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 Salt(Cheryl Jones)、Pepa(Sandi Denton)、そしてDJのSpinderella(Dee Dee Roper)から成るSalt ''N Pepaは、現在もっとも人気のある女性ラップグループだ。マッチョな暴言が幅をきかせるこの分野で何度もプラチナを記録しているのだから、ただ者ではない。男性優位のラップの世界に女性の側からの視点──自分のことは自分で決めるという基本姿勢──を持ち込もうと、セクシーな歌をホットに歌ってトップの座を守りつづける。

 SaltとPepaは''80年代中頃に、クイーンズの看護学校で知り合った。最初のリリースはSuper Natureという名前で出した“Showstopper”。Hurby“Luvbug”Azorが書いてプロデュースもした曲で、Doug E. Fresh & Slick Rickの“The Show”に対するアンサーソングだった。
 その後Salt ''N Pepaと改名してデビューアルバム『Hot Cool & Vicious』を発表。このアルバムからの1stシングル“Tramp”(Otis Redding/Clara Thomasによる懐かしの名曲のカヴァー)がヒットする。しかし彼女たちにとってラップ界のスーパースターダムへの第一歩となったのは、そのB面に収録された“Push It”──あけすけにセクシャルでエキサイティングな曲──だった。『Hot Cool & Vicious』はプラチナディスクに認定されている。

 2ndアルバム『A Salt With A Deadly Pepa』も充実した作品だったが、ヒットシングルを1枚も出せずにゴールド止まり。そこへ''87年、典型的な“2枚目のジンクス”に悩むグループを救うべく、“Spinderella”Roperが加入する。その結果、満を持しての第3作『Blacks'' Magic』からは、“Expression”“Do You Want Me”“Let''s Talk About Sex”の3枚がシングルヒットした。

 以来『Very Necessary』(''93年)、『Brand New』(''97年)が連続してベストセラーになり、今やグループには“したたかだけれどセクシーで楽しい女の子たち”というイメージがすっかり定着している。