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Bette Midlerは'79年、Janis Joplinをモデルとして作られた映画『ローズ(The Rose)』に主演した。それまでMidlerはブロードウェイの舞台『屋根の上のバイオリン弾き(Fiddler On The Roof)』に立ち、ニューヨークのナイトクラブにレギュラー出演し(こともあろうに、あの素晴らしいBarry Manilowとである)、'70年代を通じて数枚のアルバムをリリースしてきたが、現在彼女が手にするスターの栄光は、この映画によってもたらされたものだ。映画のタイトル曲はトップ10ヒットとなり、Midlerはチャンスを逃すことなく、すぐさまライブの模様を収めた映画『Divine Madness』と著書『A View From A Broad』を発表。彼女にとって初めてのトップ10シングルだったAndrew Sistersのカヴァー、“Boogie Woogie Bugle Boy”からは長い道のりであった。

その後、Midlerはスーパースターへの道のりを順調に進むかに思われたが、アルバム、映画ともに不振が続き、第一線からは一時退く。映画のキャリアは'86年の『ビバリーヒルズ・バム(Down And Out In Beverly Hills)』で持ち直したものの、音楽的には依然マンネリ気味だった。しかし'89年に『フォーエバー・フレンズ(Beaches)』が映画館で公開されると、Midlerが歌った“Wind Beneath My Wings”がNo.1ヒットとなり、彼女が表舞台に復帰する絶好のきっかけとなった。

タイミングを決して見逃すことのないMidlerは、'90年に『Some People's Lives』を出し、人々の記憶に新しいうちに、その存在を思い起こさせた。シングルカットされた“From A Distance”はNo.1を獲得、アルバムもトップ10入りを果たし、ミリオンセラーとなる。この通り、Midlerは決して無視できる存在ではない。