iPadに譜面表示&ペダルで譜めくり、音楽再生も可能、ローランドが家庭向けデジタルピアノをフルモデルチェンジ

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▲フラッグシップモデルのLX-17-PES(黒塗鏡面艶出し塗装仕上げ)。鍵盤蓋がそのまま譜面台になる。

ローランドは、家庭向けデジタルピアノのラインナップを一新、「LX-17」「LX-7」「HP605」「HP603」の4機種9モデルを9月下旬より発売する。

◆ローランド デジタルピアノ~動画~

ピアノの基本性能である音、鍵盤、音響システム、デザインのすべてにわたってゼロから設計した今回のフルモデルチェンジ。フラグシップ・モデル「LXシリーズ」とスタンダード・モデルの「HPシリーズ」は、アコースティック・ピアノの弦や響板など、各部が複雑に干渉しあうことで刻々と変化する豊かな音の響きを再現。鍵盤には木材と樹脂のハイブリッド構造を新たに採用することで、木の風合いを感じられるとともに剛性を高め、樹脂による安定性、耐久性を飛躍的に向上させた。さらにデジタルピアノでは世界で初めてMIDI対応のBluetooth機能を搭載。スマートフォンやタブレットをピアノに無線接続し、音楽アプリや動画のサウンド(オーディオ・データ)を、ピアノ本体から再生できるほか、タブレットなどで電子譜面アプリを用いる際は、ペダルで譜めくりしたり、タブレットに入っている曲をピアノ本体から再生して伴奏と一緒に演奏することができる。


▲左から、LX-7-PES、HP605-CRS、HP603-NBS。いずれも奥行きスリムながらピアノらしいデザイン。CRS(クラシックローズウッド調仕上げ)、NBS(ナチュラルビーチ調仕上げ)は新色。

まず注目したいのは、全弦モデリングによる新開発の音源だ。アコースティック・ピアノは、鍵盤を弾くとハンマーが弦を叩き、叩かれた弦の振動がフレーム、響板、キャビネット全体に伝わり、響きの豊かな音が広がる。新開発の「スーパーナチュラル・ピアノ・モデリング音源」は、この発音プロセスを先進技術で再現。弦をはじめとするピアノを構成する各要素を仮想的に合成し、ピアノ音を一から再構築することで、従来のサンプリング音源では表現できない、複雑に干渉しあうピアノ本来の奥深いサウンドを生み出す。88鍵すべての鍵盤において仮想的に弦を持つことで、アコースティック・ピアノと同様に発音数の制限がなく、ダンパー・ペダルを多用しても余裕のある響きや表現を実現する。

鍵盤も新開発。木材と樹脂とのハイブリッド構造により、アコースティック・ピアノの演奏感や風合いを追求しながら、反りやゆがみに強い鍵盤「PHA-50(プログレッシブ・ハンマー・アクション50鍵盤)」を採用した。安定性と耐久性の高い樹脂製センターフレームを鍵盤の先端から奥まで1本通すことで、押鍵する力がしっかりと伝わり繊細なタッチ・コントロールを可能に。さらにセンターフレームを木材で挟みこむことで剛性を高めると同時に、押鍵時の風合いや、自然であたたかみのあるタッチを実現。2つの素材の組み合わせにより密度感や打鍵感が上がり、演奏性と耐久性を兼ね備えたデジタルピアノに最適な鍵盤となっている。また、新機構「スタビライズ・ピン」で、鍵盤の横揺れを抑制、安定したタッチや、弾き心地を実現しているのもポイントだ。そして、ペダルは踏み込みの深さによる減衰の違いまで忠実に再現、ハーフペダルによる微妙な余韻の響きも自在にコントロールできる「プログレッシブ・ダンパー・アクション・ペダル」が採用されている。

サウンドシステムには「アコースティック・プロジェクション」を採用(HP603を除く)。これはピアノ独特の立体的で動きのある音場感を生み出すために、各スピーカーから放たれた成分の異なる音を空間で合成し、奥行きと広がりのある豊かな響きで演奏者を包み込むもの。新たにスピーカーの数、配置、性能、役割をすべて見直し、最上位モデル「LX-17」では家庭用デジタル・ピアノでは業界初となる8つのスピーカーを搭載する。また、「LX-7」「HP605」は6つのスピーカーを搭載する。また、ヘッドホンでも立体的な音場を実現する「ヘッドホン・3D・アンビエンス」機能も搭載。「LX-17」「LX-7」にはヘッドホン・アンプにも高品質な部品を使用している。


▲iPadと電子譜面ビューアーアプリ「piaScore」を利用することで、デジタル・ピアノならではの楽しさが味わえる。ピアノとの接続はBluetooth、ペダルで譜めくりができる。

タブレットやスマートフォンとカンタンに無線接続できるのも大きな特徴。プラスアド社によるiOS用電子譜面アプリ「piaScore」と連携し、70,000曲のクラシック楽譜から好きな曲を無料でダウンロード、ペダル操作で譜めくりしながら演奏が可能だ。iOSデバイスとピアノ間の接続はBluetoothで行われ、接続が確立すると自動でペダルの機能が譜めくりに切り替わるようになっている。また、「LX-17」「LX-7」「HP605」では、Bluetoothオーディオ機能により、iOSデバイスの曲や動画などの音声をピアノ本体の大型スピーカーから再生可能だ。このほか、LXシリーズ、HPシリーズに搭載されるピアノの音作りができるピアノ・デザイナー機能をサポートするアプリ「Piano Designer」はiOSとAndroid版を用意する。


▲日本語表記で見やすい液晶パネル。鍵盤ふたを一段スライドさせて操作パネルを隠す「アコースティック・ポジション」を利用すれば、アコースティック感覚で演奏に集中できる。鍵盤ふたの開閉で自動電源ON/OFFも可能。

デザインは、豊かな響きをかなえる背の高いキャビネット奥行きがスリムでエレガントなものに。直線を基調とした洗練さと気品を備えたピアノらしいフォルムを実現した。また、HPシリーズでは付属の椅子をピアノ本体からはみ出すことなく収納可能。3色の新色も登場している。さらに鍵盤ふたの開閉で、電源ボタンを押すことなく自動的に電源をON/OFFできるのも見逃せない。アコースティック・ピアノと同じ感覚でふたを開ければすぐに演奏が始められ、使用後の電源の消し忘れも防げる。


▲パネル面も鏡面仕上ゲとし、高級感がアップしたLX-17-PWS(白塗鏡面艶出し塗装仕上げ)と、奥行き44.6cmとコンパクトなLX-7-PES(黒塗鏡面艶出し塗装仕上げ)。


▲左のLX-7-BWS(ブラウンウォールナット調仕上げ)は新色。右はHP605-PES(黒塗鏡面艶出し塗装仕上げ)。HP605のみ3色をラインナップ


▲HP605-CRS(クラシックローズウッド調仕上げ)とHP-605-NBS(ナチュラルビーチ調仕上げ)はいずれも新色。接地面積は1379×430mm。


▲HP603は2色展開。HP603-CRS(クラシックローズウッド調仕上げ)とHP603-NBS(ナチュラルビーチ調仕上げ)。接地面積、3段階の角度調節可能な譜面台はHPシリーズ共通。



製品情報

◆LX-17
価格:オープン
◆LX-7
価格:オープン
◆HP605
価格:オープン
◆HP603
価格:オープン
発売日:2015年9月下旬


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