キルスウィッチ・エンゲイジ、ニューアルバムを日本先行発売し、来日ライヴを決行!

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アメリカ東海岸のハードコアと北欧のメロディック・デスの要素を兼ね備え、今やニュー・ジェネレーション・メタルのリーダーと呼ばれるキルスウィッチ・エンゲイジ。'02年にメジャーレーベルからリリースした『ALIVE OR JUST BREATHING』は、ハードコアをベースにしながらも、センチメンタルなメロディやギター、そこに絡みつくアグレッジヴなヴォーカルで、音楽誌やチャートで軒並み上位にランクインされビッグヒットになった。

そのキルスウィッチ・エンゲイジがニューアルバム『THE END OF HEARTACHE』を5/8に日本先行でリリース。その発売を前に日本に上陸し、怒涛のライヴ・パフォーマンスを見せてくれた。このライヴ、<EXTREME THE DOJO VOL.10 SPECIAL>として企画されたもので、東京と大阪の2公演、そしてアンスラックスとのジョイントによる3ヶ所のツアーだ。

4/14の東京・渋谷O-EASTに出演した彼らは、ニューアルバムのラインアップ、つまり一時期ドラムスを担当していたアダム・デュトキエヴィッチがギターに復帰し、ヴォーカルにハワード・ジョーンズという最高の布陣で現われた。どこまでもアグレッシヴでラウドなサウンドは彼らならではのもの。高速で繰り出されるリフとハワードの叫びにも似たヴォーカルがぶつかり合い、ストレートな上昇カーブを描いたところから、一気にメロディアスなサビが全体を包み込む。そういった起承転結のある楽曲構成で、聴く者を一瞬たりとも休ませてはくれない。このヘヴィさとメロディアスさの対比が彼らの最大の魅力だ。9曲中4曲がニューアルバムから演奏されたが、昨年話題になった映画『フレディ&ジェイソン』に提供した楽曲「When The Darkness Falls」、そして複雑怪奇なリフと疾走するリズムの間から、北欧メタルにも通じるメロディアスなサビが現われる「Rose Of Sharyn」と続いたところで観客の盛り上がりは最高潮に達したようだ。

長いモミアゲと極端に高い位置で構えたストラト・タイプのギター。MCではお調子者の雰囲気を見せるアダムも、その高い位置に掲げたギターから超高速でリフを繰り出す。「ラウドな疾走感を表現するためには低い位置でなんかギターを弾いていられない。高速で演奏するためには、あれくらい高い位置にギターを構える必要があるんだ(アダム)」というように、隙間を埋め尽くすようなテンションの高い演奏力が、彼らのウリでもある。名門バークリー音楽院出身の彼ならではのコダワリなのだろう。もっとも、そこで学んだことは「自分が弾いているコードのコードネームがやっと分かった(アダム)」ということだけらしいが…。また、「今、最も注目しているのはスウェーデンのスピード・デス・メタルさ(アダム)」とのことで、決してパワーに溢れたスピードだけを追求するのではなく、メロディアスな旋律の展開があってこそ、自分達の音楽が目指すところが見えるという。

新加入のヴォーカリストであるハワードは、マイクの先端を持ち、口に覆いかぶせるように咆哮を続ける。時にはステージ上を転げまわり、時には客席に向かってアグレッシヴに挑発しながら、あらんかぎりの喉の力でメッセージを解き放つ。「オレの歌い方は誰かから影響されたようなもじゃなく、この音楽をやっていくために自然にこうなったんだ(ハワード)」。大きな身体から発せられるヴォイスとフィジカルなパワーは、バンドがラウドさとメロディアスを重視した音楽性でやっていくための必要不可欠な要素だ。最後の曲「Last Serenade」では、ステージに乱入した観客を降ろすこともせず、ヘッドバンギングを続ける彼と向かい合ってシャウトを繰り返すハワード。アダムもそれを面白がりながらパフォーマンスを続けるという一幕も。

キルスウィッチ・エンゲイジの音楽は、曲の調性がわからないほどのハードコアなデス・サウンドではなく、サビでのメロディアスな盛り上がりが命だ。それと緊張感と開放感が交互に来るステージ・パフォーマンス。これらの集合体が日本人の体質に合っているのかもしれない。今後の日本での人気がどこまで上がるのか、とても期待できるバンドなのだ。

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