■9人がステージ上で力を出し尽くせば
■それだけでも意味がある1日になる

──豊田さんの漢字一文字は？

豊田：“友”ですかね。SOPHIAも続けていくなかで、活動休止とかいろんなことを経験してきて。今、ようやく友達として、SIAM SHADEと笑顔に溢れる空間を作れるようになった気がする。ようやくここで、本当の友達になれるんじゃないかなって思います。

──前回の松岡さんと栄喜さんの対談では“ライバル”という言葉もありました。

豊田：俺はもともとSIAM SHADEのことをライバルだと思ったことはないんですよ。まったく別物やと思ってたし、むしろ応援してたし、ファンやったから。そういうスタンスだから、今日も楽しいし、笑顔が溢れる。それは、それぞれが乗り越えてきた30年という活動の歴史があるから。だからライヴ当日は、来てくれた人も笑顔と涙で溢れる空間になると思う。友達同士じゃないと、そういうのって作れないから。当日はその空気感を楽しんでもらいたいですね。

──では、都さん。

都：“起”ですね。やっぱりこの形になること自体が奇跡だと思うんです。30年のうちに、それぞれバンド単位でも個人単位でもいろいろなことがあって。そんななかで、昔から知ってるのに、今まで対バンも音を出し合ったことも一切なかった二つのバンドが、一緒にできること自体が奇跡。キャリアを積んだもの同士が、今改めて一緒にやるって、新しいことを起こしてる感じがするんですよ。この年齢でそういうことができるってことに、正直、僕自身びっくりしてます。こんな奇跡みたいなことが起きんねんなって。なので“起”です。世の中に、音楽シーンに、ムーブメントを起こしたい。絶対楽しいものになると思う。

──それでは最後は、両バンドのフロントマンに締めくくっていただきましょう。まずは栄喜さん。

栄喜：自分のガラでもないんですけど、“愛”。松ちゃんが僕らを誘ってくれたことに、本当にすごい愛を感じました。損得勘定なし、無条件の愛だから、僕もそれに応えたい。そのためにやれることはすべてやるし。これはきっと、ファンにも伝染していくだろうなと思うんです。

──松岡さんはいかがですか？

松岡：感謝という意味で、“恩”。SOPHIAは30周年を迎えますが、復活できたことは今も奇跡だと思ってます。復活からの2年間は、ずっと僕たちを支えて、待っててくれたファンに対する感謝の2年間だったんです。オリジナルメンバー5人でまたステージに立てたこと。メンバーにも、サポートしてくれたスタッフにも感謝だった。30周年は僕のなかで、これまで受けた恩を返せるような活動をしていきたいなって。どうやったらその感謝をもっと形にできるのかなってことを、やれるだけやりたいと。一番はファンに対してですけど、僕らのいるこの音楽シーンにも、その先輩方にも恩を返したい。

栄喜：わかるな。この間のBARKS対談でも言ってましたよね。

松岡：そう。ここ最近、そういう機会に恵まれたことも影響してるんです。YOSHIKIさんだったり、LUNA SEAのRYUICHI君やSUGIZOさんに声をかけていただいたり。先輩バンドには、L’Arc-en-CielやGLAY、黒夢がいて。その後輩世代の僕らとは、そんなに年齢差があるわけじゃないけど、彼らがこのシーンで今も第一線を走ってくれてること自体に感謝なんですよ。僕もその端くれとして、シーンに対して恩を返したいという気持ちがどこかあるんです。

──同世代のSIAM SHADEと一緒に？

松岡：はい。栄喜が、“栄喜道”でSIAM SHADEの曲を歌っていることは知ってたから。彼らの音楽が現代に鳴ってないっていうことが、すごく悔しいなという思いがあって。彼らは僕らと、同じ時代を共に走り抜けてきた、近くて遠い存在として。

栄喜：そうですね。

松岡：しかも、個人個人は今でも音楽を続けているんですよ。なのに、集まってバンドの音を聴かせることができていないっていうことが、勝手にですけど、僕は歯がゆく感じてて。だから願いを込めて、「もしやってくれるなら」と栄喜に声をかけたんです。SOPHIAもそうですけど、バンドって結局他人なんですよ、全員が。メンバーそれぞれ価値観が違えば、それぞれの生活や暮らしがあるし、個々に将来の展望もある。そんな他人同士なんだけど、なにかが一つあるだけで、他人同士が強く結束することができる。それがバンドなんです。たったそれだけの絆なんだけど、ファンは一緒に夢や憧れをもって人生を走ってくれる。

