【インタビュー】IKUO、“歌いながらスラップ・オンリーで弾きまくる”3rdアルバム発売「今の自分をダイレクトに出すことができた」

BULL ZEICHEN 88、Rayflower、ザ・チョッパーズ・レボリューションなどのメンバーである同時にソロアーティストとしても活動し、さらにT.M.RevolutionやTETSUYA(L’Arc-en-Ciel)、BREAKERSなどを始めとした多数のトップアーティストのサポートも手掛け、日本を代表するベーシストの1人として名を馳せているIKUO。
そんな彼のソロ第3作となる『SLAPPIN’ DAZE』が、7月29日にリリースされる。テクニカルプレイヤーとして知られる彼にふさわしく、同作は“歌いながらスラップ・オンリーで弾きまくる”というマニアックなテーマが掲げられているが、スタイリッシュな楽曲や前向きな歌詞、より磨きのかかったボーカルなどが折り重なって、非常にキャッチーなアルバムに仕上がっている。コンポーザー、アレンジャー、シンガー、ベーシストといったIKUOが擁する魅力の全てを堪能できる『SLAPPIN’ DAZE』について、IKUOにじっくりと話を聞いた。
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──『SLAPPIN’ DAZE』の“歌いながらスラップ・オンリーで弾きまくる”というコンセプトは、どんなふうに思いついたのでしょう?
IKUO:今回は僕の3作目のソロアルバムで、ソロデビュー10年目という区切りに作った1stアルバム『R.E.D. ZONE』(2014年2月)のときは、僕が関わってきたいろんなジャンルのミュージシャンを30人以上呼んで、インストから、ラウドから、ポップから、もうありとあらゆるものを詰め込んだんです。2枚目(『Easy come,easy core!!』(2019年7月)を作った時は、バンド形態でやりたいなと思ったんです。それで、自分がベース&ボーカルで、Leda(G)くんとKenT(Dr)くんを誘ってトリオバンドという形でいくことしたんです。ジャンル的には当時僕の中ではイージーコアが流行っていたので、ラウドミュージックの要素を採り入れたポップなものに仕上げました。それを、ライブ活動としてずっと続けていきたいという思いがあったけど、その後コロナ禍が起こって、メンバーもバラバラになって、そのまま立ち消えてしまった。そんなふうに2ndは“メンバーありき”で作ったところがあったけど、今回は逆にもう自分1人でやろうと思ったんです。自分の今後のライフワークとして自分のベースと歌というところにフォーカスをあてて、周りのミュージシャンは固めずに、完全に自分1人の世界観を表現するということを続けていきたいという気持ちになったので。そうなるとDJと自分という形態でもいいし、打ち込みだからこそできるサウンドを追求してもいい。そういうスタンスでアルバムを作ることにして、あとは僕の中ではスラップが得意というのがあるので、それをフィーチュアすることにしました。
──“スラップをしながら歌う”と聞くとマニアックだったり、テクニカルな音楽だったりをイメージするリスナーもいらっしゃるかと思いますが、『SLAPPIN’ DAZE』はキャッチーな楽曲が揃っていますね。
IKUO:とにかく楽曲を最重視して、それこそベースのアレンジは1番最後にしました。“スラップありき”ではなくて、あくまでも曲を先行して作ったんです。僕はポップなものが好きなので、今回も自然とそういうものになったなという印象です。それに、今回タッグを組んだのがSHINGOMANという人で、それもいい方向に出ましたね。もう昔からつき合いのある人で、コンポーザーであり、マニュピレーターであり、元々はAgitatoというバンドで歌っていたんです。僕がこれまでやってきた案件のシンセアレンジとかは全部彼にお願いしていて、彼と僕は好きなサウンドの傾向も似ているんですよ。最近の僕はK-POPが好きで、そこも同じだし。なので、今回は僕1人の世界観を、彼と共同プロデュースで表現したという感覚です。
──2つの異なった個性のぶつかり合いから生まれる化学反応を活かすのではなく、IKUOさんの世界をより深めるアプローチを採ったんですね。では、アルバムに向けて曲を作っていく中で、指針になった曲などはありましたか?
