【インタビュー】t-Ace×小室哲哉、「CAN YOU CELEBRATE?」─名曲を”次の時代”へ届けるサンプリングという挑戦─

2026.07.31 20:00

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2019年の「Sweet19Blues〜オレには遠い〜」、2025年の「WOW WAR TONIGHT」、そして2026年の「CAN YOU CELEBRATE?」。t-Aceがこれまで向き合ってきた小室哲哉作品は、単なるカバーでもリメイクでもない。サンプリングというヒップホップの手法を通して、日本のポップスを現代へと再接続する試みだ。

2026年7月17日(金)に配信開始となった「CAN YOU CELEBRATE?」は、安室奈美恵の名曲をサンプリングし、原曲の作詞・作曲を手掛けた小室哲哉本人がピアノ演奏とミュージックビデオに参加したことで、大きな話題を呼んでいる。本作はどのようにして生まれたのか。BARKSでは、t-Aceと小室哲哉それぞれにインタビューを行い、制作の背景や、日本の名曲をサンプリングすることへの思いを聞いた。

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「CAN YOU CELEBRATE?」は、クリスマスの夜から始まった

t-Ace : 「クリスマス会でみんなで集まっていた時に、小室さんが『CAN YOU CELEBRATE?』のイントロをピアノで弾いてくれたんです。その時に『こういうイントロから始まる曲を作ったらどうかな?』という話になって。それを聴いた瞬間に、『あ、イントロのあとはサンプリングでこういうbeatでいけるな』って感じたので、そこがこの曲のスタートですね。」

──その場で生まれたアイデアは、後日デモとなり、小室哲哉のもとへ届く。

小室哲哉 : 「当時はLAのピアノで弾いたのですが、それ以来の録音のピアノでした。t-Aceくんの作品でのピアノだったので間違えちゃいけないな、という気持ちがありました。t-Aceくんにディレクションされながら演奏したのですが、とてもリスペクトしてくれながらもズバズバ指示してくれて、それもなんだか新鮮だったし、そんな風にされたのは久しぶりだったので、少し嬉しい気持ちもありました。」

──偶然が重なって生まれた”小室作品三部作”

「Sweet19Blues〜オレには遠い〜」「WOW WAR TONIGHT」、そして「CAN YOU CELEBRATE?」。 振り返ると3作品が小室哲哉作品となったが、t-Ace本人は「偶然だった」と話す。

t-Ace : 「実は3曲とも小室さんになったのは偶然なんです。他にもサンプリングしてるアーティストはいますし。ただ、『WOW WAR TONIGHT』は『やらないか?』と言われた時は本当に嬉しかったですね。中学1年生の頃にリアルタイムで聴いていた曲で、ダウンタウンも好きだったし、CDを買って何度も聴いていました。そういう思い入れが強い曲なので、自分にとって特別でした。」

──“祝福の歌”へのアンサー

「CAN YOU CELEBRATE?」は結婚を祝福する名曲として知られている。一方でt-Aceは、その世界観を壊すのではなく、現代を生きる自身のリアルを重ね合わせた。

t-Ace : 「これは本当に自分のリアルです。自分自身、結婚をしたいと感じてないし、今はあえて結婚しない人やしたくてもできない人も増えてきている時代になっていると思ってて、『CAN YOU CELEBRATE?』が生まれた頃とは社会も価値観も違う。その今の時代のリアルと自分のリアルを書いてみました。」

──それでも、原曲への敬意は最後まで揺らぐことはなかったという。

t-Ace : 「一番意識したのは、原曲の持つメッセージを壊さないこと。今の自分はこうだけど、いつかは変わるかもしれない。この時代にそれぞれ持つ未来への余白や希望みたいなものと、原曲の持つメッセージが自然に重なり合う部分にリスペクトを込めました。」

──小室哲哉が感じた、新しいサンプリングの可能性

小室哲哉 : 「t-Aceくんはデモをたくさん送ってくれるのでどれがどうだか忘れちゃいますが(笑)、いつも長文の説明や思いをつけてくれて、その熱量が嬉しいな、楽しいな、と思ってます。」

──さらに、自身の代表曲が新たな形で受け継がれていくことについても前向きに語る。

小室哲哉 : 「100万枚って10億再生くらいかな、という感覚があって、それくらい皆さんが知っている1曲をこうt-Aceくんが仕上げてくれるのは大きなことですよね。安室さんの『RESPECT the POWER OF LOVE』も聴いてみたいですよね。」

──日本の名曲を、日本のラッパーがサンプリングする時代へ

制作で最も印象に残ったことについて、t-Aceはレコーディングよりも、その後の作業だったと振り返る。

t-Ace : 「生でピアノとバイオリンを録って、その中からループする素材を探していることかな。同じフレーズを10時間以上聴き続けて、『ここだ』というポイントを見つけて切り出して、ループを組んでいく。その制作時間はすごく印象に残っています。マジで修行です(笑)。」

── そして、その先に見据えているのは一曲のヒットだけではない。

t-Ace : 「海外ではサンプリング文化は当たり前にあります。日本でもそれが自然にできて、日本人ラッパーが日本の名曲をサンプリングすることが当たり前になる時代になっていくんだと思います。それが来るのを少しでも早回しできたら楽しいなと。」

──「CAN YOU CELEBRATE?」が示したもの
「CAN YOU CELEBRATE?」は、1997年の名曲を懐かしむための作品ではない。小室哲哉が現在の感性でピアノを弾き、t-Aceが現代を生きる言葉を書き、日本のポップスとヒップホップという二つのカルチャーが交差して生まれた一曲である。過去の名曲に敬意を払いながら、新たな世代へと受け継いでいく。その挑戦は、日本のサンプリングカルチャーに新たな一歩を刻む作品として、多くのリスナーの耳に届くことになりそうだ。

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<作品情報>

タイトル:CAN YOU CELEBRATE?

アーティスト:t-Ace, Tetsuya Komuro

Lyric.小室哲哉 t-Ace  

Prod t-Ace

Music t-Ace 小室哲哉
配信開始日:2026年7月17日(金)
JASRAC:048-6030-6

配信リンク

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