井筒監督インタヴュー4:初めて明かす「イムジン河」の秘密

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──「イムジン河」は、悲しい曲なのに長調(メジャー)なんですよね。

井筒監督:「イムジン河」も彼らがメジャーにしたんですよね。あれはもともと短調(マイナー)の曲なんですよ。イムジン河の原曲は、朝鮮高校のブラスバンドのシーンで流れてるアレなんです。そのフレーズを加藤さんたちが聴き間違った。メジャー曲にしたからフォークルの「イムジン河」はポップスになったんです。それがなかなか面白い間違いなんですよ。当時は楽譜がないわけやから、たぶんこうだろうと言いながら、聴いた曲を口ずさみながら再現したらしいから。でもそのことで忘れられない曲になった。マイナーのままやったら印象づいてないかもしれない。在日になったわけですね、歌が。もともとは朝鮮の歌やけど、歌が帰化したわけですね(笑)。

──歌詞も二番以降は松山猛さんのオリジナルですし。

井筒監督:康介が公園で歌うシーンでは、フォークルの限定版300枚の『Harenchi』に入っているほうの「イムジン河」を歌ってるから、実はハングルの部分も間違って歌ってるんですよ。ハングル語の部分を加藤さんたちも間違ったわけ。でも、映画のリアリズムで康介は間違ったままコピーして歌った。だけど、宴会してた周りのオッチャンたちは自分たちの原曲をちゃんと歌ってる。だから康介とちょっとズレてんのよ、微妙に。訳詩はあえて間違ったほうを出したの。そのままね。本人のセリフやねんからね。それで、もう一回、大団円でラジオ局で歌うとこはちゃんとした原曲に戻ってるんですよ。康介がそれからハングルの部分を練習したってことで。1回映画を見ただけじゃ、とてもじゃないけど分からないけどね。

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