花冷え。、結成きっかけのマキシマム ザ ホルモンとの対バンで歓喜

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Photo by齋藤タカヒロ


3月20日、<花冷え。JAPAN 2MAN TOUR2024〜はじめてのはじまり〜>が新宿アンチノックにて開催された。この日の対バン相手はマキシマム ザ ホルモン。ホルモンは花冷え。がバンドを始めるきっかけとなり、今も彼女たちに多大な影響を与えているバンド。そして、新宿アンチノックは彼女たちが結成初期から出演し続けてきたライブハウス、いわば花冷え。のホームだ。なぜこの対バン相手でこの会場なんだろうと疑問に思った人も多いだろう。しかし、本公演は花冷え。にとって非常に大きな意味があったのだ。

Photo by Mei Okabe


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アンチノックのステージに立つのは21年ぶりだという先攻のマキシマム ザ ホルモンは、「生理痛は神無月を凍らす気温。」や「糞ブレイキン脳ブレイキン・リリィー」といった楽曲をプレイ。実はこのセットリスト、花冷え。が結成当時にコピーしていたり、特に好きだという楽曲をホルモンメンバーが事前にヒアリングして組んだもの。偉大なる先輩バンドによる粋な計らいは、ぐっちゃぐちゃになったフロアにいた誰よりも花冷え。メンバーを喜ばせたはずだ。

Photo by齋藤タカヒロ


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ホルモンが生み出した灼熱酸素激薄空間のバトンを受け取った花冷え。の4人は、勢いよくステージに登場したものの、同期音源の不具合によるハプニングに見舞われ、登場からもう一度やり直すという異例の事態に。しかしそこからは開き直ったのか、豪快なパフォーマンスを次々と展開していった。彼女たちが初めてつくったオリジナル曲であり、ホルモンリスペクトが全面に溢れ出ている「ぶっ壊す!」から始まり、「Warning!!」「令和マッチング世代」と続いていく新旧織り交ぜた選曲は、花冷え。の何たるかを明確に伝えるものだった。

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MCではアンチノック名物のドリンク「エイト」を紹介。テキーラとジャックダニエルを混ぜた酒をヘッツ(Ba.)がショットで一気に胃に流し込んだ。そして、「今日をめちゃくちゃ楽しみにしてた人たち! 忘れられない夜にしましょう!」というユキナ(Vo.)の呼びかけとともに、「今年こそギャル〜初夏ver.〜」をプレイ。初見のホルモンファンまで巻き込み、酸欠状態のフロアを縦へ横へと揺さぶる極悪なダンスタイムへと突入した。さらには、「今日という日を心に刻もうぜ!」とウォールオブデスを煽ってはじまった「TOUSOU」、新曲「O・TA・KUラブリー伝説」と続き、フロアは混沌の色を深めていく。気づけば、ついさっきまで滝汗で疲労困憊状態だったホルモンファンまで飛び跳ねているではないか。花冷え。の楽曲や演奏には、たとえどんな状態だろうがアドレナリンをドロドロに溢れさせる何かがあるのだ。あまりの盛り上がりに、メンバーはライブ中に何度も「本当に大丈夫なの?」と観客の様子を気にかけるほどだった。

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昨年敢行したワールドツアーは4人をひと回りもふた回りも大きくしていた。昨年5月に加入したばかりの新ドラマー・チカのドラミングは正確さとブルータルさをあわせ持つようになり、ヘッツとのリズム隊はより力を増している。バンドの司令塔・マツリ(Gt.&Vo.)は印象的なクリーンボーカルと安定感のあるギタープレイでバンドをしっかりと牽引。そして、シャウトとアニメボイスという相反する声を自在に操るユキナは、フロントウーマンとしての貫禄まで身につけはじめている。

灼熱酸素激薄状態はひどくなる一方だが、4人がパフォーマンスの手を緩めることはない。「今日イチのヘドバンを見せてください!」と花冷え。のワールドワイドな人気拡大のきっかけとなった「お先に失礼します。」をプレイし、最後は高速パンクチューン「Today’s Good Day & So Epic」で締めた。さらに、アンコールではなんと、マキシマム ザ ホルモン「F」の冒頭をプレイしてホルモンファンまで歓喜させ、そのまま「センチメンタル☆ヒロイン」へと突入。最後の大モッシュを巻き起こして終了した。彼女たちは花冷え。を育てたステージとフロアに感謝の音塊をしっかり叩きつけたのだった。ライブ後の4人は汗だくで疲れ切っていたが、憧れのバンドとの対バンは彼女たちに何ものにも代え難いパワーを与えたことだろう。

Photo by Mei Okabe


そして、花冷え。が結成して間もない高校生のころから開催している自主企画ライブ『春の大解放祭』の開催も発表となった。日程は5月12日、会場は恵比寿LIQUIDROOMで詳細は後日発表される予定。今年もアメリカのロラパルーザを筆頭に数々の海外公演が発表されている花冷え。。昨年以上の旋風を世界で巻き起こしそうだ。

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ライブレポート:阿刀 “DA” 大志

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