Roland/BOSSから春の新製品発表、ベース&ボーカルエフェクターやアナログ&デジタルシンセ「JD-Xi」など多数登場

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ローランドは、2015春の新製品内覧会を開催し、アメリカで1月に行われたNAMM Showに出展した新製品を国内で初披露した。

Roland、BOSSブランドの新製品が数多く登場した今回の内覧会では、アメリカ・アナハイムで開催されたNAMM Showに出展した製品群を紹介。内覧会冒頭に登壇したRJSカンパニーの富田高宏社長は、「紹介したいのは新しい楽器のスペックではなく、その新しい楽器で何ができるのか? 何か新しい可能性を提案できるのか? これをいかに発信できるのか」ということだと説明。「Webだけでは伝わらない演奏感やフィーリング、熱い思いをいかにリアルな店舗や各種の媒体で伝えていけるのか」も課題とした。また、ローランドが目標として共有している言葉として「Unleash=解放す、開放する」を紹介。「潜在するパワーやポテンシャルをUnleashしていこうという気持ちを表現」したとし、今回の新製品群もこのUnleashの気持ちを込めたてリリースしているとし、「これらの商品通して新しく、もしくはさらなる音楽演奏の楽しさや楽曲制作の楽しさを発見し、そのイマジネーションをUnleashされることを願って」いるとした。

新製品のラインナップは幅広く、ベース、ボーカルなどのエフェクター関連およびドラム関連製品やハイレゾ対応オーディオインターフェイス、そしてまったく新しいシンセサイザーも登場。いずれもオープンプライスとなっている。

■BOSSからはベース用ペダル、ボーカル用エフェクト、エフェクト・スイッチング・システム「ES-8」が登場

「Bass Driver BB-1X」はベースサウンドの艶や太さを余すところなく発揮する従来にないコンセプトのペダル。単なるエフェクターではなく、プリアンプのようにベースの基本となる音作りを行うためのモデル。ベースやアンプ本体のサウンドキャラクター、演奏者の個性を最大限に引き出してくれる。ベースにとって何より重要なローエンドを削ることなく、輪郭を際立てクリアで張りのあるサウンドを作り出す。また、ピック弾き、スラップなどの奏法にも反応し、レスポンスのよさも魅力。2軸のブレンドつまみでエフェクト音とダイレクト音を直感的にブレンド可能。Low/Hi/Driveのツマミと組み合わせることで幅広いキャラクターを作ることができる。ライン出力も装備。開発時にはベーシストだけでなく、PAエンジニアの協力も得たことで、バンドアンサンブルでも太く存在感のあるベースサウンドを実現している。2月7日より発売中。


▲ヘッドホンアンプとともに展示された「BB-1X」(写真左)。デモ演奏は山田サトシさん(写真右)。さまざまな奏法でBB-1Xのサウンドを聴かせる。ワイドレンジでありながら音の芯をしっかりキープしたパンチのある音、低音域を十分に保った激しいディストーション・サウンドはBB-1Xならでは。

「Vocal Echo VE-1」は、プロフェッショナルレベルのリバーヴをはじめ、ボーカルの基本的なサウンドメイキングに必要な機能を搭載したコンパクトなツール。7種類のプリセットからカンタン操作で好みのサウンドが得られる。リバーヴのほか、歌声に厚みを加えるダブリングエフェクト、歌声をよりつややかにエンハンス、ピッチを安定させるピッチコレクト機能も装備。ピッチコレクトはエレクトロミュージックで使用されるエフェクティブな声も可能。これらのタイプは3タイプまでメモリーできる。さらにUSBオーディオ機能でDAWでの高音質録音もOK。ACアダプターのほか電池駆動にも対応するので、さまざまなシチュエーションで使用できるのもうれしいところ。発売は2月14日。


▲非常にコンパクトなVE-1(写真左)。吉野聡留さんが足元でエフェクトを切り替えながらさまざまなエフェクトでボーカルを聴かせる(写真右)。

フットボリュームペダル「FV-30H」「FV-30L」は、ペダルボードシステムに組み込みやすい省スペース設計、堅牢なアルミダイキャストボディがウリのプロスペックモデル。スムーズなペダルアクションは表現力豊かにニュアンスを伝えることができる。「FV-30H」はハイインピーダンス用で、音をミュートした状態でもチューニングが可能なチューナーアウトを装備。ローインピーダンス用「FV-30L」は、キーボードや空間系エフェクトにも使えるステレオ入出力を備える。2月7日より発売中。

ギター関連製品としては、ハイエンドユーザー向けのエフェクト・スイッチング・システム「ES-8」が登場。スペックなど詳細については後日発表予定。


▲ボリュームペダルはギター/ベース用「FV-30H」、キーボードなどステレオ出力に対応した「FV-30L」の2モデルをラインナップ(写真左)。「ES-8」は多彩なセッティングを可能にするエフェクト・スイッチング・システム(写真右)。

