【音楽と映画の密接な関係 2002 お正月 Special!】『アクシデンタル・スパイ』

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コミカルで大胆で大技…! これぞまさにジャッキー・アクションです!

シリアスなスパイ・アクションに、お馴染みのコミカルなシーンも

アクシデンタル・スパイ
(2001年香港)

▲孤児院育ちのバック(ジャッキー・チェン)は香港で働くしがないセールスマン。しかしある日、天性の直感とも言える予知能力とカンフーによって、銀行強盗事件を解決したことから、一躍ヒーローに祭り上げられてしまう。そんな彼の前に私立探偵と名乗る男(エリック・ツァン)が現われ、バックの出生にまつわる謎の言葉を残す。自らの出生の秘密を追い求めて韓国へ渡った彼は、そこで得た手がかりをもとにイスタンブールへ向かうが、背後には国際的な陰謀が渦巻いていた。父を名乗る瀕死の男、美貌の新聞記者、謎のビジネスマン、不思議な美少女(ビビアン・スー)。敵も味方もわからないまま、運命のゲームに足を踏み入れたバックの孤独な戦いが始まる…。

2001年12月1日より、全国東宝洋画系にてロードショー!
●監督/テディ・チャン
●製作/ジャッキー・チェン
●出演/ジャッキー・チェン、ビビアン・スー、キム・ミン、ウー・シングォ、エリック・ツァンほか
●上映時間/109分

予告編もあるオフィシャルサイトはこちら!

オリジナル・サウンドトラック

『オリジナル・サウンドトラック「アクシデンタル・スパイ』」

CPC8-1158 2,520(tax in)
2001年11月14日発売

1流されるまま
2On This Road
3かくれんぼ
4エスケープ
5メイン・テーマ
6強盗事件
7病院で一騒動
8ゲームの始まり
9公衆浴場で一騒動
10隠せるものは何でも使え
11漁村での戦い
12人生最悪の日
13運命の選択と神の手
14最終対決
15止まらない石油運搬車
16石油運搬車からの脱出
17死の橋
18決戦の城
19極限アドベンチャー

前作『ラッシュ・アワー2』の大ヒットによって、今やアジアだけでなくワールドワイドなアクションスターとして認知されたジャッキー・チェン。でも、ハリウッドスターのジャッキーなんて、何か違う。やっぱりジャッキーの醍醐味は香港映画でないと…と感じていた人も多いはず。ジャッキー自身も、ハリウッド製作では制約が多く、思う存分アクションが出来なかったと語っている。

そこで彼が選んだ香港映画復帰作が、ジャッキー・プロジェクト史上最高の製作費2億HKドル(約33億円)を投じたという『アクシデンタル・スパイ』だ。保険会社や弁護士が複雑に絡むハリウッドのプロダクションでは、あまりに危険すぎて実現不可能なアクションへの挑戦。ジャッキーがこれまでに培ったアクション技術を結集した渾身のスペクタクルは、まさに香港映画の面目躍如、ジャッキー映画の真骨頂を見せつけてくれる。


▲バック(ジャッキー)は動物的カンで強盗を捕まえたことから、人生が変わってしまう。
撮影期間はトータルで18ヶ月。今回の舞台は香港だけにとどまらず、韓国、そしてトルコのイスタンブールで大々的なロケを敢行。韓国では氷点下の厳しい天候が続き、逆にトルコでは40度を超える灼熱の中で4ヶ月にも及ぶ撮影が行なわれたという。蒸気が立ちこめたトルコ風呂でのアクション・シーンや、イスタンブールの有名な香辛料市場を右往左往する逃走シーンなど、現地のエキゾティックな雰囲気もたっぷり味わえる。


▲ジャッキーはやっぱアクション・シーン! 留まるところを知らない見どころアクションがいっぱい!
さらには、そうしたロケ地の多様さもさることながら、出演者もまた彩りに富んでいる。香港出身のジャッキーと私立探偵役のエリック・ツァンに加え、韓国語と英語を操る新聞記者役のキム・ミンは韓国出身、ジャッキーを翻弄する美少女役ビビアン・スーと謎のビジネスマン役のウー・シングォは台湾出身。さらにトルコ人エキストラ多数とフランス人スタントチームが参加したため、現場では6ヶ国語が飛び交ったとか。


▲妖艶な美女ヨン(ビビアン・スー)との絡みも、ある意味見どころ。
物語は、主人公が自らの出生の秘密を追ううちに国際的陰謀に巻き込まれるというドラマティックな展開。基本的にはシリアスなスパイ・アクション作品なのだが、いつものジャッキー映画でお馴染みのコミカルなシーンも、あちこちに散りばめてあって充分に楽しめる。もちろん、エンディングのNGシーン集も。

ひとつ気になったのは現実世界との奇妙な符号。映画の中で主人公がつけ狙われる理由の1つが、世界を破滅させる力を持つウィルスの存在なのだが、字幕では「アンス1」「アンス2」と訳されていたこのウィルス、実は英語でanthrax、つまり炭疽菌のことなのだ。映画ではもちろん、ジャッキーが世界を守ってくれるのだけど…現実のこの世界はいったいこの先どうなっていくのでしょう!?

文●原 令美(e-fields)

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