Janne Da Arc、2004 tour ARCADIA 最終日武道館ライヴレポート

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昔から当たり前のように語られることではあるのだけれど、いわゆるロックバンドが急速に人気を増しライヴ動員がみるみる増えていく時、共通してそこに気づくことは、“男性客の増加”である。

いやー、Janne Da Arcの武道館…実に熱い男連中が多かった。女性の金切り声に耳をつぶされたことはこれまで何度もあったものの、男どもによる怒涛の腹式絶叫に耳を傷めたのは、ほんと初めてっすよ。

男が惚れる男バンド…Janne Da Arcの魅力のポイントを冷静に紐解いてみると…
(1)とにかくサウンドがタイト
(2)かっこいい
(3)おもろい
(4)巧い
といったところだろうか。小学生レポートのような列挙内容になってしまったが、もう少し掘り下げてみよう。

(1)とにかくサウンドがタイト
正直、ライヴ中~後半からの音量は過激なまでにデカく、吹き荒れる嵐のような状況下になった。PAとの位置関係にもよるだろうが、ヴォーカルが聴こえづらかったりギターのフレーズが聴き取れなくなったのも事実。だが、それらを含めた上でも、彼らのたたき出すサウンドは極めてタイトでソリッドである。
一般的な音像からミッドレンジを20%減くらいのドンシャリ(低域と高域を強調するサウンド)気味が基本トーンではあったが、まずは各メンバーがはじき出すそれぞれの音に贅肉が全くない。無駄が削ぎ落とされたサウンド・メイクこそが、媚びを売らないラウドさを生み出す唯一の方法論であることを、Janne Da Arcは経験から学び取っていたということだ。
引き締まったベードラのトーンといったら、身震いするほど高品質。スネアの抜けも100点満点。確実にビート感が届くドラミング・サウンドが終始貫かれたこの武道館、ライヴで鍛え抜かれたバンドの底力が余すところなく発揮されたものだった。

(2)かっこいい
ルックスやその動きは天から与えられたものであるので、第三者がとやかく言うところではないが、男連中からの熱い支持を受けるのは、そのバンドのあり方であろう。
年齢を重ねた自身を「オヤジ」と嘯き、MCではオーディエンスとの距離感をぎりぎりまで縮めてくれるフランクさ…。Janne Da Arcを表面だけで捉えれば、気さくで自然体ないでたちに魅力を感じることになる。
とは言え、プレイの姿は極めてストイック(当たり前の話だけれど)。各々の出す音を≪絆≫に、お互いの信頼関係と結びつきをグルーヴに折り重ねていく姿…その、往年のロックバンド然とした、メンバーの立ち位置こそが、男の目に限りなく新鮮に潔く映ってくる。刀を抜いたときの武士のいでたちにも似た、ひとたび楽器を持ったときに伝わってくる凛とした気配に、多くの男が引き込まれていったのではないだろうか。

(3)おもろい
自分たちの作品やステージングに余裕と自信があってこそ、はじめて成り立つスタンスがここに見れる。「お前の秘密の花園はヌレヌレですか?」「オシリを見られるのはいい気分です」…こういう発言が、ストレートにオーディエンスの快楽のツボにはまるのは、非常に愉快かつ爽快だ。
yasuの天然なキャラクターによるところだろうけども、微妙なセンでさくっと肩のコリをほぐしてくれるJanne Da Arcの自然体な姿こそ、男性オーディエンスから羨望を集めるひとつの、そして大きな要因なのではないか。

(4)巧い
もちろん、演奏力や楽器を操るテクニックが優れていることがバンドにとって大きな力となることは言うまでもないけれど、「表現者としての内面」と「音を司るプレイヤー」としてのバランスが健康体でないと、アンサンブルは構築できない。テクニック至上主義の時代、テクニック不問の時代…ロックの歴史は色々なムーブメントを繰り返しているが、いつでも大切なのは、自身から湧き出る泉をリスナーへ気持ちよく降り注がせることだった。
敢えて言うがJanne Da Arcは、バカテクではない。しかし、表現者として達成しなくてはいけない壁をどでかく設定し、それを長年鍛え抜かれた瞬発力で、なんなくクリアしてしまっている節がある。
炎が吹き上がり、ドライアイスが滝となり、キャノン砲がブッ放され、音玉で客席を震撼させたJanne Da Arcのステージであったが、そんな派手な演出の後ろで見え隠れしていたキメの一体感や、5人で生み出した疾走感溢れるグルーヴこそが、感動を生み出した震源であったと確信している。

Janne Da Arcのパフォーマンスへのアンサーだったのだろう…オーディエンスが生み出したアンコールの声は一糸乱れぬものとなり、その一体感は、Janne Da Arcからもらった感動とエネルギーをメンバーへそのまま返したものとなった。
二度のアンコールを経てたっぷり2時間半の武道館は、インディから這い上がってきたライヴ・バンドの意地と余裕が開花した好演だった。

取材・文●烏丸哲也

Janne Da Arc 2004 tour "ARCADIA"
2004/9/29@日本武道館

01. ACID BREATH
02. Heavy Damage
03. ROMANC∃
04. BLACK JACK
05. trap
06. 心の行方
07. GUILTY PAIN
08. process
09. カーネーション
10. Legend of~
11. DOLLS
12. ATHENS
13. FREEDOM
14. explosion
15. WIZARD
16. ヴァンパイア
17. Kiss Me

【Ecore1】
18. Love is Here(新曲)
19. Hysteric Moon
20. 霞ゆく空背にして

【Ecore2】
21. -救世主 メシア-
22. シルビア


最新DVDクリップ集
『ARCADIA CLIPS』


AVBD-32038 / ¥4,900 (tax in)
2004年9月29日発売
『ARCADIA』に収録されているヒット・シングル5曲のミュージック・クリップを収録。

・17thシングル「FREEDOM」オリコン初登場4位
・18thシングル「Kiss Me」オリコン初登場5位
・19thシングル「DOLLS」オリコン初登場7位
・20thシングル「ROMANCヨ」オリコン初登場3位
・21thシングル「BLACK JACK」オリコン初登場6位

特典内容
●収録クリップ全曲のメイキング&テレビスポットを収録。
●スペシャル特典として収録クリップ全5曲のパートチェンジ・バージョンも収録。
●パートチェンジ・バージョンは、5曲すべて副音声で、大ヒットDVD『スキージャンプ・ペア オフィシャルDVD』のナレーションを務める茂木淳一氏による大爆笑必至&ココでしか聴けないお宝実況あり
 


22th New Single
2004年11月17日発売!!
「Love is Here」c/w 少年の瞳

CDのみ
AVCD-32042 ¥1,050 (tax in)

CD+DVD
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※DVDは「Love is Here」のミュージック・クリップ

初回特典:豪華52ページ・ライブフォトブック(“CDのみ”のバージョンに付きます/[Janne Da Arc tour 2004 ARCADIA]のライヴ写真で構成)。



発売日未定新曲
「月光花」


手塚治虫の大傑作アニメ『ブラック・ジャック』オープニング・テーマ曲に大決定!!

よみうりテレビ・日本テレビ系全国ネット 毎週月曜夜7:00放送[2004年10月11日(月)放送開始 発売日未定



メンバー直筆サイン入り9/29武道館公演セットリスト(応募締め切り:2004年11月15日







http://www.avexnet.or.jp/janne/

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