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ヘヴィメタルのようにヘヴィで、フリージャズのように即興的で、交響楽のように振幅が激しい。King Crimsonの作品は、今日の音楽の中で最も重要で影響力の大きいものだ。彼らはロックを芸術的に押し進め、ヴァースとコーラスを繰り返す曲構造や、4/4拍子をキープするビートというロックの定義を遙かに越える存在に作り上げた。不条理なその歌詞は、時にヴォーカルをメロディ表現のためだけの道具にしてしまったりもしたが、彼らの演奏という遺産は他に類をみない内容となっている。

イギリスのアートロックバンド、Giles, Giles and Frippから派生したKing Crimsonは、''69年、Robert Frippとサキソフォン奏者のIan McDonaldによって結成された。彼らのデビューアルバムは、セミクラシカルな、メロトロンを多用したサウンドが、黙示録のサウンドトラックを奏でるような作品だった。この『In The Court Of The Crimson King』アルバムには、彼らのトレードマーク的作品となった“21st Century Schizoid Man”が収録されている。

しかし、ジャズよりのアルバム『In The Wake Of Poseidon』を発表した後、当初のラインナップで残ったのはRobert Frippだけだった。彼は事実上バンドのリーダーとなり、さらに難解なアルバム『Lizard』を''70年に、そして『Islands』を''71年に発表したが、双方のアルバムとも決め手となる曲が欠けていた。

しかし、''72年から''74年にかけてKing Crimsonの究極のラインナップとも言える顔ぶれがそろう(Robert Frippはうんとは言わないだろうが)。ギターにRobert Fripp、ドラムにBill Bruford、ベースとヴォーカルにJohn Wetton、ヴァイオリンにDavid Cross、そして短期間ではあったがパーカッションにJamir Muirという組み合わせだ。彼らはKing Crimson史上最も実り豊かな作品を作り出した。歯切れがよく、ドラマティックで幻惑されそうなまでにシンコペーションがきいた作品達。『Lark''s Tongues In Aspic』『Starless And Bible Black』、そして『Red』。ライヴではその内容はさらに厚みと暗さを増していった。それは未知の領域へと踏み込み、即興的に素晴らしい曲を生み出していく、このラインナップのプライドの表れだった。

''81年、Robert FrippとBill Brufordは頭同様、体も動かしたいという野望を抱いて、ポップギタリストのAdrian Belewと、スティックベースを操るTony Levinと共にシーンに戻ってきた。''81年にリリースされた『Discipline』、''82年にリリースされた『Beat』、そして''84年にリリースされた『Three Of A Perfect Pair』の3枚のアルバムはどれもみな、大がかりなダンス音楽に影響された興味深いハーモニーと卓越したプレイに満ちた作品だった。

11年間の空白の後、''95年になるとRobert Frippは新たなKing Crimsonで復活した。ギターもベースもドラムも総て2人ずつという、トリオが2組存在するような組み合わせのバンドだ。バンドはこの二重構造というアイディアを生かして、新たに熱気あふれる激しい音楽という方向性へ進み、生々しいライヴのようなサウンドのアルバム『Thrak』をリリースしたが、バンドの中にトリオが2組存在するという特質を生かし切れているとはいえない内容だった。

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