【インタビュー】ACIDMAN、大木伸夫が語るフェス<SAI>の真相と深層「音楽と宇宙は一緒なんです」

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■たった一秒で世界が変わった
■そういうことを僕は求めている


──世代も結成も同じ10-FEETが、映画『THE FIRST SLAM DUNK』エンディングテーマ「第ゼロ感」で大ヒットを記録して『紅白歌合戦』出場を決めたことはロックシーンやバンドシーンにとっても大きなエネルギーになったのではないかと思います。ACIDMANとして、ヒット曲を生むことや、今まで以上にたくさんの人を巻き込むものを作ることについてはどう考えいていますか。

大木:いや、ずっと狙ってますよ。10数分におよぶ長尺のインスト曲でも100万枚売れると思ってやってますから。宇宙に届け!ってやってますからね。

──自分たちの何かを変えずして、というのはめちゃくちゃチャレンジャーですよね。

大木:僕が宇宙というものを掲げている時点で、それ自体がチャレンジだっていうことは受け入れているので。だって子どもの頃から、宇宙の話をすると友だちの9割方が引いていくという姿を見てきてるし(笑)。みんなに興味がないというか……あまりにもデカすぎて想像しづらいということだと思うんですけど。でも実際、みんな宇宙に生きているわけで、その宇宙のことを知らないっていうのは、人間のことを知らないで生きているようなものだと思っているんです。


▲<ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」>

──たしかに、全国規模も世界規模も飛び越えた話ですけど、世代も人種も越えた共通のテーマですね。

大木:ところが、ブルーオーシャンすぎるというか、誰も市場参入してないんです。でも、あと5年とか10年でみんなが宇宙のことを絶対考えることになると思う。すでに今、日本のことしか考えてなかった世代も、グローバルに世界のことを考えていますよね。宇宙のことまで考えているのは、まだ一握りだからこそ、やりがいがあるんです。

──大木さんの宇宙好きの話は、<SAI 2022>のステージ上でマキシマム ザ ホルモンのダイスケはんが巨大LEDを使って説明していましたし、映像作品にもそのシーンが収録されてます。

大木:宇宙は子どもの頃から好きでしたね。音楽でそれを表現しているわけですけど、今まで「宇宙の話をするバンドでしょ(笑)」って笑ってた人たちが、フリップする(裏返る)瞬間を見てみたい。

──宇宙という壮大なテーマを取り扱っていながら、映像作品<SAI 2022>のお客さんのコメントには、“人生に寄り添う音楽”だったり、“岐路に立ったときに支えてくれる曲”という言葉が溢れていて。だから、雲の上の話ではなくて、身近であり音楽を自分の一部にしているわけで。大木さんの真意はちゃんと伝わっているということですよね。

大木:僕が伝えている宇宙っていうのは、まさにそれなんです。宇宙を考えることは、自分と向き合うこと。そのことをずっと伝えているし、それさえ伝われば僕は笑われようが何も怖くない。いつかみんなに届くといいなと思ってます。


▲<ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」>

──宇宙と音楽が結びつくものだっていうのは、バンドを始めた頃から思っていたんですか?

大木:いや、最初は全然思ってなかったですね。でも、いろんな本を読んでいたら、あるとき本当に結びついていることに気づいたんです、“音楽と宇宙って同じじゃん!”って。

──というのは?

大木:素粒子の話なんですけど、あらゆる世界の物質は1本の弦でできているという。それが超弦理論(superstring theory)なんです。電子やヒッグス粒子とか宇宙を構成する17種類の素粒子が見つかっているんですけど、実は17種類じゃなくて、たとえば1本の弦振動が、“この揺れのときをキャッチしてるから粒子A”、“この揺れのときをキャッチしているから粒子B”というかたちで、17種類が見つかっているらしいんですね。つまり、世界の最少単位は1本の弦なんじゃないか、というのが超弦理論という究極の理論で。要するに、世の中のすべての物質は響きで出来ているということになる。

──響きですか。

大木:そう。音と音が繋がり合うのも、僕ら物質と物質がつながり合うのも、すべては振動。これを人間の言葉でいうと、愛なんですね。愛と愛で人はくっつくし、物もくっつく。エネルギーというのは愛みたいな感じなんですよね。だから音楽と宇宙は一緒なんです。芸術で言えば音楽と一番近いのが宇宙。それを大人になってから知って、鳥肌が立ったんです。

──それを実際に音楽で表現しようという人もなかなかいないのでは?

