」
https://eplus.jp/streamingplus-userguide/

■<AKIHIDE Healing Planetarium>福岡公演

2024年2月3日(土) 福岡・福岡市科学館ドームシアター(プラネタリウム)
open18:30 / start19:00
▼チケット
一般シート:7,500円(税込)
※全席指定席
※未就学児入場不可
【BREAKERZ ファンクラブ先行受付(抽選)】
受付期間:11月25日(土)10:00~12月3日(日)23:59
※枚数制限:お一人様 1公演につき4枚まで
※2023年10月31日(火)までにファンクラブに新規入会・継続・遅れ継続のお手続き(お支払い)が完了している方が対象
【ticket board一般販売(先着)】
受付期間:12月16日(土)10:00~ 
申込制限:お一人様 1公演につき4枚まで
※予定枚数に達し次第終了します

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