ニュース・最新情報

プロフィール・バイオグラフィ・リンク

ブリティッシュ・パンクバンドの先駆者The Damnedは、ブリティッシュ・パンク・バンドとして最初にレコードを出し(『New Rose』)、フル・アルバムをレコーディングし(『Damned Damned Damned』)、アメリカをツアーして無事に戻り、再びアメリカをツアーした。いずれもSex Pistolsより早かった。そしておそらく、いったん解散して再結成したのもブリティッシュ・パンク・バンドとして初めてで、Sex Pistolsより早かった。


The Damnedを辞めたかクビになったメンバーの数はElizabeth Taylorの元夫より多く、解散した回数も彼女の離婚より多い。しかし、The Damnedは波乱の20年間を通して、唯一のオリジナル・メンバーでヴォーカリストのDave Vanianのおかげで、何とか変わらずにやってきた。どんなブリティッシュ・パンクバンドよりも質の高いアルバムを、より多くのレーベルでリリースした彼らに匹敵するのはアメリカのIggy Popだ。


''76年、ギタリストのBrian JamesとベーシストのCaptain SensibleとドラマーのRat Scabiesが、Chrissie Hynde(後にPretenders)をクビにし、Dave Vanian(墓堀り人として働いていたらしい)を迎えてグループは結成された。


The Damnedとして初めてロンドンでライヴをやったのは''76年7月。当時はJamesがメインのソングライターで、スピーディなパンク・チューン“New Rose”や“Neat,Neat,Neat”、ギンギラで暗い“Feel The Pain”等を書いた。これらの曲はすべて、Nick Loweがプロデュースした''77年のデビューアルバム『Damned Damned Damned』に収録。4人のオリジナルメンバー全員が参加した唯一のスタジオ・レコーディングである。


バンドの度重なる喧嘩が原因か、次のアルバム『Music For Pleasure』は、“Pleasure”(喜び)とは名ばかりで、ギタリストのLu Edmundsが加わったが1stアルバムのようなエネルギーはなかった。Scabiesがしばらくグループを離れ、Brian Jamesは脱退してLords Of The New Churchに加わった。The Damned は数回にわたって解散と再結成を繰り返した後、ギターにSensible、ドラムに舞い戻ったScabies、そしてベースにAlgy Wardという新しいラインナップで、『Machine Gun Etiquiette』をレコーディングした。


''79年の年末の時点で、彼らが共同で作詞作曲したシングルの代表作は“Love Song”“I Just Can''t Be Happy Today”“Smash It Up”。''80年の『The Black Album』は、シンセサイザーとヴォーカル・ハーモニーでポップとロックとゴシックを融合させた結果、それまでの作品に比べてサウンドが飛躍的に進歩し、“Wait For The Blackout”“Dr. Jekyll And Mr.Hyde”、そして“History of the World (Part1)”のような楽曲がその力量を示した。


ScabiesとSensibleとVanianのユニットが続いたが、''82年に“Happy Talk”で既にソロ・ヒットを飛ばしていたSensibleが、''84年にソロ活動に専念するために脱退し、“Wot”でディスコの頂点に立った。Vanianは黒の長いケープをさらにしっかりと引っ張り、Scabiesと共に不気味かつ劇的な『Phantasmagoria』をリリースした。アメリカのメジャーレーベルMCAからの初めてのアルバムで、今までで最大のヒットとなっている。“Shadow Of Love”と“Grimly Fiendish”が高い注目を浴びたが、バンドにとって最高位をもたらしたのは、ボーナストラックとして収録されたPaul Ryanの“Eloise”のカヴァー曲で、イギリスで3位になった。


続いてタイトルトラックとLoveの“Alone Again Or”のめまいがしそうなカバーをフィーチュアした売れ線のアルバム『Anything』も商業的な成功を収めた。Ozzy Osbourneをまねて、バンドはファイナル・コンサートや再結成ツアーを繰り返し、ついに''89年にオリジナル・メンバーのJamesとSensibleが復帰して、ライヴアルバム『Final Damnation』をリリースした。


The Damnedは今度は本気で解散し、''90年代にThe Damnedは存在しなかった。が、''96年に10年ぶりのスタジオ・アルバム『Not Of This Earth』で復活。Sensibleを欠いたこのアルバムには、Rat ScabiesとBrian Jamesと数人の有名ミュージシャン(Sex PistolsのオリジナルメンバーGlen Matlockなど)が参加した。2曲ほど許せる楽曲もあるが(“I Need A Life”と“Tailspin”)、大多数はメタルっぽいリードにおぼれているだけで(“Testify”)、アルバム全体にかつてのエネルギーとバイタリティはない。限定リリースのみで、このアルバムがひっそりと店頭を通り過ぎただけだったのは、最高のブリティッシュ・パンクバンドのひとつであるThe Damnedの名声にとっては、せめてもの救いだった。

ライブ・コンサート・チケット