──バンドのロマンですね。

松岡：だから、この9人が一つのバンドとして結束できたら、それぞれを支えてくれてたファンの人たちや、当時一緒に夢を見てくれてたスタッフも喜んでくれるんじゃないかなって。それは、恩を返すことになるんじゃないかな、というのが一番強くあったんです。栄喜に対しても、僕はずっと恩を感じてたんですよ。

──二人で雑誌の表紙を飾ったときのことですか？

松岡：そう。たぶん10年くらい全然会ってなかったと思うんだけど、いきなり栄喜から連絡があって「一緒に雑誌の表紙に出たい」と。そのとき僕は、すっごく嬉しくて。僕の中には今も、そのときの恩が残ってる。だから今度は僕が誘うぞってずっと思ってたので、まずこの話を都に相談したんです。そうしたら「めっちゃええやん！」と言ってくれて。

都：そうそう（笑）。

松岡：都はNATCHINとプライベートで仲がいいんですよ。だけど都は、「話をする順番を間違うと…だから、まず松ちゃんが栄喜君にこの話をして、それを栄喜君がSIAM SHADEのメンバーに言うまで、俺からNATCHINに話はしない」と言ってくれて。

都：話が混線しないように。センシティヴな話だから。

松岡：僕はそこから、まずウチのメンバーに1人ずつ電話して。そうしたら全員が「ええやんそれ！」「おもろいやん！」って反応で。急だったけど、本当に気持ちよくここまできたんです。…だからここから先はもめるかもしれません（一同笑）。

──いやいや。9人揃っての初合同インタビュー、めちゃくちゃ楽しい雰囲気じゃないですか。

松岡：違うんです。B型だらけなんですよ、この9人。

栄喜：ウチの4人は僕以外、全員B型なんで（笑）。

SOPHIA：えーーー!?

黒柳：ウチは松ちゃん、都、トモがB型だから、SIAM SOPHIAはB型が9人中6人もいる（笑）。

──ははは。個性的なバンドになりそうですね。最後にファンに向けてメッセージをお願いします。

松岡：僕らの人生を俯瞰で見たとき、この先のいつかのために努力するとか頑張るとか、そういう時期ではないと思うんです、もう今は。だけどね、ここまで山あり谷ありを経てきた二組のバンドが、バンドっていう見かけ以上に脆いものかもしれないけど、もう一回ここで、強い結束力と絆で集まることができた。とにかくひとりひとりが固まって全員でやれば、客席にいる人たちに、喜びを手渡したり、しんどいこともあるけど頑張ろうぜってエールが送れるんじゃないかと思うんです。そこを目掛けて一点集中で、その日に9人全員がステージ上で力を出し尽くせば、僕はそれだけでも意味がある1日になるんじゃないかなと思ってます。

取材・文◎東條祥恵
撮影◎宮脇進

■生配信番組『1995 SIAM SOPHIA – G” supported by dwango 独占生中継』

放送日時 : 2025年2月9日(日) 16:30開演
タイムシフト視聴：3月11日まで
視聴ページ : https://live.nicovideo.jp/watch/lv346844420
▼配信視聴チケット
・一般会員5,000円(税込)
・ニコニコプレミアム会員4,000円(税込)
※チケット代金とは別途、サービス手数料400円(税込)をお支払いただきます。
販売ページ：https://dwango-ticket.jp/project/h9FxkoM5M3
【キャンペーン概要】
番組放送中にギフト機能を使用した方の中から抽選で10名にプレゼント
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配信視聴チケットを購入し、生配信中に1,000ポイント以上ギフトを贈っていること
※1,000ポイントごとに当選確率が＋1倍になります。
例) 2,000ポイント～：当選確率2倍、3,000ポイント～：当選確率3倍、4,000ポイント～：当選確率4倍
▼注意事項
※ゲストアカウント、匿名(名無し)の方は抽選対象外となります。
※ギフトは生配信タイミングのみお送りいただけます。タイムシフト期間は対象外です。

■公演＜FM OSAKA 55th anniversary “1995 SIAM SOPHIA – G” supported by dwango＞
2025年2月9日(日)　大阪城ホール
open15:30 / start16:30
出演：SOPHIA　栄喜(SIAM SHADE)　KAZUMA(SIAM SHADE)　NATCHIN(SIAM SHADE)　淳士(SIAM SHADE)
総合MC：ガレッジセール
主催／企画：FM OSAKA／TOY’S FACTORY
制作：Avex Live Creative Inc.
協賛：LAWSON ENTERTAINMENT Inc.

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