樹海、「こもりうた/ヒメゴト」インタビュー

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――状況設定は、細かくする方ですか?

愛未:はい。ストーリー性とかはけっこう大事にしてます。曲を聴いた人がなるべく歌詞の世界の絵が浮かぶような。設定が“夜”だったら、夜とはっきりわかる言葉を入れたり。

――歌い方も?

愛未:私は曲によって歌い方がぜんぜん違うって言われるんですよ。だから、歌うというよりは演じるって言ったほうがいいかも。曲に寄り添った歌い方になります。歌詞の主人公になりきってますね。詞を書いている時からそうで、書きながら泣けてくる時があったりします。入り込みすぎて。

――ヴォーカル録りは、どのくらい?

愛未:ヴォーカルは6テイクぐらい。私は何度でも歌いたいけど、使われるのは最初のテイクの方。

出羽:上手く歌うようになるのは、オモロない(笑)。

――「ヒメゴト」はどんなふうに?

出羽:最初に映画の話をいただいて、監督が“レトロな感じ”というおおまかなイメージを持っていたので、個人的にギターリフの曲に挑戦してみようかと。樹海の曲ではやったことがなかった。久しぶりにリフものの曲に挑戦したので“どれが今の時代に合ったリフなんだろうか?”という疑問があって(笑)。その辺は愛未に相談しつつ。

――リフから作ると、そこにとらわれてしまうこともあったのでは?

出羽:ええ。リフが鳴っているところで、どうやってメロディを合わせていいのかわからなくて。“コード慣れ”しているから、リフの上でいろいろコードが動いていく。そんなに速くコードが動いたら、どこにメロディが到達していいのかわからない(笑)。最初はぜんぜん違うメロディが付いていたんですけど、ふと鼻歌で歌ったメロディがよくて“これで行こう!”って。シンプルだったんですけど、スタッフにも“良いじゃない!”って言われて。

――愛未さんとしては、作曲過程を知っていたから、詞も付けやすかったでしょう?

愛未:そうですね。この曲は“レトロ感”があるので、私の中では“やさぐれた感じ”を出そうかなと思ったんですね。もともとそういう歌詞を書きためていたので、その引き出しの中から……。歌詞書く時も歌う時も楽しかった。

――アナログシンセの音が際立ってますね。

出羽:“その音だけは、はずさないでくれ”と監督さんから言われました。

――場面設定に沿った音作りをするのが得意なんですね。

出羽:そうかもしれません。ドラマチックな曲展開が好きなんです。そこが僕らのよさだと思っています。

取材・文●佐伯明

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