馬場俊英、「スタートライン 4 SONGS」インタビュー

ポスト

「スタートライン 4 SONGS」
FLCF-4189
\1,260(tax in)
2007年7月25日発売
1.スタートライン~新しい風
2.安物
3.言いたいことはI Love You
4.君の中の少年(Live at 2007.4.29 大阪城野外音楽堂)

■INTERVIEW

──ライヴは全国SOLD OUT、楽曲もいろんな人から注目され、民放、NHKなどでは番組のなかで特集が組まれる。このように追い風が吹いてきてるピースな状況をどんな風に感じてますか?

馬場俊英:この前も街でですね、通りがかりの人に“あ! ピースだ”って言われたんですね(笑)。びっくりしたんですけど。こうして音楽をいろんな人が知って受け止めてくれて、ライヴ会場に足を運んでくれる人もすごく増えて。だから、やりがいみたいなものもこれまで以上に感じられるようになってきて嬉しく思っています。

──ではニュー・シングル「スタートライン 4 SONGS」について。紙資料には、自分の過去・現在・未来を見せたかったとコメントがありましたが。まず1曲目の「スタートライン~新しい風」。今回サブタイトルもついて現在を表わす曲に。

馬場俊英:リメイクしたんです。この曲はみなさんの反響がいろいろ返ってきた曲で、リリースしてから2年間、いろんなライヴ会場でたくさん歌ってきたんですね。ラジオでもオンエアしてもらったし、そこでいろんな人がいろんな聴き方をしてくれているとおぼろげながらに感じたんですね。そして、自分は“なぜ音楽をやるのか?”というようなことも考え始めたんです。最初の頃は“楽しいな”“こんな曲ができて嬉しいな”というので十分楽しかった。それはそれでいまでも続いてるんですが、40歳になって、それとは違う楽しみを見つけていたというか。人と関わってやりとりをしていくという楽しさを少し感じられるようになってきた。そういうことを気づかせてくれた曲でもあったんですね。で、ライヴでもアレンジが変わって、歌う感じも変わってきたからいつか形にしたいなと思っていて。今回、野音が終わって自分も新しいスタートという気持ちもあって“やるならいまだ”と感じました。

──これ、名曲だと思うんですが、作った当初“ヤバい、いい曲作っちゃった”みたいな手応えはあったんですか?

馬場俊英:“これは俺は好きだ!”っていう感動はありました。すぐスタッフにメールで送ったら“ふーん、なかなかえんちゃあうの”って(一同笑)。

──この歌は“もうダメさ…”と超ネガティブな語りかけから始まるんだけど“チャンスは何度でも 君のそばに”といわれるだけで、なんかこの曲に勇気をもらってしまうんですよね。

馬場俊英:例えば夢に対しても“頑張ればいけるよ”という気持ちのときもあれば“どうせダメだよ”という、光と影じゃないですけど、そういうものが日替わりであると思うんですね。そこから1個を選ぶとすれば、自分は“ダメかもしれないけどまだ可能性が残っているのならやってみようか”と。ダメだなって思うときもあるけど、わかんないけど信じてみるっていう。この曲は、そういう部分が光になっているのかもしれないです。

──その、わかんないけど信じてみようというエールの送り方がグッときますね。例えば若い世代だとこういう場面で“信じれば絶対夢は叶う”といい放てる強さがありますけど、馬場さんはそうではない。

馬場俊英:僕は、こうして音楽を続けてこれたわけですから、ある意味ではうまくいっているのかも知れません。でも、どうして自分はうまくできないんだろうってずっと思ってきた。だから、あんまりそういう風に大声でいい放つ気持ちにはなれなかったですね。もしかしたら20歳でデビューして、みんなに支持されたら、そういう曲を書いていたかもしれないですけど。単純にそう思えてなかったってことですかね(笑)。まさにこの曲を作ったのも30代を終えようとしてた頃ですから。10代の人が漠然と未来を信じて突き進んでいくのと、40歳を目前にして現実を見た上でそれでも信じてみようかというのではニュアンスや表現がちょっと違うかもしれないですね。

──馬場さんがこれまでどんなに苦境に陥っても、自分はどうしてうまくできないんだろうと思っても音楽を辞めなかった、諦めなかったわけですよね。そこには一体何があったんでしょうね。

馬場俊英:なぜでしょうね。やっぱり要所要所でいろんな方が支えてくれたり、出会いがあったってことだと思うんです。振り返ってみると小さな出来事が自分を頑張らせてくれたんですよね。例えば、“馬場さん、次のライヴは友達を連れてきます。友達も気に入ってくれるといいな”っていうファンの人の声を聞いたりすると“これは一大事だ”と。僕の事をいいと思ってくれている数少ないファンの人が友達を連れて来る。これは下手なライヴをやったらその子の顔を潰してしまう。これはなんとしてもいいライヴをやってその子の友達が“来てよかった”って言えるものにしようと。たとえばそういうことで次のライヴは頑張ろうって思える。どんな仕事でも意外とみんなそうじゃないかなと思うんです。あとはラジオのディレクターさんが応援してくれたり、昔担当だったメーカーのディレクターさんなんかもずっと気にしてくれてたり。いろいろみなさんがサポートしてくれたんですよね。そういう面では恵まれていたと思います。

この記事をポスト

この記事の関連情報