the pillows、15歳の誕生日にワンマン! 過去と現在を行き来した約2時間半

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バンド結成15周年を迎えながらも、老成した感は一切皆無のバンド、the pillows(ザ・ピロウズ)。彼らが、9/16(木)東京・SHIBUYA-AXでワンマンライヴを行なった。

「今夜は、ピロウズ史上いちばん長いライヴになると思うから」。ライヴ中盤に差し掛かったあたり、山中さわお(Vo&G)はそう言った。1989年9月16日に結成されたthe pillowsは、このライヴが行なわれた日、ちょうど15歳のBIRTHDAYを迎えた。15年間にリリースした数々の作品の中から選りすぐりの曲をちりばめた特別なライヴは、「Please Mr.Lostman」で幕を開けた。15年間の、特にオイシイところが凝縮されたライヴなわけだから、1曲1曲がクライマックス。「LITTLE BUSTERS」「ONE LIFE」などのほか、もっとも古い曲は、90年の「巴里の女性マリー」。そこから、いちばん新しい曲「その未来は今」まで、どの時代のどの曲も、見事に時間の垣根を跳び越えて鮮やかなまま胸に飛び込んでくる。

the pillowsというバンドは、ヒットチャートの上位に登場したり、テレビの歌番組で楽しいトークを提供したりはしない。窓の外で起きてるそれらの喧騒を、部屋の中からとっても醒めた目で見ている――そんなスタンスだった時期があった。自身を取り囲むシーンに同調できない自分たちを「ストレンジ カメレオン」と歌っていた頃。でも、いつからかまわりはどうでもよくなった。――もっとムキ出しなままで、もっとデカい音で、感じたままにプレイする。“限界なんてこんなもんじゃない”とか“頂上なんてない”とか、活動年数が重なるにつれ、走るスピードはどんどん速くなっていく。新曲「その未来は今」でも、飛ばしている。<僕らは走ってる/二度と戻れない道を>と。……そんな具合に、繰り出される曲に歓喜しながら、過去と現在を行き来した約2時間半。これからまた、いくつもの日々を、ここに居るファンは彼らの音楽と一緒に過ごしていくだろう。

文●梶原有紀子


※10/6発売のシングル「その未来は今」のプロモーション・ビデオは、コチラから観られます。
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