IKUO:2曲目に入っている「Breaking into the Light」です。これはリード曲で、今回僕がやりたかったことが1番表れている曲ですね。楽曲のモチーフとしてはちょっと恥ずかしいですけど、最近の僕はK-POPのオーディション番組とかをいっぱい観ているんです(笑)。オーディションに受かった練習生が、デビュー前に全員で歌って踊る「シグナルソング」という曲があって、それがすごくキャッチーでわかりやすいいい曲なんですよ。最近のK-POPとかは打ち込み主体の曲で生ベースがバシバシ入っている曲とかも結構あって、そういうのを聴いて、いいなと思って。それで、打ち込みのサウンドに生ベースのスラップをバキバキに入れちゃおう……みたいなことをイメージしながら曲を作っていきました。
──透明感のあるアッパーさが魅力的ですし、心地よく気持ちを引き上げてくれるサビの仕上がりも秀逸です。
IKUO:サビは、イメージとしてはなんだろう……ワールドカップじゃないけど、世界共通の気持ちを上げるメロディーを活かしたキャッチーなものを目指しました。そうやって曲を作って、その後ベースを考えたんです。ど頭で、まずスラップでインパクトを残して、お決まりのベースソロを入れて。この曲がトータルで完成したときに、今回の主軸になる曲だなと思えるものができたので、このサウンドディレクションで他の曲も作っていこうかなという気持ちになりました。
──「Breaking into the Light」もそうですが、今作はスタイリッシュな曲が並んでいてIKUOさんらしいです。
IKUO:アルバムを作るとなると、参考になる曲を探すところから始まるので、リファレンスとなる曲はあるんですよ。「Breaking into the Light」はアメリカのちょっとR&Bが入っているラウド系のバンドがあって、それですね。入り口はK-POPでしたけど、K-POP寄りの音色やビートの感じを使ったアレンジというイメージで仕上げました。
──リファレンスを自身の世界に昇華されていることがうかがえます。そして、「Breaking into the Light」の歌詞は“光さす方へ/心燃やしてゆけ/道を切り開け”というリスナーの背中を押すものになっています。
IKUO:そう、この曲は人を応援する曲でもあるんです。さっき話した「シグナルソング」のイメージと自分を鼓舞するという側面もありますね。僕は今年デビュー30周年を迎えていて、いろいろ悩む年齢でもあって。でも、そういうネガティヴなことを歌うんじゃなくて、希望を与えるような作品にしたいなと思ったんです。
──背中を押す歌詞や前向きな歌詞ということも、今作の大きな魅力になっています。『SLAPPIN’ DAZE』は、「Breaking into the Light」を始めとして注目曲が沢山ありまして、たとえば「SLAPPIN’ turn it up!」はファンキーかつパワフルなテイストが最高にカッコいいです。
IKUO:これは、逆にベースリフから作った曲です。イントロのスラップリフから入っていきました。
──イントロのスラップも魅力的ですし、インターパートなどに出てくるスピーディーなベースリフは、どうやって弾いているのだろうと思いました。
IKUO:これは、特殊技術です(笑)。1本の弦を親指、親指、人差指、中指という順番で鳴らすパターンを、超高速で弾いているんです。“ロータリー奏法”と呼ばれるものに1個足して4つの音を出すという。ベースライン自体はただのランニングなんですよ。普通は“ダン・ダン・ダン・ダン”と4分音符で弾くのを、全部“タカタカ・タカタカ・タカタカ・タカタカ”という16分で弾いているんです。なので、死ぬほど速い(笑)。
──やりますねえ(笑)。話を戻しますが、「SLAPPIN’ turn it up!」はベースリフから入って、ファンキーな曲に仕上げられたんですね?
