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インタヴューはない、ラジオでもかからない、MTVでビデオも流れない。それにベーシストでシンガーのFat Mikeは名前と違い全然デブじゃない。これだけマイナスや皮肉な要因があるにも関わらず、ロサンゼルス出身のパンクグループNOFXは、結構上手くやってるんだから、ありがたいもんだ。え?

ありがたくない?
ゲップにオナラと、どこまでも下品な彼らなら、おそらくそう言うだろう。
NOFX は、Bad ReligionのギタリストBrett Gurewitzが設立したばかりのEpitaph Recordsと契約した最初のバンドの1つである。Fat Mike(本名Burkett)、ギターのEric Melvin、ドラムのErik Sandinというトリオで、''80年代に結成。当初、地元のインディーズレーベルMystic Recordsでレコーディングしていたが、あまりぱっとしなかった。

その後パンクでは当たり前のDIY精神に則り、Burkett が即席で自前のレーベルを作ってEPをリリース。『The PMRC Can Suck On This』というタイトルのこのレコードは、ラジオ業界に向かって“例の指”を立てたも同然だった。

しかし、そのおかげでGurewitzの目にとまり、NOFXは彼のプロデュースで1stフルアルバム『Liberal Animation』を制作。Burkettお得意のひねくれたユーモアをちりばめた下品なパンク曲ばかりのアルバムは、Gurewitzの気に入り、両者の良い関係ができあがる。そして、彼らはすんなりとEpitaphに迎えられた。

この有名なインディーズレーベルからは、''89年の『S&M Airlines』と''91年の『Ribbed』をリリース(『Liberal Animation』も''92年にEpitaphから再リリース)。この2枚はハードコアの“スピード”と、Burkettの皮肉たっぷりの笑いをふんだんに取り入れている。

だがバンドが注目を浴びたのは、''93年の『White Trash, Two Heebs & A Bean』が出てからだった。これにはセカンドギタリストでトランペッターのEl Hefe (「ヒスパニック」という意味。「白人のクズ」のSandinと、「2人のユダヤ人」のBurkettとMelvinと、合わせて3種類が揃う)が参加している。「シリアスパンク」というふりをやめ、レズビアンや乱交、ラジオ局お気に入りバンド、アル中などの題材を、知ったかぶりで面白おかしくワイルドに歌った作品だ。

こういう歌詞のため、NOFXは12~14歳の少年向けバンドというイメージができあがってしまう。だがBurkettには、大人向けの鋭い皮肉のセンスとうまいメロディの才能もある(例えば『White Trash』収録の“Bob”の歌詞は、パンクリバイバルについて極めて的をついた意見だ)。

こうした面のおかげでNOFXは、パンクになりたがっている無数の少年バンドと一線を画すことができたのである。また賢い彼らは、''95年頃から「メディア反対」というスタンスを取ることにし、インディーズバンドの立場を維持しているが、レコード売上にはまったく響いていない。

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