AJICO  ひとつの短い物語にピリオドをうつ!

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2000年夏、野外フェスティバルで初めて姿を現わしたAJICO。昨年の11月からたった4ヶ月間でシングル2枚、アルバム1枚をリリース。独特な世界観を持つ楽曲と、エネルギッシュで質の高い演奏は、瞬く間にAJICO旋風を巻き起こした。

しかし昨日(3月20日)、赤坂BLITZで行なわれた全国ツアー【2001年AJICOの旅】の最終公演で、AJICOとしての活動を終える事をファンに報告した。

深緑色のライトに包まれたUAの透きとおるような声で始まったライヴは、MCが間に入るわけでもなく、“音”だけでひとつのAJICOストーリーを作るかのように次々と楽曲が演奏されていく。メンバー4人が奏でる声と楽器から伝わってくる“波動”がひとつとなり、フロアをぎっしりと埋め尽くした観客をすっぽりとAJICO音の波で覆ってしまった。

そして終盤、UAがメンバー紹介を行ない、「We are AJICO」と言った後、ベンジーが「今日でお別れです」と一言。

あまりにも早い終止宣言。観客も現実をすぐには把握できなかったようだった。

結局、AJICOは夢のように現われ、夢のように消えていった。しかし彼らは、そんなAJICOの存在を自ら自覚したからこそ、この短期間で溢れ出るエネルギーを集中させ、これほどまでにすばらしい楽曲とライヴを届けてくれたのだろう。AJICOは幻ではない。確実に日本の音楽界に新しい風を吹き込み、そして短い物語の足跡をしっかりと残してくれた。
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