IKUO:はい。最初にリフを思いついて、ブラスセクションを入れた、ファンキーな曲にしたいなと思ったんです。今回のテーマがスラップで、それは全曲で必ずスラップをするということではなくて、スラップしかやっていないんです。普通の指弾きとかは、一切していない。ベースソロでメロディーっぽいことを弾いているところもスラップです。マーカス・ミラーとか、スラップでメロディーを弾く人がいるじゃないですか。ああいうイメージですね、ソロとか、バラードとかも。僕はいろんな奏法ができますが、今回はスラップにターゲットを絞って、スラップといえばファンクじゃないですか。なので、「SLAPPIN’ turn it up!」は最初からファンキーなものにしようというニュアンスで作りました。他の曲はベースは後づけで考えてスラップをぶち込むというアプローチだったので、この曲は今作の中ではちょっと異質ですよね。
──すごくいいアクセントになっています。曲調にふさわしく、歌詞も“ベース賛歌”になっていますね。
IKUO:そう、ベースの歌(笑)。ベーシストのソロアルバムということで、こういう曲があったほうがいいかなと思って。『R.E.D. ZONE』の時は「N.S.R」という曲があって、それは“NON STANDARD RACER”の省略で、要は“スピード違反のベースを弾くぞ”みたいな歌詞だったんですね。今回の「SLAPPIN’ turn it up!」は、それに対するアンサーソングという位置づけです。
──ベースの魅力を言葉で伝えている曲はレアですので、そういう意味でもいい曲だなと思います。続いて、7曲目の「One Day」は夏のリゾートを思わせる爽やかさを纏ったナンバーです。
IKUO:リゾートですか? それは意識していなかったですね。この曲はバラードを作ろうという意識のもとに作った曲で、歌詞は完全に昔の自分に向かって書きました。最近の僕の歌詞は“空”という言葉がキーワード的に出てくることが多いんですけど、僕は朝起きて、晴れた空を見るのが好きなんです。家にバルコニーみたいなところがあって、そこで空を見ながらコーヒーを飲むことで1日が始まる。僕は親が亡くなって、18年一緒にいた猫も死んでしまって、空を見ると親や猫とつながっていることを感じるんですよね。あとは、単純に気持ちいいというのがある。自分が若かった頃は、空を見るということが一切なかったんです。下積みだった時代は6畳1間のアパートの部屋に1人でこもって、もうずっと俯いてベースの練習ばかりしていたから。だから、その頃の自分に、「もうちょっと空を見たほうがいいよ」と伝えたいなと思ったんです。当時、空を見て感動したという記憶がないんですよ。彼女がいたけど、デーとかもいかずにいたから、「1日くらいデートしてあげてもいいじゃん」とかね(笑)。そういうイメージで、「One Day」は“気楽な気分で、その時にしかない青春を楽しんでもよかったんじゃない?”みたいな詩になっています。
──過去のご自身に向けて歌うことで、普遍性のある歌詞になっているというのが面白いです。今の時代はメンタルがくたびれてしまっている方が多いですので、“たまにはのんびりしようよ”と語りかけられると心が安らぐと思います。
IKUO:自分に向けつつ、まさにそういうことを思いながら書きました。だから、なるべくシンプルな言葉にしましたし。それこそ、“今を生きることを感じてみよう”と言っていますからね。だいぶ恥ずかしいけど、ここは堂々と伝えたいなと思って、ストレートな表現にしました。
──リスナーに癒しを届けたいという思いが、先ほど私が述べたリゾート感につながったのでは……という気がします。それに、「One Day」は、メロウなフレージングから入って速弾きに移り、タッピングも織り交ぜるという流れのよさが光るベースソロも印象的です。
IKUO:導入部は曲に合っているのに、そこからどんどん熱くなっていくという。“いつもながら、やっていますね”と感じていただければと思います(笑)。
──感じました(笑)。今作は各曲のベースソロも大きな聴きどころですが、ソロは基本的にアドリブでしょうか?
IKUO:アドリブもあれば、作り込んだものもあるという感じですね。デモを作る段階で軽くベースソロも入れておくんですけど、その時はなにも考えずに、アドリブで弾くんですよ。その後どんどんレコーディングを進めていって、全てが終わって、じゃあ最後に大量のベースソロをやるか……という(笑)。そこでデモを聴き返して、直感で弾いたのがいいなと思って、それを活かした曲もあります。デモのトラックを、そのまま音源にした曲もあるんですよ。「SLAPPIN’ turn it up!」が、そうですね。あと、「スクロールパレード」という曲も、その場の勢いで、なにも考えずに弾いたソロがよかったので、そのまま活かすことにしました。逆に、これはダメだなとなって1から緻密に構築したソロもありますね。それこそ「One Day」とかが、そう。作り込んだ曲も結構あって、だからアドリブと作り込んだものが混在しているんです。
