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モーズ・アリソンはミシシッピー・デルタ地帯に祖父の所有する畑があったティッポ村で生まれた。5歳の頃、ピアノの音を耳にしただけで弾くことができた彼は、近所にあったジュークボックスから聴こえてきたブルースやブギーに興味を持った。高校に通いだした頃、ルイ・アームストロング、ファッツ・ウォーラー、デューク・エリントン、ルイス・ジョーダン、特にザ・キング・コール・トリオのナット・コールに影響を受けていった。そしてモーズはマーチング・バンドに参加、トランペットを吹き、自ら曲を書き始めていく。

ミシシッピー大学在学一年が経った1949年、モーズは部隊に所属しながら軍のバンドに参加、彼と同じように従軍していた経験豊富なミュージシャン達とグループを組み、隊員のクラブでプレイするようになった。軍隊を除籍後、大学へ戻り、アレンジャーとしてダンス・バンドに参加、ピアノとトランペットを演奏していたのだが、ナット・コール、ルイス・ジョーダン、エロール・ガーナーの強い影響でトリオでの演奏に転向した。

一年間トリオとしてアメリカを巡業、そして結婚後、モーズは改めてルイジアナ州立大学へ戻り、英語と哲学の学士号を取得し、1952年大学を卒業する。米サウス東部と西部のナイトクラブで働きながら、幼いころに聴いていた生のブルースとジョン・ルイス、セロニアス・モンクやアル・ヘイグの影響を受けたモダンなピアノを自らのサウンドにブレンドしていった。またモーズはパーシー・メイフィールドやチャールズ・ブラウンのヴォーカルに大きく影響を受けていった。

1956年、ニューヨークに移り住んだモーズはサクソフォニストのアル・コーンのサポートを受けながらレコーディングを開始。1957年初めてのレコード契約をプレスティッジと交わす。デビュー・アルバム『Back Country Suite』は、ミシシッピー・デルタを彷彿させ、満場一致で評論家の称賛を受けた。それからモーズ・アリソン・トリオをオーガナイズしながらも、スタン・ゲッツ、アル・コーン、ズート・シムズ、ゲーリー・ムリガンといった偉大なジャズ・ミュージシャン達と共演、レコーディングを重ね、素朴なブルースとジャズのフュージョンにディープで時にはユーモアの有るリリック書き続けた。またピアニストとしてバド・パウウェルやレニー・トリスターノといったジャズ・マスターズらを感嘆しながら、バートックやアイヴス、ヒンデミット、ラグルズといった作曲家たちから多くを学んでいた。

こんな幅広いエレメントが融合され凝縮して生まれたモーズの世界観は、今もなお彼のパフォーマンスに聴くことができる。

2006年、モーズはニューヨーク州の"Long Island Music Hall of Fame"に殿堂入りを果たした。