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北海道のとある町。七浜高校合唱部のソプラノパートリーダー・荻野かすみは、自分の歌声とルックスに異常なまでの自信を持つ女の子。ある日、写真が趣味のイケメン生徒会長・牧村純一から、「歌っている荻野さんが撮りたい!」とモデルを頼まれて、かすみは、「牧村は私のことが好きなんだ!!」と有頂天になる。

合唱コンクールの北海道予選の壮行会。恐るべきハイテンションで、自信満々に、豊か過ぎるほど表情豊かに歌い上げるかすみの姿を、カシャカシャとカメラで撮りまくる牧村。だが、上がってきた写真は、目を見開き、口を大きく開けた、インパクトたっぷりの顔ばかり。「あたし、歌ってるとき、こんな顔してるの?」と驚愕するかすみに、乙女心がわからない牧村は、「産卵中のシャケみたいな顔でユーモラスじゃん」とさらり。しかもその写真を生徒会新聞に載せられてしまう。

激怒するかすみだが、牧村に思いを寄せる青柳レナに、「正直言って、あなたの歌ってる顔って変だよ」と追い討ちをかけられ、すっかり自信喪失。傷心で、合唱部顧問の産休代員・瀬沼裕子先生についに退部を申し出る。が、意外にも「荻野さんの人生だもんね、辞めちゃいなさい」とあっさり承諾されてしまう。でも、瀬沼から「ラストステージは必要よ」と言われ、やる気のないまま夏祭りの合唱祭に出場することに。

合唱祭でいきいきと歌う浴衣姿の七浜合唱部。しかし、かすみだけはステージに上がっても下を向いてばかりで、声を出すのもままならない。心配した部長の松本楓とピアノ担当の副部長・野村ミズキがわけを聞こうとするが、かすみは二人を振り切ってしまう。

そこに突如現れたのは、番長・権藤洋が率いる、湯の川学院高校のヤンキー合唱団。おびえるかすみたちに、ヤンキーたちは「負ける気がぜんぜんしねえ!」と宣戦布告。さらに権藤はかすみに「さっき歌ってるとこ見たけど、あんな歌い方、歌への冒涜だ」と指摘する。そして、湯の川学院の歌が始まった。尾崎豊の「15の夜」を熱くソウルフルに歌い上げる彼らを見て、かすみは「すごい! 歌ってあんなに感情が伝わってくるものなんだ」と大感激。権藤に、歌うのが怖くなった理由を明かすが、「必死になってる顔に疑問を持っていたら、一生だせえまんまだ!」と叱咤激励され、つい忘れかけていた歌への自分の素直な思いに気付くのだったーー「歌いたい、あたしは歌いたいんだ!」。

地区予選当日。かすみの変化が、七浜合唱部の仲間とそのステージを包み込み、素敵な歌の奇跡を巻き起こそうとしていた…。

監督:田中誠
脚本:栗原裕光 田中誠
出演:夏帆 ゴリ(ガレッジセール) 徳永えり 亜希子 岩田さゆり ともさかりえ 間寛平 薬師丸ひろ子
製作:『うた魂♪』製作委員会   制作プロダクション:日活撮影所    配給:日活株式会社
2007年/日本映画/35ミリ/アメリカンヴィスタ/ドルビーSRD・DTSステレオ/カラー/120分 ©2008『うた魂♪』製作委員会

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