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ここ日本ではアメリカのヒップホップDJの情報(特に作品をリリースしないDJはなおさら)がなかなか入ってこないのだが、このFunkmaster Flexは'96年あたりから急速に普及したミックステープの火付け役として、日本では一番最初に名前が挙がるDJだろう。

New York・Bronx出身の彼は元々、Chack Chill Outのレコード持ちとしてこの世界に入ったのだが、そのChack Chill Outの持つラジオ番組でのプレイをきっかけに、まずはラジオDJとして名が広まった。それと並行してNew Yorkのクラブシーンでもプレイし、DJとしてはまさに右肩上がりに注目を集めていた。また彼は個人としてだけではなく、Flip SquadというDJ集団をも形成し、メンバーには日本でもお馴染みのDJ Enuff、Doo Wop、Big Kap、Biz Markieなど、層々たる面子で構成されている。ただ冒頭で述べた通り、DJの活動はあまり日本で紹介されることが少なく、ミックステープも基本的にイリーガルである為、日の目を浴びる事も少ないのが現実だった。そしてDJ名義の作品もなかなかDJに焦点が集まることもなく、セールスの伸び悩みもあって積極的にリリースするレーベルもなかった。しかしながら彼の代表作である『60 Minutes Of Funk』シリーズは大当たり!

既存のミックステープとは違い、新曲を収録しシングルカットすることで話題性を持たせ、自身のトラックでなくてもそれはFunkmaster Flexの名前で商品化された。このヒットを機に多くのレーベルがこぞってDJの作品をリリースし、DJもアーティストとして契約できる機会が増えた。ただミックス物となるとリリース先のレーベルに限られたものだったり、単に繋ぐものだったり、まだまだ様々な規制があり、ミックスを楽しむ作品は正直数少ない。彼の持ち味も同じレコードを2枚使ったトリックやクイックによるミックスだと思うので、やはりクラブで彼のプレイを聴かないことにはDJの魅力は判断できないのでは。ただ彼の掛け声は作品中でも聴けるので、少しでもNew Yorkナンバー1DJのライブ感が伝われば嬉しい。