Inter BEE 2009速報、iPhone用ソフトウェアによるヘッドフォンでの擬似サラウンド再生も体験

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11月18日より開幕している2009年国際放送機器展(Inter BEE 2009)の速報レポート第六弾。

●ティアック

写真左:ポータブルマルチトラックフィールドレコーダーHS-P82。写真右:USB接続によるPCへのレコーディングも可能なM-164UF。
TASCAMブランドのミキサーやレコーダーを展示するティアックのブース。新製品では近日発売予定のポータブルマルチトラックフィールドレコーダーHS-P82に注目。8チャンネルの高音質なマイクプリアンプとXLR入力搭載、24bit/96kHz対応のモデルでサラウンド収録やマルチチャンネルレコーディングが可能。キャリングバッグに入れた状態での展示も行われている。手軽に使えるDR-07やDR-1、DR-100といったさらにコンパクトなレコーダーも並ぶ。また、ポータブルSDレコーダーのBB-800や、アナログミキサーながらUSB接続によるPCへのレコーディングも可能なM-164UFも展示。後者は16チャンネル入力/ステレオ出力のオーディオインターフェイスとして使うことができる。
◆ティアック

●フラウンホーファーIIS

写真左:専用デコーダーと5.1chスピーカーシステム。写真右:iPhoneによるソフトウェアでのデコードのデモ。
製品展示だけでなく技術展示が見られるのもInter BEEの特徴。その中でもおもしろかったのが、ドイツのフラウンホーファーIISのブース。同社はMP3やAACのライセンスを保有することで知られる企業だが、今回の出展では「MPEG SURROUND」のデモが体験できる。

「MPEG SURROUND」は約64kbps+数kバイトのメタデータによる低ビットレートで5.1chサラウンドを実現する技術。AACエンコーダーによる音声とMPSエンコーダーによるメタデータ(これをMPSビットストリームと呼ぶ)を組み合わせたストリームを生成。AACによる音声データのみでも通常のステレオ再生装置での再生が可能。一方、専用のデコーダーがあれば、MPSビットストリームの情報を元に5.1chサラウンド再生を行える。専用のデコーダーと5.1chアンプ+スピーカーのシステムで、低ビットレートとは思えないリッチなサウンドが体験できた。デコーダーはソフトウェアによる実装も可能で、ブース内ではiPhone用ソフトウェアによるヘッドフォンでの擬似サラウンド再生も体験できるようになっている。

対応製品が出てくるのは先だが、日本国内での地上デジタル一本化・アナログ停波で空いた帯域を使った新しいデジタル放送での採用が決まっているという。ビットレートからするとインターネット向けの技術かと思われるのだが、放送での利用が先になるようだ。
◆フラウンホーファーIIS

●アーニス・サウンド・テクノロジーズ

プレステのコントローラーでの定位移動が可能なソフトウェアの展示。
毛色の変わった展示といえばSoundLocusというソフトウェアにも注目。SoundLocusは、モノラルをはじめステレオやマルチチャネルの録音済み音源をバイノーラルエンコードすることで、音場空間への音像定位や音像移動を行えるというもの。平面の移動だけでなく上下の移動も指定するため、デモではプレステのコントローラーによる操作が行われている。バイノーラルといえば、頭の形をしたマネキンを使ったダミーヘッドによる録音が一般的だが、このソフトを使えば自由自在に定位が操作できるというわけだ。さらにダミーヘッドによる音源とのミキシングも可能とのこと。価格は65,000円だが、現在発売記念特価キャンペーンが実施されている。
◆アーニス・サウンド・テクノロジーズ
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