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70年代の終わり、イギリスで爆発的に起こったパンクロックブームの余波で出現したバンドは無数にあるが、いまだ健在で興味深い活動を続けているのは、XTCをはじめほんの少数だ。リーダーAndy Partridgeが極度のステージ恐怖症であることと、Virgin Records U.K.を相手どっての訴訟が長引いたことから、XTCはもっぱらスタジオにこもってレコーディングに打ち込んでいる。それでも、他の多くのバンドと一線を画する彼らの爽快で痛烈な珠玉のポップは、今もかなりの人々に支持されている。

イギリスのどこにでもあるような町スウィンドンで、PartridgeとColin Mouldingが'76年に結成したXTCは、1stアルバム『White Music』を2年後に発表。“Are You Receiving Me”“This Is Pop”など、当初から気のきいたメロディが光っていたが、セールスは芳しくなかった。

彼らは翌年から、風変わりでキャッチーな曲を書くソングライターとしての本領を発揮しはじめる。とげとげしい『Drums And Wires』、独特な表現法を確立した『Black Sea』、意欲的な『English Settlement』の3枚は、まさにポップの名盤だった。

彼らはこの時期、緊張感あふれるサウンドとひねりのきいた歌詞の完璧なコンビネーションを完成させる。'83年以降は、よりメロウで洗練されたマテリアルをめざし、録音技術を駆使したプロダクションを重視するようになる。『Mummer』『The Big Express』『Skylarking』は、いずれも凝りに凝ってスタジオで人為的につくりあげた作品だったが、本国でもアメリカでも評判は上々で、特に彼らの最高作といわれる『Skylarking』からは、“Dear God”がシングルカットされて大ヒットしている。

しかし、バンドにとって非常に不利なVirginとの契約から逃れるため、彼らは'92年の『Nonsuch』を最後にストライキに突入、以後5年間はいっさい音楽を発表していない。PartridgeとMouldingはインタヴューで、そうした状況を嘆き、ニューアルバム5枚分のマテリアルが手許にあると語っていた。'96年末にやっとVirginから解放されたXTCは、新たにTVT Recordsと契約し、'99年に2枚のアルバム──1枚はフルオーケストラをバックにしたものをリリースした。