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ポップとロック、ソウル、ダンス、オルタナティヴを混ぜ合わせ、マジカルな音楽を創り出すことにかけて、Sealは誰にも引けをとらない。耳に心地よく官能的なSealの声は、パワフルでピッチが正確なうえに音域が広く、心を捉える彼の音楽をいっそう魅惑的なものにしている。また、歌詞の内容も恋愛から自己実現、AIDSやドラッグといった世界的な問題まで多岐にわたり、並のポップシンガーにはない感受性と社会意識の高さをうかがわせる。

イギリス出身のSeal、本名Sealhenry Samuelは、'91年に1stアルバム『Seal』をSire/Reprise Recordsからリリース。Trevor Hornのプロデュースによる印象的なデビューで、彼の理想主義的な面と一瞬にして聞き手を魅了し、次の瞬間には踊りだしたい気分にさせる能力を存分に示すアルバムだった。“Crazy”“Killer”といった曲が評判になり、Sealはファンからも音楽界のインテリ層からも、崇拝に近い称賛を浴びる。

Sealは肉体的な魅力も兼ね備えている。褐色の肌、そして顔には謎めいた傷跡(頬に残る三角形のこの傷は、何かの儀式でわざとつけたものだとファンは信じているが、幼いころにできた結節の跡だという)があるにもかかわらず──それがあるためにいっそう、という見方もある──完璧なルックス、6フィート4インチの長身、そしてファッションセンスにもすぐれた彼は、至るところで女性のハートを虜にし、男性でさえそんな彼にあこがれる。

「いろいろなことを考え直して自分を安定させるため」に長い休みをとったSealが、次のアルバムを発表したのは3年後のことだった。'94年にリリースされた2ndアルバムのタイトルは、またもや『Seal』。プロデューサーは今度もTrevor Hornで、新生Sealの音楽は、一度聴いただけではピンとこないが、二度三度と聴くうちに精妙なテクスチャーが浮かび上がるという仕組みだった。これがチャートの2位まで上昇、マルチプラチナの驚異的な成功を収める。Sealはこのアルバムで初のグラミーを受賞。最初のシングル“Kiss From A Rose”は、映画『Batnman Forever(バットマン・フォーエバー)』のサントラにも収録された大ヒット曲。“Prayer For The Dying”は、AIDSをテーマにした忘れがたい曲だ。