最先端トランス・シーンに潜入!“Return To The Source 2001”レポート!

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最先端トランス・シーンに潜入!

フロアーは人、人、人。朝になっても踊る 踊る! 踊る!


V.A./『Rhythm Of Life』

SOLSTICE MUSIC SOLC-004
2,500(tax in) 2001.3.7発売!

1. French Altitude/Bio-Tonic
2.Skelton Crew/Medicine Drum
3.Viberooni/Ju Ju Space Jazz
4.Liquid Dog/Something Wonderful
5.Miraculi 3/8/Masa
6.DJinn/Quirk
7.Float On/Art Man
8.Change/Digital Mystery Tour
9.Diving Moment Of Truth/Shpongle
10.The Beast Man/Etnica

※Medicine Drumが参加したコンピレーション・アルバム




ELECTRIC TEASE/「Let's Rock」

SOLSTICE MUSIC SOLC-003
1,260(tax in) 発売中!
1
.Let's Rock
2
.Future Sound Of Tokyo
3
.Let's Rock(JOUJOUKA Remix)
4
.Holy Smoke

※DJ Tsuyoshiのユニット、JOUJOUKAによるRemixも収録



▲フロアーは人、人、人。
朝になっても踊る 踊る! 踊る!!
最近、観客動員数がうなぎのぼりのトランス・シーン。

その実態を探るべく、今回はトランス・シーンを代表するイベント“Return To The Source(以下R.T.T.S.)2001”に潜入した。

R.T.T.S.はもともとイギリスの野外で始められたレイヴである。その後、日本に上陸し、何年間かは富士山が見える自然に囲まれた美しい場所で行なわれていたが、今年は去年に引き続き室内で行なわれた。

会場の外からはTim HealyのDJが速すぎずに気持ち良いミドル・テンポな展開で聴こえてくる。夜を徹して行なわれるイベントなので“いやーまだ入っちゃ先が長いのにー”と思いつつ、中から伝わってくるあまりの熱気で吸い込まれるように会場へ…。フロアには溢れるばかりの人・人・人で、早い時間からすでにヒート・アップ状態。

深夜12時をまわるとTim Healyは、自身のソロ・プロジェクトであるElectric Teaseとしてライヴをスタート。


▲Tim HealyことElectric Tease。
このイベントの中心人物だ!
しばらくして去年の末にリリースされた「Let's Rock」のパンチが効いた曲を演奏するとオーディエンスは一気に爆発する。両側に設置されたスクリーンには女性ダンサーが実際に踊るシルエットが映し出され、そこにVJが溶け込むように映像を融合していた。全体的にトランスというより、ロック・テイストの強いライヴらしいパフォーマンスを展開した。

そしてElectric Teaseの流れを受けてTsuyoshiが登場。一時外でくつろいでいたオーディエンスも一気に会場の中になだれ込み、まるでTsuyoshiが指揮をとるかのようにオーディエンスは一体になって踊り始めた。

トランス・ミュージックは、一定に進んでいく早いビートに浮遊感溢れるサウンドをプラスした、音色の変化が少ないジャンルだと思っていたが、Tsuyoshiのプレイを聴いて認識を新たにさせられた。

速いビートにブレーク・ビーツを混ぜながら、生楽器音のネタをプラスしたプレイでオーディエンスを高揚させていく。そしてアンビエントの音からジワジワとビートをいれ、オーディエンスを興奮の頂点へと引っぱっていき爆発するビートは、うねりと共に心の中に歯切れよく刻まれていく…様々なジャンルの音色を取り入れたTsuyoshiの姿勢は、確実にシーンを引っ張るプレイに繋がっていると確信した。


▲ Native American Indian Drummers
DJ Tsuyoshiのプレイがあっと言う間に終わり、Native American Indian Drummersが登場。

<いつでも自然と共存していることを忘れてはいけない>そんな叫びが聴こえるような力強いドラムの音。

会場はとても自然な響きに包まれた神聖なる空気で覆われ、まるで時間が止まったかのように心の奥底まで重みも伴って入り込む。そしてその後にMedicine Drumも登場し、コラボレーションが始まる。


▲ Medicine Drumの“静”と“動”のビートに乗り、踊るダンサーたち
Medicine Drumのヴォーカルllinaやダンサーはしなやかなステージを作り、重たい生ドラムの“静”のビートとデジタルの早い “動”のビートが絡みあい、心の奥底を揺さぶる。

そして最後、午前4時を過ぎたあたりでR.T.T.S.のレジデンスDJ、Mark Allenが登場。直球型のサイケデリック・トランスをかけながらスピーディな展開で、日の光が眩しく照りだす時間までそれは続いた。

数年前とは違い、トランス・シーンのDJ達は、サイケデリック・トランスと言われる限られた音域でプレイするのではなく、ミニマル、ブレーク・ビーツ、そしてダブなど様々なジャンルの音を取り入れてよりいっそう、楽しめるプレイへと進化している。

それと同時にR.T.T.S.も、より一般的に楽しめるパーティになったと思う。こういったパーティをまたぜひ自然の中でやって欲しい。

文●伊藤智子

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