大木:そうですね。これは素粒子好きの余談ですけど、ヒッグス粒子はヒッグスさんという人が提唱したものなんです。神の粒子とも呼ばれていたもので、いろいろな科学者から「この粒子があったら、世界がぶっ飛ぶ。あるわけない」と言われていたんですね。それが2012年だったかな、“ヒッグス粒子発見!”というニュースが速報で出て。僕はそれを見て、“嘘でしょう!?”って椅子から転げ落ちそうになったんですけど。そのたった一秒で世界が変わったんです。だから、“この世界は、実は作りものでした”っていうニュースだって出るかもしれない。そういうことを僕は求めているというか、そういうことを俯瞰して捉えているんです。…余談でした。次の質問をどうぞ(笑)。


▲<ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」>

──では、再現ツアー<ACIDMAN 2nd ALBUM Loop再現 TOUR “re:Loop”>や<ACIDMAN LIVE TOUR “This is ACIDMAN 2023”>など、2023年のツアーも一段落したところではありますが、ここからのACIDMANの動きはどんなものになりますか?

大木:今は曲を作ったり、次への準備期間ですね。めちゃくちゃ楽しいんだけど、一番不安な時期です。

──2021年に結成25周年/デビュー20周年を記念して開催した<This is ACIDMAN>も今回で三度目。回を重ねながら、単発公演がツアーになるなどライブシリーズへと成長を遂げて、ファンが楽しみな公演のひとつになっています。

大木:そう思っていただけると嬉しいですね。しょっちゅうライブをやっている僕らからすると、“あまり普段はやらないほうがいいシリーズなのかな”とか悩んだりもしてて。でも、ファンの方が「年に一回やってほしい」と言ってくれて、“確かにそうだな、嬉しいんだな”って。人間って小さな幸せがあるから楽しわけで。来月飲み会があるとか友だちとランチ会だとか、もうすぐクリスマスだなとか…なんでもいいんだけど、それがあるから生き生きすると思うんです。実はその生き生きすることって、ご飯食べるより、寝るよりも、エネルギーの源になる気がしていて。だからエンターテインメントはバカにできないってことは、コロナ禍で感じましたね。何度も自問自答しましたし。

──確かにコロナ禍で実感したことかもしれません。そのコロナ禍でスタートして継続しているライブシリーズや<SAI>は、次への希望になります。

大木:なくても生きられると思っていたものが、実際にはなければ生きられないかもしれなくて。今日の夜何を食べようとか、あの映画を観ようとか、なんでもいいんですけど、楽しみってすごく大事なんだと気付かされた。ライブに来てくれたファンの人にもそれを教わった。僕らは届ける側なので、もっと生き生きとやっていくべきだなって、今さらながら身の引き締まる思いです。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎緒車寿一
ライブ撮影◎三吉ツカサ/石井麻木/AZUSA TAKADA/山川哲矢/藤井 拓/Victor Nomoto - Metacraft

■『ACIDMAN presents「SAITAMA ROCK FESTIVAL “SAI” 2022」 Live & Documentary FILM』

2023年11月26日(日)発売
【DVD2枚組】PROV-3075/6 7,700円(税込)
特典:フルHD画質映像視聴パスワード付き ※発売日より1年間有効
購入URL:https://axelstore.jp/acidmanstore

▼<DAY-1(DISC1)>収録内容
2022.11.26(Sat.)
・Documentary FILM
・ACIDMAN Live
●ARTIST ※出演順
東京スカパラダイスオーケストラ
DOPING PANDA
SiM
back number
氣志團
LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS+
MAN WITH A MISSION
ストレイテナー
Dragon Ash
ACIDMAN
●STAGE MC ※出演順
ジョージ・ウィリアムズ
藤田琢己
ジョー横溝
岩尾望(フットボールアワー)

▼<DAY-2(DISC2)>収録内容
2022.11.27(Sun.)
・Documentary FILM
・ACIDMAN Live
●ARTIST ※出演順
THE BACK HORN
sumika
the band apart
マキシマム ザ ホルモン
BRAHMAN
ASIAN KUNG-FU GENERATION
ELLEGARDEN
10-FEET
Mr.Children
ACIDMAN
●STAGE MC ※出演順
Boo
ダイノジ
大抜卓人
斎藤工



■シングル「輝けるもの」

2024年1月17日(水)リリース
CD予約:https://acidman.lnk.to/shiningPR
【初回限定盤(CD+DVD)】TYCT-39220 / ¥4,950(税込)
※紙ジャケット仕様
▼CD収録内容
1. 輝けるもの ※映画『ゴールデンカムイ』主題歌
2. 輝けるもの (Instrumental)
▼DVD収録内容
<This is ACIDMAN>2023 at Zepp Haneda (2023.10.30)
・to live
・造花が笑う
・FREE STAR
・Rebirth
・スロウレイン
・赤橙
・リピート
・季節の灯
・アルケミスト
・彩-SAI-
・Λ-CDM
・ALMA
・EVERLIGHT
・世界が終わる夜
・夜のために
・ある証明
・飛光
・廻る、巡る、その核へ
・式日
・Your Song

