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Ice-T として知られているTracy Marrowは、ハードでファンキーなスタイルで、初めてイーストコーストの同業者達に認められたウエストコーストのラッパーである。俗に“ギャングスタ”と呼ばれた最初のアーティストでもあるが、彼はギャングライフだけではなく、検閲、牢獄、セックスやラップ業界など幅広いテーマで作品を書く。

両親を交通事故で亡くしたIceはロサンゼルスで叔母によって育てられ、ゲットーの作家Iceberg Slimの作品と出会う。Crenshaw高校に在籍中、腕だめしに自分も物を書き始めたIceは、サウスセントラルのギャング時代、Slimに共鳴してこの名前をつけた。

ロサンゼルスのラップクラブに定期的に出でいたことがきっかけで、''84年に初期のラップを描いた映画『Breakin''』に出演。''87年にはSireからメジャーデビューを果たす。また、彼の語るストリートライフがDennis Hopperの耳にとまり、Hopperの映画『Colors』のタイトルトラックを任された。その後のアルバムはさらに濃厚で練られた作品が続き、24曲入りの『O.G.Original Gangster』の頃には完全に彼独自のスタイルが確立されている。Iceのヘヴィメタル好きは黒人メタルバンドBody Countの結成につながった。その意気込みもさることながら、Iceの荒々しくも笑える詩が重要な位置を占めていた。

Ice-Tの名が皮肉にも世に知れ渡ったのは、疑いもなくBody Countの乱暴な曲“Cop Killer”によってである。上はブッシュ大統領に至るまで、権力者達はそろってこの曲を罵倒した。Warnerの重役達に対する凄まじいプレッシャー(時には暴力的な圧力さえあったとIceは言っている)の後、この曲はBody Countのデビューアルバムから外されることになる。

Ice-Tのアルバム売上は5~6枚目で落ち始めるが、映画俳優としての仕事は増え続け、成功している。ファンは気まぐれで、評価は賛否に別れるが、Ice-Tの作品は相変わらず質が高くオリジナル性に富んでいる。