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 ヘヴィメタルを臆面もなく''90年代に持ち込んだこのダラス出身の4人組は、滑稽なほど凝りに凝ったギターワークとファルセットのヴォーカリストを武器に、野蛮なヘヴィネスと無愛想なハードコアの純粋さを持ち合わせ、メタルの骨の髄にくさびを打ち込む存在となった。

 ''80年代半ばに、ベーシストのRexがギタリストのDiamond(のちにDimebagと改名)DarrellとVinnie Paul(ドラムス)の兄弟にバンド結成を持ちかけたのは、彼らがまだハイスクールにいた時で、当時のPanteraは実はグラム・メタルバンドだった。別のヴォーカリストと共に数枚レコードを作った後、彼らはニューオーリンズ出身のPhilip Anselmoを加入させる。Anselmoは自分の好きなパンクとハードコアの影響をもたらし、バンドをハードなリズムとどう猛なサウンドの攻撃を容赦なく繰り出すマシーンと化した。

 Atcoレーベル(後にEastWestに吸収)との契約を取り付け、1stアルバム『Cowboys From Hell』をリリースしたバンドは、ハードミュージック愛好家たちの間で大いに注目を集める。続いてリリースされた『Vulgar Display Of Power』と、ダブルプラチナムを獲得した『Far Beeyond Driven』(Billboard誌初登場第1位)で、彼らはかつて自分たちのアイドルだったMetallica、Ozzy Osbourneといったメタル界の重鎮たちと肩を並べる存在となった。
 アルバム毎に展開される大規模なツアーも、Panteraをヘッドバンガーたちの間でお馴染みの名前にするのに一役買ったことは間違いない。Anselmoのマッチョな存在感とDarrellの偏執狂的ギターワークは、バンドにカリスマ的な魅力と名声をもたらした。高度なクリエイティヴィティと旺盛な独立心を持つPanteraのメンバーたちが、シーンのリーダーになったのはごく自然な成り行きだったのである。

 ''96年に出たPanteraの最新作『The Great Southern Trendkill』も、そこそこ商業的な成功を収め、これによって彼らが''90年代のメタル界を吹き荒れたスランプを生き残ることは確実となった。
 その音楽の荒々しい力によって、バンドは“世界一ヘヴィなバンド”の称号に最も近い位置にいると言っても過言ではない。何しろ彼らは、いわゆる“オルタナティヴ”全盛時代にこのジャンルで成功を手にした、恐らく唯一のバンドなのである。