ニュース・最新情報

プロフィール・バイオグラフィ・リンク

古くからの熱狂的なロックファンには異論もあるかもしれないが、'90年代にブルースジャミングの芸術を取り込んだのはBlack Crowesだった。独創性はないとする向きもあるが、このアトランタ出身のグループは、自分達が新しいものを作り上げたと主張したことは一度もないのだ。

中心メンバーのChris Robinsonのあけすけな言動や、弟でギタリストのRichとのケンカのおかげで、バンドの音楽的な功績はかき消されてしまうこともあるが、そうした騒動はさておき、Black Crowesはまさに並外れたオーラをファンのために作り上げてきた。

'80年代後半の結成時のメンバーは、2人のRobinson兄弟、ギターのJeff Cease、ベースのJohnny Colt、ドラムのSteven Gorman。'90年、George Drakouliasを通じてAmerican Recordings(当時のDef American)と契約した。George DrakouliasはBlack Crowesのデビューアルバム『Shake Your Money Maker』と2ndアルバム『The Southern Harmony & Musical Companion』をプロデュースし、このバンドのルーツであるブルースを際立たせた人物だ。この2枚のアルバムがBlack Crowesの最盛期であった。

『The Southern Harmony & Musical Companion』からは、Ceaseに代わってMarc Fordが加入、キーボードのEddie Harschも加わっている。Drakouliasと離れてからは、ヒットシングルよりもアルバム作りにさらに専念するようになった。ソウルやゴスベルの影響を強調し、たびたびサイケデリックな雰囲気をサウンドに取り入れた。

また、お得意のライヴでは、もともと陶酔感のある曲を、さらに長いヴァージョンで披露した。ファンには優しく、観客がライヴで録音することも許している。後年のアルバムはさらにモダンで、レトロ色が薄れてきた。'97年の夏、Marc Fordが脱退したが、Black Crowesの方向性に大きな影響はなさそうだ。

Chris Robinsonの表現力豊かなヴォーカルは当初から印象的だったが、彼は7年間のほとんどを、あらゆるニュアンスを開拓することに費やした。Black Crowesの他のメンバーも大きく成長した。もはや若い成り上がりとは言えない今、Black Crowesは観客を長いジャムで魅了できるバンドとなった。

Black CrowesはX世代のAllman Brothersのようだ、と感じたとしても、それほど的外れではないだろう。