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Creamはロック界における初めてのスーパー・バンドであり、クラシック・ロックの世界では神聖視されたトリオ・バンドである。果たして本当に彼らはそれに値するグループだったのか…もはや、そんな問いかけすらナンセンス。ブルース・テイストを基盤にしながらも、前衛と先進とインプロヴァイズを練り込み、超絶な演奏技術をも内包していたCreamは、3年間という短い期間でロックの世界に新しいフィールドを作り上げた。その後、ヘヴィなギターをフィーチュアした何百ものバンドがCreamに追随したが、結果、彼らはCreamの素晴らしさを際立たせるばかりであった。

'66年にCreamが結成される以前、YardbirdsのメンバーだったギタリストのEric Claptonは、もう既に世間からは“神様”と呼ばれている。一方、彼のバンド・メイトであるJack Bruce(bass/vocals)とGinger Baker(drums)は、主にジャズやブルース畑の出身で、Jack BruceはEric Claptonと同様、John Mayallのバンド・メンバーとしてプレイしていた。即興演奏を中心にブルースの曲をレパートリーにしてはいたが(彼らがカヴァーした“Crossroads”が、Robert Johnsonの曲としては初めてのシングル・ヒットとなったのは有名な話)、Creamは本質的にロック・バンドだった。“ロック・バンド”という概念や既存のスタイルが何もないシーンに於いて、彼らはライヴ演奏とスタジオ演奏では全く違う個性を放っていた。スタジオでは、Jack Bruceの超個性的な曲作りのスタイルによってサイケデリックなトーンがもたらされ、ブルージーなアプローチは影を潜め、Claptonのギター・ソロも控えめで歌を際立たせていた。しかし、ひとたびステージに上がると、まるでメンバーがお互いの憎しみをぶつけあうかのような力強さと豊かなインプロヴィゼイションによって、 地獄も崩れ落ちてしまうかようなアグレッシブかつ刺激的な演奏を繰り広げ続けた。

メンバー間の憎しみによってCreamは絶頂期に分裂し、'68年のRoyal Albert Hallでのフェアウェル・コンサートを最後に解散。'80年代半ばには再結成のプランが持ち上がったものの、Claptonがそれを断わったとのこと(その後Jack BruceとGinger BakerがギタリストにGary Mooreを招いてトリオを組んだが、それをCreamと重ね合わせるのは筋違いというモノだ)。

しかし、'93年のRock And Roll Hall Of fame授与式の場で、ついにCreamは再結成を果たし、歴史に残るプレイを披露する。この夜、Jack Bruceはマスコミを前に「俺達が再結成出来たんだから誰でも出来るさ!」と語った。Claptonも「2人と再び演奏することが出来て、とても感動的だった」とコメント。Claptonは今もなおコンサートでCream時代の曲をプレイし続け、Jack Bruceもまた、Ringo StarrとのツアーでCreamのナンバーを演奏している。