──アドリブにせよ、構築したソロにせよ、いつもながら緩急のつけ方が絶妙です。続いて、「スクロールパレード」にいきましょう。この曲はリスナーの心を駆り立てる力を放つサビを配したロックチューンです。
IKUO:これは、ちょっと奇をてらった曲ではありますね。リファレンスとしてはポリフィアとか、ああいうトレンドミュージックのベースっぽい雰囲気を出せないかなというところから入ったんです。それに、歌とベースの比重を同じくらいにしたいというのがあって、歌があって、ベースがあって、歌があって……というようなイメージで作りました。そういう中で1番特筆すべきは、イントロです(笑)。
──わかります。先ほどお話をうかがった「SLAPPIN’ turn it up!」と同じく、“これ、どうやって弾いているんですか?”というリフが出てきますね。
IKUO:これもロータリー奏法です。この曲は“ロータリーをしながら弾き語る”というのがテーマだったんです。
──Aメロのバックでもこのリフを弾かれていて、ライブで再現できるのかなと思いました。
IKUO:できます(笑)。これはね、簡単なんですよ、意外と。コードが移動しているだけで、“ルート、5度、7度”みたいなパターンを“ドコタ・ドコタ・ドコタ”という規則的なパターンで弾くだけなので。僕の中では、ギターでコードを弾きながら歌うような感覚です。結構、複雑に聴こえますけどね。僕は昔からロータリー奏法が好きで、教則本を出した時もめちゃくちゃ推したし、いろんなところで使ってきている。それを今回弾き語りでやって、Tik Tokにアップして、“ロータリーで弾き語るベーシスト”みたいな触れ込みで、ちょっとバズらせたい(笑)。そのことと、「スクロールパレード」の歌詞はリンクしているんです。僕はTik Tokが大好きで、Tik Tokというのは見始めると、もう延々とスクロールしてしまうじゃないですか。それで、“ああ、スクロールパレードだな”という。Tik Tokで何時間も無駄にしてしまうとか、しまいにはどれがAIで、どれがリアルかわけが分からないとか、いろんな意味を込めた歌詞になっています。そういうふうにTik Tokを批判するような曲を、あえてTik Tokでやっていくというのは面白いんじゃないかなと思うんですよね。
──それは、バズる可能性“大”ですね。続いて、9曲目の「最大公約数じゃ熱くなれない」はブラックミュージックが香るクールな歌中とキャッチーなサビのコントラストを活かしたナンバー。
IKUO:これはリファレンス的には、実を言うと昔の歌謡曲っぽいイメージです。最近仕事で’80年代の曲だけを演奏するユニットがあってですね、中森明菜さんとか、チェッカーズとか、村下孝蔵さんを弾きながら歌ったりしているんです。’80年代、’90年代の“ど歌謡”はすごくわかりやすいし、いいなと思って、そういう曲を書きたいなと思って作ったのが「最大公約数じゃ熱くなれない」で、自分の中では昭和のエッセンスを入れたつもりです。Bメロがラップになっていたりして、元々はヒップホップとかのイメージでいながら歌謡曲を意識したというところで、この曲はちょっとK-POP寄りかもしれないですね。あと、今回はベースを弾きながら歌うわけですけど、ベースを弾きながら歌うのはめっちゃ難しいじゃないですか。だから、歌の合間合間にベースソロをぶち込むという(笑)。
──それで、この曲の2番は凄いことになっているんですね。
IKUO:そう(笑)。あとは、ドラムフィルが入るところにベースフィルを入れたり、歌が伸びているところでスラップをしたりとか。その辺りは、ライブを想定したんです。
──歌の合間に弾きまくるというのは「SLAPPIN’ turn it up!」などでも聴くことができますが、歌の合間とはいえ、かなり難易度が高いと思います。歌を伸ばしながらスラップをするということにしても、誰もができることではないでしょうし。
IKUO:僕もスンナリできるわけではなくて、これから練習しないといけないです(笑)。でも、歌いながらテクニカルなことをするよりは絶対的に楽なので、そういうアプローチを採りました。
──歌もベースも妥協しないというのは、本当にさすがです。歌といえば、IKUOさんは甘く歌われる印象があったのですが、今作は全体的に力感のある歌唱になっていませんか?
