たった2小節のメロディから1曲まるごと自動作曲、カシオからオリジナル曲がカンタンに作れるiPhoneアプリ「Chordana Composer」登場

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カシオ計算機は、思いついた2小節のメロディをもとに、1曲まるごと自動作曲するiPhone用アプリ「Chordana Composer(コーダナ コンポーザー)」をApp Storeで発売した。

曲のコード進行を自動検出する「Chordana Viewer」(2013年10月発売、1,000円)や、80年代に人気を集めたカシオのシンセサイザーを再現した「CZ App for iPad」(2015年1月発売)などの音楽アプリをリリースしているカシオから、新たにカンタンにオリジナル曲が作れる「Chordana Composer」が登場した。

「Chordana Composer」は、作曲や楽器の知識がなくても、自分だけのオリジナル曲を作ることできるアプリ。口笛や歌声をたった2小節録音すれば、そのメロディをもとに1曲まるごとアプリが自動で曲を作ってくれる。伴奏が付いているのはもちろん、イントロ/Aメロ/Bメロ/サビ/エンディングといった構成もしっかりした曲が驚くほどカンタンにできあがる。

曲のモチーフとなるメロディは、iPhoneのマイクで録音。5種類のジャンル(ポップス/ダンス系/ロック/ジャズ/ラテン他)、3種類の曲調(楽しげな/バラード調/ノリの良い)を選んで自動作曲ボタンを押せば、すぐに1曲完成。楽器の経験も作曲の知識もまったくなしでさまざまなタイプの曲が作れる。


▲自動作曲の設定。ジャンルと曲調のほか、メロディの動きの大きさ、テンション度(大胆な音使い)といった設定も。


▲数秒で解析が終わり、バッキング付きで再生が可能に。譜面にはコードネームが表示されるほか、左上には曲の構成と再生位置がわかる表示も。ヒント機能によりメロディの音符は種類により色分けされる。

また、モチーフの長さは初期設定では2小節だが、4または8小節も選択可能。曲内でのモチーフの使い方はAメロ/Bメロ/サビから選べるので、ここでもバリエーションを生み出せる。たった1つのモチーフでも設定によってまったく違う曲が生まれるので、時間を忘れてすべてのジャンル/曲調を試したくなること必至だ。完全な自動作曲ではなく、モチーフの録音で自分なりの曲が作れるので、誰でも作曲家気分が味わえるのも楽しい。

楽器が得意な人ならモチーフの入力は画面上の鍵盤でリアルタイムレコーディングすることも可能。さらに五線譜に音符を配置する方法も選択できる。コードに合う音、テンション度合いをあげる音など音符を5種類に色分けする「ヒント機能」を活用した修正も行えるなど、楽器・作曲入門者にうれしい機能も用意されている。できあがった曲を楽器練習のバッキングに使うのもいいだろう。


▲メロディはマイク入力のほか、鍵盤(画面左)、音符で(右)の入力が選択可能。ユーザーの経験に合わせて3種類の入力方法が選択できる。


▲説明会では、メロディの接続ルール、音楽素材などに独自のノウハウを利用した自動作曲エンジンで自然な曲を生成すると解説。確かにできあがった曲は入力したモチーフを自然に曲に仕上げてくれる。


▲ヒント機能では、コードとキーからメロディを分類、色分けして可視化。ここから修正することで好みの曲に仕上げられる。

そして、市販のMIDIインターフェイスなどを利用すれば、MIDI対応の電子楽器との連携も可能。鍵盤自体が光るカシオの「光ナビゲーションキーボード」と接続すれば、「Chordana Composer」で作った曲のメロディを光でガイドしてくれる。


▲MIDI鍵盤を接続して楽しむことも可能。光ナビゲーションキーボードなら光でメロディをガイド。右はパートごとの楽器音の選択画面。GM128音色から選べる。

作った曲はiPhoneに保存できるほか、オーディオファイル(AAC/.m4a)でメール送信することも可能。MIDIファイルでの保存などには未対応だが、要望があれば対応していきたいとのこと。もっと多彩なジャンルが欲しい、4拍子だけでなく3拍子などにも対応してほしいといった要望にも応えてくれそうだ。なお、各パートの楽器は変更が可能で、ミュートも可能。パートごとのオーディオファイルが欲しい場合は必要なパート以外をミュートした状態で保存すればOKだ。

自動作曲ということで気になるのが著作権だが、作成された曲はユーザーのものであり、カシオが著作権を主張することはないとのこと。動画投稿のBGM作成で困っているという人にもうれしいアプリになりそうだ。

価格は500円。2月5日までは特別価格300円で販売されるので、気になる人はこのチャンスをお見逃しなく。


▲説明会では、メロディは浮かんだけど作曲の知識がない人、自分のテーマ曲を作ってみたい人に向けたアプリと紹介。「ジャスティン・ビーバーのようにお金持ちになりたいな」といった野望を持った人にも!

■説明会では「CZ App for iPad」とヴィンテージシンセ「CZ-101」の共演も

発売に先駆けて樫尾俊雄発明記念館で行われた説明会では、今回発表の「Chordana Composer」の説明のほか、カシオの音楽アプリへの取り組みについても紹介された。これまでハードウェアの楽器を開発してきたカシオがアプリをリリースする理由として、世界中にユーザーがいて、リリースと同時に世界に届けられること、企画・開発・流通までの時間が短く、アイディアや技術をいち早く形にできることなどが挙げられた。


▲カシオ計算機コンシューマー事業部の石田伸二郎企画部長が、カシオの経営理念は「創造貢献」、アプリビジネスはハードウェアビジネスと比較して短期間でアイディアを形にできることなどを説明。

また、「Chordana Composer」については、社内公募を行い社員自らが設計を行っていることなども紹介。楽器未経験者がコード演奏の楽しみを味わえる「Chordana Tap」、楽器演奏者がコード解析ツールとして使える「Chordana Viewr」など、Chordanaシリーズに共通するChord Analysis(コード・アナリシス)の解析技術を進化させていくとも語られた。


▲カシオのミュージックアプリのコンセプトは「技術とアイディアでユーザーの目標をサポート」することと説明。アプリは目的別に展開していく。ミュージックアプリ第一弾の「Chordana Tap」「Chordana Viewer」、第二弾の「音楽練習ツール」(メトロノーム、チューナー、レコーダーを搭載)、第三弾「CZ App for iPad」などについても。

あわせて1月22日に発売された「CZ App for iPad」についても、オリジナルの「CZ-101」との組み合わせによるデモ演奏を交えて紹介。オリジナルCZシリーズのサウンドが再現され、音作りが楽しめることに加え、iPad内の曲に合わせて演奏ができること、鍵盤を最大4つ表示させ向かい合わせのレイアウトで2人同時演奏可能なことなどもアピールされた。


▲CZ App for iPadとCZ-101の演奏を披露したのはピアノ、電子オルガン、シンセサイザー演奏家・作編曲家の樺山潤一郎氏。CZ Appのサウンドは実機と比較してもまったく遜色ないクオリティ。


▲説明会終了後の展示機にははすぐにでも作曲を試したい人でいっぱい。本当に一瞬で曲ができあがることを皆が実感。写真右のCZ App for iPadは、MIDI over Bluetooth LE対応のワイヤレス鍵盤MISELU C.24 Keyuboardとともに展示。

製品情報

◆動作条件
OS:iOS 8.0以降
対応機種:iPhone 5、iPhone 5c、iPhone 5s、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPod touch(第5世代)

◆Chordana Composer
価格:500円 ※2015年2月5日まで特別価格 300円
発売日:2015年1月30日

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