【通常盤(CD)】TYCT-30143 / ¥1,320(税込)
※紙ジャケット仕様
▼CD収録内容
1. 輝けるもの ※映画『ゴールデンカムイ』主題歌
2. 輝けるもの (Instrumental)
3. 『Rebirth』 Live Track from <This is ACIDMAN 2023 at Zepp Haneda (2023.10.30)>
4. 『ALMA』 Live Track from <This is ACIDMAN 2023 at Zepp Haneda (2023.10.30)>


■シングル発売記念ライブ<New Single Release Live「輝けるもの」>

2024年2月6日(火) TOKYO DOME CITY HALL
open17:30 / start18:30
▼チケット
【ホームページ先行(抽選)】
受付期間:2023年12月15日(金)12:00〜2024年1月4日(日)23:59
https://eplus.jp/acidman0206/

※枚数制限:先行発売4枚まで / 一般発売8枚まで
※入場制限:未就学児童無料。お席が必要な場合は学割チケットをご購入ください。
※高校生以下のお客様は必ず大人の⽅との来場をお願いします。
※学割チケットをご購入のお客様は必ず学生証または年齢のわかる物をご持参ください。
※公演当日は、主催者が定めた観覧ルールに沿ってお楽しみください。
※客席を含む会場内の映像・写真が公開される場合がございます。

■シングル「輝けるもの」発売記念キャンペーン詳細

CD購入者を対象とした、発売記念キャンペーンを実施。
・A賞:ACIDMANメンバー ミート&グリートご招待:30名様
・B賞:ACIDMANライブ ペアご招待:20 組40名様
・C賞:ACIDMANメンバー 直筆サイン入りポスター:100名様
※A賞とB賞は2月6日にTOKYO DOME CITY HALL にて開催される<ACIDMAN New Single Release Live「輝けるもの」>が対象となります。
※詳細はHPをご覧ください。

■映画『ゴールデンカムイ』

▼出演者
山﨑賢人
山田杏奈 眞栄田郷敦 工藤阿須加 栁俊太郎 泉澤祐希/矢本悠馬
大谷亮平 勝矢/高畑充希
木場勝己 大方斐紗子 秋辺デボ マキタスポーツ
玉木宏・舘ひろし

原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)
監督:久保茂昭 脚本:黒岩勉
音楽:やまだ豊
主題歌:ACIDMAN「輝けるもの」(ユニバーサル ミュージック)
アイヌ語・文化監修:中川裕 秋辺デボ
製作幹事:WOWOW・集英社
制作プロダクション:CREDEUS
公開:2024年1月19日(金)全国公開/IMAX同時公開
配給:東宝
(c)野田サトル/集英社 (c)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

公式サイト:kamuy-movie.com
公式X(旧Twitter):@kamuy_movie
公式Instagram:@kamuy_movie
公式TikTok:@kamuy_movie


(c)野田サトル/集英社 (c)2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

■ACIDMAN 大木伸夫 直筆サイン入りチェキ プレゼントキャンペーン概要


【応募資格】
・日本国内にお住まいの方
・X (Twitter)アカウントをお持ちの方
・BARKS編集部 X (Twitter)アカウントから投稿される応募用のポストをキャンペーン期間内にリポストした方
※必ずご自身のアカウントを“公開”にした状態でご参加ください。アカウントが非公開の場合は参加とみなされません。
※ダイレクトメッセージを受信拒否設定している場合、参加とみなされません。
【賞品名・当選人数】
・ACIDMAN 大木伸夫 直筆サイン入りチェキ
・1名様
【応募方法】
1. BARKS編集部 X (Twitter)アカウント「@barks_news」をフォローしてください。
2. BARKS編集部 X (Twitter)アカウントから下記キャンペーン期間中に投稿されるキャンペーン応募用の投稿をリポストしてください。
3. 上記で応募は完了となります。
※フォローを外すと応募権利がなくなりますのでご注意下さい。
【応募期間】
2023年12月26日(火)~2024年1月26日(金)23:59まで
※上記期間内にされたリポストが応募対象です。
【当選発表】
・X (Twitter) DMにて当選のご連絡と専用フォームのURLをお送り致します。
・専用フォームで必要事項を入力ください。
【賞品発送】
・配送は国内のみ、賞品は2024年2月下旬に発送予定です。
※やむを得ない事情により賞品の発送が若干遅れる場合がありますので予めご了承ください。
※ 以下のような場合には、ご当選の権利を無効とさせていただきます。
1. ご住所入力の不備により、賞品がお届けできない場合。
2. ご不在などにより、運送会社での保有期間を超えて賞品をお届けできなかった場合。
【ご注意事項】
・転売 (不特定多数への転売、オークションなどを含む)目的でのご応募は、ご遠慮願います。
【個人情報取扱い】
・お客様からいただいた個人情報は、賞品の発送及び、サービスの開発や、個人を特定しない統計資料、当該プレゼント/モニタにおける商品の発送、及びそれにまつわるサポートのために利用いたします。上記以外の目的で個人情報を利用する場合は、予めその目的を明示し、お客様の同意を頂いた場合のみ、個人情報を利用いたします。
※詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。



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