カリスマ的現象を巻き起こすUKソウルの大型新人、ついに全米デビュー

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カリスマ的現象を巻き起こすUKソウルの大型新人ついに全米デビュー
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「アルバムの曲には15歳の頃に書き始めたものもあるんだ」

1st Album

Born To Do It
Victor Entertainment VICP-61520
2001年08月22日発売 2,520 (tax in)

※2001年年末までの期間限定盤
(豪華特殊パッケージ&スペシャルステッカー封入)

VIJP-60005
¥3,300(税抜)(初回限定アナログ盤)

1 Fill Me In
2 Can't Be Messing'round
3 Rendezvous
4 7Days
5 Follow Me
6 Last Night
7 Walking Away
8 Time To Party
9 Booty Man
10 Once In A Lifetime
11 You Know What
12 Fill Me In(Artful Dodger Mix)*
13 Fill Me In(Sunship Vocal Mix)*
*BONUS TRACK(アナログ盤には未収録)


19歳になる英国のシンガーCraig Davidは、これまで聞いたこともないようなビッグなR&Bスターである。デビューアルバムの『Born To Do It』は10カ国で数えきれないほど売れたが(英国だけでも5プラチナ分に達し、Brit Awardでは4部門にノミネートされた)、このカリスマ的現象は魅惑的なR&Bと聖歌隊の少年のようなマナーで今度は米国を制覇しようとしている。

Davidの音楽性はロンドンの2ステップガラージュからコンテンポラリーなR&Bまで幅広く、耳をつんざくようなナンパ賛歌で楽しめること請け合いでの「Booty Man」や「Follow Me」といったラジオ向きの作品を数多く発表している。しかし、彼のモデルのようなルックスと母親への献身的な愛情を別にして、最もアピールしているのは「Once In A Lifetime」やゆるい調子の「Time To Party」、それと抵抗できないほどメランコリックで荘厳な「Walking Away」など。これらの感動的で成熟した曲を、クルーナー唱法で歌うときのSam Cooke的なヴォイスなのだ。

Davidは、その賛辞と成功ぶりから、シャツを脱いで筋肉をひけらかす好色なヒップホップスターがまたひとり登場したと思われがちである。だが実際のDavidは控えめで慎ましく、行儀の良い質実剛健な独身男性(自国にいるときにはいまだに家族と暮らしている)だ。しかし、誘惑に差し迫られた場合の対処法もちゃんと心得ているようだ。

もしも僕と過ごしたいという女の子がやってきて、いいムードになったら、決断しなくちゃいけない。落ち着いて自分の役割を果たすだけさ

レコード会社の会議室に座ったDavidは答える。

僕はセックスに反対しているわけじゃなくて、そのためだけにやることや、注意を払わずにことに及ぶことに反対しているんだ。誰かれ構わず寝たいとは思わない。どっちにしても僕が付き合う娘にそんな手合いはいないけど。きれいな娘が現れて僕に迫ってきたとしても、“最初の夜だよ、君は僕のことをまだ全然知らないだろう”と言って断るよ。彼女は現実の僕じゃなくて活動にまつわる誇大なイメージにはまってしまっているんだ。実際の僕は“今夜あげちゃうなんて思わないでよ”みたいに言ってくれる娘のほうを尊重したいんだ

Davidの性行動に対する慎重な姿勢は、自身の曲「Walking Away」に最もよく反映されている。自分をもてあそんだと思い込んだ疑い深い少女の件で傷ついた若き日のDavidは、その反省から安全な行動を心がけるようになったという。

自分の置かれた状況、つまり女の子との関係を説明したかっただけさ。当時の僕はDJをやっていて、そのガールフレンドは友人たちの“クラブのDJなんてたくさんのグルーピーに囲まれてるんだから、あんたは遊ばれているのよ”という言葉に耳を傾けてしまったんだ。僕は彼女に“君は本気の相手だ、クラブの状況はたしかにそうだけど、わかってよ”と言ったんだけど理解してくれなかった。そのうえ彼女の背後にいた友人たちが“あの子は僕にはふさわしくない”って吹き込むのさ。連中には何か腹黒い思惑があったんだろうね、わかるかい? 最終的に僕は“良い方向に進みたいから、僕が身を引くよ”って言ったんだ

だが、現在のCraigはクリーンな生活をしているそうだ。「7 Days」は毎晩のように女性を取り換えている男の話! それに「Booty Man」はどうだ? お手軽なセックスには関心がないんだって? ホントかよ……。

本当はね、アルバムの曲には15歳の頃に書き始めたものもあるんだ。女の子や恋愛、出逢いと別れみたいなことに興味津々の年頃だろ

Davidは会議室にあるイチゴとアイスクリームを来訪者に熱心に勧めながら(彼は自己中心と思われたくないようだ)説明する。

15歳の男の子がしょっちゅう話してるようなことだよ。月曜日に女の子に言い寄って、1週間ずっと“僕の寝室においでよ”って誘い続けても、日曜日には冷めている。そういうことがエキサイティングで、もっと探求したかった人生の時期というものを表現しているんだ。

Booty Man”だって歌の中では僕が主人公を演じているけど、実際にはクラブでDJをやっていたころに観察した周りの男たちを描いているのさ。連中はいつでも、いちばんきれいな娘をそれほど時間をかけずに簡単にものにしていたよ。“アイツはどんな風だった?”みたいな感じでね。だから僕は自分が共感できる“Once In A Lifetime”みたいに、過去の経験からたくさんのことを紡ぎだすことができるのさ

若くしてすでに先進諸国マーケットの大半を制覇したアーティストにしては、Craig Davidは驚くほどしっかりとした信念をもって活動している。どのようにして彼はそれを実現し、自分をリアルに保っていられるのだろうか?

僕にとって最高の目標は曲を作って歌うことさ。女の子に関しては、僕はそれほどのプレイボーイじゃないよ。つまりね、誰かに敬意を捧げれば、必ず返してもらえるということ。こんなゲームのレベルに到達すれば、思いつくものはすべて“どうぞ、どうぞ”って感じで目の前にぶら下がっているものさ。ここで人間の強さというものが試されるんだ。信念を失わず、名声に飲み込まれてしまわないかどうかのね。

毎晩女の子を取り換えたければそれもいいだろう。酒やドラッグも、それが自分のヴァイブならば構わないよ。だけど僕は音楽に専念していたいんだ。だって音楽こそが僕をここまで導いてくれたんだからね。その途中で女の子に目もくれなかったってわけじゃないけどさ……

By Ken Micallef/LAUNCH.com

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