IKUO:なっています。最近、自分のソロライブをマンスリーでやるようになったので、歌う機会がめっちゃ増えたんですよ。いわゆる対バン制で、ヴィジュアル系のバンドとライブハウスでライブをしている。それが結構続いていて、人前で歌うことが増えたので歌の練習もそれなりにしたし、そういう中で発声も変わったし、デスボイスとかも結構やるので、単純に喉がだいぶ変わったのかなと思いますね。

──IKUOさんは元々歌唱力に定評がありましたが、今作のしなやかさと力強さを併せ持った歌は非常に良質で、より表情の幅を広げると共に魅力を増しています。
IKUO:ありがとうございます。僕は、元々自分の声が嫌いなんですよ。こもっているんですよね。だからいろんな人の歌を聴いて、いつもいいなあと思ってそこに近づけたいという願望はいまだに強くあります。
──長いキャリアを持たれていて、今なおさらに上を目指す意欲に溢れているというのは、本当に素敵なことです。そして、『SLAPPIN’ DAZE』はT.M.Revolutionの「TO・RI・KO」も収録されていますね。
IKUO:「TO・RI・KO」は、僕が2005年に初めてT.M.Revolutionの現場に入って、初ツアーをまわった時に演奏していた曲なんです。元々は朝倉(大介)さんのアレンジで、打ち込みを活かしたピコピコサウンドだったんですね。でも、西川くんがベースは好きに弾いてほしいと言ってくれたので、もうベースソロをめちゃくちゃフィーチュアさせてもらって、僕の初ステージからバキバキに弾いたんです(笑)。だから、「TO・RI・KO」はすごく思い入れがある曲で、今回なにかカバーしたいなとなった時に、この曲が浮かんできたんです。いやらしくない感じというか、「TO・RI・KO」はT.M.Revolutionの中ではマニアックな部類の曲なんですよ。いわゆる話題作りのカバーではなくて、僕は純粋にこの曲を弾きたかったんです。思う存分ベースを弾ける曲……“Emオンリーのベース・ソロ”みたいな曲があまりなくて、そういう曲を作りたいなと思ったけど、「TO・RI・KO」はまさにそういうタイプの曲じゃんと思ったんですよね。ベースソロをさらにフィーチュアして、サビの前とかもベース・ソロにしたりすることで、今回の歌とベースを両方出したいというところにいけるなと。それで、リスペクトを込めて、この曲をカバーさせてもらいました。
──オリジナルとはまた異なった魅力がありますので、聴き比べも楽しめます。続いて、初回限定盤に付属されているアンプラグドバージョン3曲についても話していただけますか。
IKUO:さっきお話させていただいた、対バン制のライブを池袋EDGEさんとか、渋谷REXさんにお世話になっていて。その中でEDGEさんはヴィジュアル系がアコースティックを聴かせるというライブをよく主催しているんです。そこに出てみないかという話をいただいて、そのときに思ったのが、アコースティックライブはギターとボーカルの2人で出ているバンドさんが多いんですよ。そこで、僕はあえてベースは弾かないというサプライズをしたんです。僕がベースを持っていないだけで、結構ざわつくじゃないですか(笑)。歌だけに集中できる状態で歌うということを、したかったんですよね。そうなると1番いいのはギターよりもピアノかなと思って、僕はPENGUIN RESEARCHのキーボードの柴崎(洋輔)くんが大好きなので、彼を呼んで2人で演奏することにしました。アコースティック・ライブはたまにやっていて、今回それを音源化することにしたんです。
──柴崎さんの清澄なピアノとIKUOさんのエモーショナルなボーカルの取り合わせはすごく聴き応えがあります。選曲は、どうやって決められたのでしょう?
IKUO:芝崎くんとアコースティックライブをする時は「オリビアを聴きながら」(杏里/1978年)とか、WANDSの曲とか、カバーも結構歌うんですよ。いつも楽しく歌わせていただいていますが、さすがにそういう曲を入れるのは違うだろうということで、今回は『テニスの王子様』の主題歌の「Driving Myself」(2002年)のカバーと「その光へ」(2014年)、「僕らの約束」(2019年)のセルフカバーをチョイスしました。
──アンプラグドバージョンも聴き応えがありますので、ぜひ『SLAPPIN’ DAZE』とセットで味わっていただきたいです。さて、『SLAPPIN’ DAZE』は良質な楽曲とボーカル、そして圧倒的なベースなどがパッケージされていて、IKUOさんの魅力を堪能できる1作に仕上がりました。
IKUO:僕は昔アニソンの作家をしていて、曲を作るということが自分の根底にあって、それを形にしたいなという思いがあったんです。今回は作家としての面を見てもらいたいという気持ちが強かった。ただ、入り口はそこだったけど、現在進行形の自分の活動の中で、こういうアルバムがあれば、この先いい形で動いていけるなということを見据えて作った作品になりましたね。たとえば、DJと2人でドサまわりもできるし、クラブとかにもいけるし、バンドセットでもいけるし。そういう音楽をやりたいという思いが芽生えたんです。それを集約させたアルバムで、今の自分をダイレクトに出すことができたなと思います。

──“スーパー・ベーシストのソロアルバム”という言葉から受けるマニアックなイメージとは異なり、上質なポピュラリティーを纏った音楽を味わえるというのは本当に魅力的です。そして、8月に行われる『SLAPPIN’ DAZE』を携えたツアーも楽しみです。
IKUO:ツアーはですね、恐ろしいことに練習する時間が、ほぼないんです(笑)。今、120曲覚えているんですよ。
──えええっ! 120曲ですか?
