ライヴ映像でその迫力がわかるM.O.S.A.D.特集

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ライヴ映像でその迫力がわかる
2003年、大注目のM.O.S.A.D.特集

東京と大阪という二つの都市に挟まれながらも、常に独自の文化を築いてきた<名古屋>という地。
ヒップホップの世界においても、その伝統は確実に受け継がれており、
実力と個性の伴った特別なシーンがしっかりと存在している。
そんな名古屋を代表するグループ、M.O.S.A.D.(モサド)を映像と共に大フィーチャー。

ストリートの躍動感をダイレクトに伝える
M.O.S.A.D.ニュー・アルバム

『THE GREAT SENSATION』

MS Record
MSCN-2001 3,059(tax in)

HARLEMのコンピ・REMIX盤

『HARLEM ver1.7』

Harlem Recordings
HARCD-3007 2,500(tax in)

名古屋のヒップホップ・シーンで、まっ先に全国区で注目を浴びたのが、 DJ HazuとTokona-Xによるグループ、Illmariachiだ。DJ Hazuの荒っぽくゴリゴリした質感のトラックと、ラッパーとしての天性の声を持つTokona-Xの迫力あるラップとの組み合わせによる強烈なオリジナリティを武器に、彼らは'96年リリースのシングル「荒療治/Tokonaizm」でレコード・デビューを果たす。そして、「Nagoya Queens/Younggunnz」や「イルマーチ/博徒九十七」で東京に挑戦状を叩き付け、アルバム『Tha Masta Blusta』でその地位を不動のものとした。

そのIllmariachiと並行する形で'96年にTokona-XがEqual、Akiraと共に結成したのが、M.O.S.A.D.の前身であるMaster Of Skillzだ。彼らはシングル「M.O.S./E.A.T.」でデビューを果たし、地元名古屋を中心にアンダーグラウンド・レベルで確実なプロップスを上げていった。

2000年にはDJ Fixerが新たにメンバーとして加入し、グループ名も“Master Of Skillzの世紀(A.D.)”という意味を込めてM.O.S.A.D.に改名し、彼らは遂に次のステップへ進み始める。同年、日本各地のアーティストが集まったコンピレーション盤『Rap Warz Donpachi』にはTokona-X feat. Equal, Akira(実質的にはM.O.S.A.D.)で参加。一方でTokona-XはIllmariachiでミニ・アルバム『Aiming Higher~尾張ヒールズ~』を'01年にリリースし、収録曲「尾張ヒールズ」にはEqaulも参加している。

さらに'01年にはM.O.S.A.D.としてOzrosaurus『Rollin' 045』餓鬼レンジャー『Upper Jam』、Backgammon「3rd Eye Contact」に次々とゲスト参加し、M.O.S.A.D.の名は確実に浸透していくこととなる。

決定的となったのが、Tokona-Xの衝撃的な二つのゲスト参加作だろう。一つは渋谷のクラブHarlemが企画したコンピレーション盤『Harlem Ver.1.0』で、プロデューサーD.O.I.とのタッグによるアルバム中最強曲と評された「EQUIS.EX.X.」。そしてDABOの2ndアルバム『HITMAN』収録曲「Murda!!!(Killa Emcee)」では、タイトルどおりのキラーMCっぷりを披露した。これによってTokona-X、そして彼が属する M.O.S.A.D.の新作への期待が一気に高まったのは間違いない。


M.O.S.A.D.ライヴ映像

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そんな絶好のタイミングで、'02年9月、10月にマキシ・シングル「Fabulous(Remix)」「IFI...」を立て続けにリリースしてから、遂に待望のデビュー・アルバム『The Great Sensation』を12月にリリースした。このアルバムは文字どおりの新しい興奮を与えてくれるアルバムだ。 3MCが放つ生々しいまでのハードコア・ライムは、DJ FixerやEqualのベースの効いたトラックに乗って、ストリートの躍動感をダイレクトに伝える。Phobia Of ThugなどM.O.S.A.D.周辺の名古屋の活きの良い数多くのMC達の他、OzrosaurusのMacchoもゲスト参加し、聴く者によっては痛みさえ感じるような、攻撃的な作品に仕上がっている。

このアルバムと同時にリリースされたコンピレーション盤『Harlem Ver.1.7』でM.O.S.A.D.として「EQUIS.EX.X」のリメイク版「EQUIS.EX.X. Pt.2」を手掛け、Tokona-Xは'03年にリリースされるMuroのミニ・アルバム『Chain Reaction』にも参加。その注目度合いは益々、加速的に上昇している。M.O.S.A.D.が'03年のヒップホップ・シーンをかき回してくれるのは間違いない。

文●大前 至

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