シングル「プラネタリウム」ロングインタビュー
──藤原さんは、プラネタリウムを自分で作ったことあるんですか?
藤原基央(Vo&Gt 以下、藤原):夏休みの自由研究の課題でどれだけ自己アピールするか、というのがあって図鑑とか見て頑張ったんです。普段は書いてある通りに作るのは嫌いだったんですけど、その時ばかりは同じように作ろうって思って。今回の詩に「実在しない穴を開けて」ってあるじゃないですか。その穴を良く見ると何かの文字になってたら、オレすごいヒーローじゃん(笑)、みたいな気持ちがあって。でも挫折しました。タイムリミットまでにできなくて。
──今回の「プラネタリウム」のリリックを書く時に、そういう過去の記憶は蘇ってきた?
藤原:そうですね、“手作りプラネタリウム”なんて、ポピュラーじゃない言葉なんて知らなかったはずですからね。そこから始まったと思いますよ。急に思い出したんでしょうね。この曲は、最初は詩だけだったんですよ。別にサビメロとコード進行があって、全部バラバラだったんですよ。全部が合体するとは思っていなかったんですけど、なぜか合体したんです。
──藤原さんの場合、曲作りは習慣になっているの? それとも書こうと思って取り組むの?
藤原:結局、書こうと思っても書けない時は書けないです。何でもない時にギター持ってたらスラスラ書けちゃったりとかあるし。書こうって思って、それでできる時もありますし。その辺は、どういう形でも構わないですね。
──日課のように、今日はAメロまで行こうっていうのはないんだ。
藤原:曲作りに関しては、タイムリミットを設けたところで蹴っ飛ばしてしまうのは分かっているので。間に合わせなきゃいけない、ということでやっても、そんなものに値段つけられるわけないし。何かに急かされて曲作ってるわけじゃないんで。どうして、曲書いてるのかって言ったら、自分がその曲に出会いたいからだし。完成だと思えるまで時間をかけちゃえばいい、と。オレが後何年生きるかわからないけど、一曲に残りの人生が費やされても、それでいいと思ってます。幸い、今は一曲じゃなく、もっと書けているけれど。
──曲をバンドに持っていく時って、何かバンドから付け足して欲しいと思って途中の段階で持っていくの? それとも、自分の中で打ち込みも含めて藤原さんの中で“完成形だ”と思って持っていくの?
藤原:そこの基準は、曲によって違うんですよ。例えば、ギターを弾いててこのリフいいなと思って始まった曲は打ち込む方向に行っちゃうし、ジャカジャカ弾き語りで弾いててできた曲は、そのニュアンスを伝えるべきだし。個人レベルではそういう風に思っているんですけど。メンバーに預けた時に、どういうキャッチボールができるんだろう、というバンドの一構成員としての楽しみもあったりしますね。
──じゃあ、あえて余白を残しておいてバンドに渡すわけじゃないんですね?
藤原:あえて、というわけじゃないです。例えば「プラネタリウム」は弾き語りの時点で完成形が見えてて、後はちゃんとした音でガシっと録って、リリースできちゃう曲だったんですよ。でも、オレだけじゃなく他のメンバーも、バンドでその曲を表現したくなったんですよ。バンドでやることは義務じゃないけど、曲とバンドがある以上、バンドで表現できる「プラネタリウム」があるわけで。
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