■Rolandからはドラム・トリガー、S1LKi搭載の2イン/6アウトUSBオーディオ、Vドラム用ヘッドホンが登場

Rolandドラムカテゴリの新製品はアコースティック・ドラム・トリガー「RT-30」シリーズが3モデル登場。キック用の「RT-30K」、スネア用の「RT-30HR」、タム用の「RT-30H」をラインナップする。セッティングの簡易性、確実性の向上がコンセプト。従来の「RT-10」シリーズに比べ、センサー位置の調整が不要となり、ワンタッチで確実なセッティングが可能に。ヘッドからの高さを10mm抑え、薄型のデザインとすることで、ストレスなく演奏できるのもポイント。「RT-30HR」、「RT-30H」では、昨今のドラム・フープの多様化に対応、ウッド・フープを除くさまざまな形状のドラムに取付可能となった。また、キック用の「RT-30K」はマウント・プロテクター機構を採用し、フープへの傷つきが抑えられている。いずれも専用保護ケース付属で、持ち運びも安心。3月発売。


▲アコースティックドラムと組み合わせることで多彩なサウンドが得られるハイブリッド・ドラム用の新しいドラム・トリガー「RT-30」シリーズ。写真右は専用ケースに収納した状態。

PC関連では「Super UA」が登場。新世代DSP「S1LKi」を搭載した「Mobile UA」(2014年発売)の上位機種となるモデルで、32ビット処理の2イン/6アウトのハイエンド・オーディオインターフェイスとなっている。新たに入力を搭載したことで、よりクリエイターにも使いやすく、オーディオマニアにも訴える質感の高いボディも魅力。「S1LKi」は、ADコンバーター内部と周辺で行われているアップサンプリングやフィルター、1ビット化などの処理をローランドのオリジナルDSPによって行う技術で、それぞれのハードウェアに合わせた設計と吟味ができるため、より緻密なサウンドづくりが可能。「Super UA」では、DA側に加えADにもオリジナルDSPでのダウンコンバート機能を用意。これにより常にハイサンプリングでデジタル化した信号を44.1kHzや48kHzなど使いやすいサンプリング周波数に変換して使用、その結果入力側も高い音質を確保できたという。通常のDAWでの作業に使えるダイレクトモニター用のデジタルミキサーも搭載、この場合も「S1LKi」の音質で使うことができる。3月発売で価格は7万円前後(税別)。

Vドラム向けヘッドホンとして新たに投入されるのが、「RH-300V」。Vドラムに最適なヘッドホンで、バスドラムの低音域やシンバルの高音域がよりクリアに聴こえる新設計。ヘッドバンドにはクッション材が装着され、演奏時のズレを抑え、安定した装着感が得られる。外来音を抑え演奏に集中できる密閉型で、コンパクトに折りたためるのも魅力だ。2月14日発売で、価格は3万円前後(税別)。


▲左の写真「Super UA」はXLRの入力と出力ブレークアウトボックスに用意。ステレオ×3の出力は、パネル上からスイッチ1つですべてのレベルのコントロールが可能。複数のモニターの切り替えにも便利。S1LKiエンジン搭載で2.8MHzのDSDデータのネイティブ再生も可能。右の写真は「RH-300V」。既存の「RH-300」(右側)とほぼ同サイズだがVドラムに最適なチューニングになっている。

■アナログ&デジタルのクロスオーバーシンセ「JD-Xi」


▲自由な角度に調整できるグースネックマイクが取り付けられる「JD-Xi」。非常にコンパクトで軽量。

「JD-Xi」は「クロスオーバー・シンセサイザー」と銘打たれたモデル。新開発のアナログ音源と30年以上にわたりローランドが培ったデジタルシンセ音源をかけあわせたクロスオーバー・シンセエンジンを搭載。さらにロボットボイスなどの声を演奏できるボーカル機能、パターンシーケンサー、MIDI/オーディオインターフェイス機能をローランド史上最小・最軽量のボディに凝縮している。

アナログシンセ音源部は、本機のために新開発。アナログならではの太く存在感のあるサウンドで演奏可能。オシレーターはノコギリ波、三角波、パルスウィズモジュレーション可能な矩形波から選択。サブオシレーターも搭載する。ローパスフィルターももちろんアナログ。デジタル技術により音色メモリーが可能となり、プリセットも多数揃える。ダウンロードサイトAxialからの音色やパターンのダウンロードができるのも見逃せない。

ボーカル機能ではクラシックなボコーダーサウンドはもちろん、ピッチ補正を使ったさまざまなロボットボイスを演奏可能。新機能のオートノートではマイクで入力した音声で内蔵音源を発音させることができるので、鍵盤が苦手な人でも気軽にシンセサウンドを奏でることができる。これらのボーカル機能は付属のグースネックマイクによりすぐに楽しむことができるのがポイントだ。発売は3月下旬予定。持ち運びに便利なキャリングバッグも同時発売となる。


▲2台の「JD-Xi」を並べ、多彩なサウンドを聴かせたAZUMA HITOMIさん(写真左)。ボコーダーサウンドやパターンシーケンサーによるトラックメイクも実演。デジタルの音源は「イメージしたものをすぐ選んでイメージどおりの派手なヌケのある音を作ることができる」「アナログはデジタルとは違った味のある音」、ドラムの音源は808や909とか時代ごとのバリエーションが豊富なところがお気に入りとのこと。ライブで使いたい人には「ほんとに軽くて小さいので、子供とかでも持ち運べるくらい」、いい音ができたらフェイバリットボタンにより「ボタン1つでライブでも呼び出せるのが便利」とコメント。参考展示として「JD-Xi」の上位モデルとなる「JD-XA」というシンセも展示(写真右)。発売時期などは未定。

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