IKUO:はい(笑)。ちょっと現場が重なり過ぎて。昨日リハを2つハシゴして、今日もこの後リハを2つハシゴとかになっているし。しかも、今Rayflowerが全都道府県ツアーをしているし、8月末からBREAKERSもあるんです。あと、北村英治(ジャズ・クラリネット奏者)さんの現場もあって、6現場くらい重なっているのかな。結構ヤバいなという(笑)。その中で自分のツアーもあって、それが北村さんのツアーと重なっていて、大阪から東京に帰って、福岡という行程とかあるんです(笑)。そういう中で、ソロツアーの練習日を1日どうにか設けてあるし、リハが3日あるので、もうその4日間に全集中でいきます(笑)。
──おおお……凄いことになっていますねえ……。大変だとは思いますが、『SLAPPIN’ DAZE』は心地よく気持ちを引き上げてくれる楽曲が揃っていますし、プレイ面の見どころも満載で、とてもいいライブになる予感がします。
IKUO:ちゃんとすれば、そういうライブになると思いますが……とにかく、がんばります(笑)。
取材・文◎村上孝之
◾️リリース情報
NEW ALBUM『SLAPPIN’ DAZE』
2026年7月29日Release
配信:https://ikuo.lnk.to/slap
【初回限定盤】2CD

品番:KICS-94261
定価:¥5,500(税抜価格¥5,000)
BOX、40Pフォトブック、ブロマイド(ランダム2枚/全8種)付き
[CD1]
- This is…
- Breaking into the Light
- Stand Again
- Chase the Future
- TO・RI・KO (T.M.Revolutionカバー)
- SLAPPIN’ turn it up!
- One Day
- スクロールパレード
- 最大公約数じゃ熱くなれない
- BUBBLE
- Touch the Sky
[CD2]アンプラグドカバー
- Driving Myself(Unplugged)
- その光へ(Unplugged)
- 僕らの約束Unplugged)
詳細はこちら https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICS-94261/
【通常盤】CD

KICS-4261
¥3,700(税込)
[CD]
初回限定盤CD1と同内容
詳細はこちら https://www.kingrecords.co.jp/cs/g/gKICS-4261/
購入特典
メーカー特典:ブロマイド
※対象店舗はこちら https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t20166/
※購入特典は無くなり次第終了となります。

■リリースイベント情報
リミスタインターネットサイン会
・7月31日(金)19:00
対象商品:
IKUO『SLAPPIN’ DAZE【初回限定盤】』KICS-94261 定価:¥5,500(税抜価格\5,000)+送料
※通常盤は特典対象外となります。
詳細はこちら https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t20163/
IKUO『SLAPPIN’ DAZE』発売記念トーク&サイン会
開催日時&会場:
・8月7日(金)18:00~ タワーレコード福岡パルコ店
・8月11日(火・祝)11:30~ タワーレコード名古屋パルコ店
・8月16日(日)19:00~ タワーレコード新宿店
対象商品:
IKUO『SLAPPIN’ DAZE【初回限定盤】』KICS-94261 定価:¥5,500(税抜価格\5,000)
※通常盤は特典対象外となります。
詳細はこちら https://www.kingrecords.co.jp/cs/t/t20107/
■ツアー情報
<SLAPPIN’DAZE TOUR 2026~30th Anniversary~>
8月5日(水) 島根・STAY ALIVE MASUDA
8月6日(木) 福岡・INSA Fukuoka
8月9日(日) 大阪・OSAKA RUIDO
8月10日(月) 愛知・HOLIDAY NEXT NAGOYA
8月13日(木) 埼玉・Urawa Narciss
8月15日(土) 東京・SHIBUYA-REX







