心に響く本格的サウンドを追求すべくロックの申し子たちがタッグを組んだ!

ツイート

凄腕ギタリスト梶山章とパワフルなヴォーカリスト森川之雄のユニットGOLDBRICK。
自分が演りたい、また自分にしかできないハードロックを求めて、
稀代のロッカーが手を組んだのだ。
その音は、陳腐な様式美や無意味に華美な装飾はなく、
ロックの本質に迫る塊となって聴く者の耳に襲いかかる。
キーボードとリズム隊にGERARDを迎えて作られた2ndアルバムは、
梶山と森川それぞれのキャリアに裏打ちされた快心作に仕上がった。

このアルバムにかける意気込みと決意について話を訊いた。


 
──GOLDBRICK結成に際して、森川さんに熱いラヴコールを送り続けていたということですが、彼がヴォーカルでなければならないと感じたポイントとは?

梶山章(以下、梶山):森川くんの歌が上手いからです。僕は歌モノが好きなので歌が良くないと意味がないんですよ。10年以上前からの知り合いではあるんですけど、彼はTHE POWERNUDEをやってたし、一緒にやれる機会がなかったんです。そうこうしている間に、元Rainbowのジョー・リン・ターナーのアルバムに参加したり、曲作りをしてたりして。その時、ジョーが歌わなかった曲で気に入ってたのがあるんです。それでまた彼に声をかけました。“曲を聴かせてくれ”というのでそうしたら、なんと“いいんじゃないか”ということになって(笑)。

森川之雄(以下、森川):『ディープ・パープル・トリビュート』と『虹伝説』という企画モノで、一緒に作品を作ったことはあるんですけどね。長期的に付き合おうということになったのは、今回が初めてなんです。

梶山:ジョーと組んだことで、自分の作品をイメージ通りに表現してくれ、なおかつ今以上に良くしてくれるという経験をしました。森川くんと作業を始めて、ジョーと同じように僕の作品を高めてくれるということがわかった。もちろん、遠慮したりするんじゃなくて、ヴォーカルには自分の色を出してくるんです。それがあって、信頼感がすごく増しました。

──森川さんが一緒にやろうと決めた一番大きなポイントは?


森川:梶山くんって、ハードロックの世界では様式美の第一人者のギタリストとして認知されてたんです。僕にとって、様式美ヘヴィメタルっていうのは興味がなかったんです。それが、デモを聴かせてもらったところ、歌を大事にした曲作りをしてるということが分かって、話をしてみると、とにかく歌が好きでギターなんかどうでもいいくらいのことを言うんですよ(笑)。作品を作るには、歌モノをメインにしたクオリティの高いものというところで意見が一致したんです。それならば自分のTHE POWERNUDEとは違うけれども、並行してやっていけるなと。

──永川(敏郎)さんをキーボードに誘ったのは?


梶山:永川さんとも長い付き合いなんですよ。僕はディープ・パープルからオルガンサウンドがすごく好きで。 永川さんは僕のギターに合うサウンドを持っているし、シンプルに弾いても“自分”というものが出せるキーボーディストです。だから迷うことなく誘いました。
『GOLDBRICK II』
2004/10/21発売
VICP-62871 \3,045(tax in)

01.SPEED☆STAR
02.READY 'N' GO
03.OUTSIDER
04.JEOPARDY
05.DANCE IN THE RAVE
06.LOVE'S A STRAY
07.CRIMSON TEARS
08.GO WITH A SWING 'CAUSE WE ROCK!
09.MAX BODY GROOVE
10.TIME LIMIT
11.PASSION GAME
12.PIECE OF HEAVEN [LIVE]
聴きたい曲名をクリック!


このCDを買うなら


オフィシャル・サイト

http://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A017939/-.html


──永川さんは、梶山さんとの競演ってどうですか?

永川:ギタリストは自分が主役という人が多いですからね、それをサポートするのは面白いですよ。僕もディープ・パープルとかが好きで、梶山さんとも同じような音楽を聴いてきましたから、演奏しててもコンビネーションが分かるんです。それがお互いに気持ちよかったんでしょうね。梶山さんってオルガンのマニアなんですよ、実は。音色も弾き方もコダワリがあって、デモなんか、オルガンが一番凝ってるんですよ。僕はそれを再現しつつも、自分なりのものを付け加えてるんですが、アイデア的には梶山さんのものばかりですよ(笑)。

──GERARDと梶山さんということで弾きまくりの音を期待する人が多いかもしれませんね。

梶山:僕は歌が好きでギターを弾くようになったということが大きいんです。だから、楽器が前面に出る音楽ではなくて、あくまで歌モノをやりたかった。だから音楽性とかに縛られることなく、良いメンバーで良い音楽を作りたかった。このメンバーでからって、弾きまくりの音楽を作るつもりはないです。

森川:楽曲を殺すような必要以上に長いソロは省いて、歌モノとして完成度の高いものを目指しているというのが、このプロジェクトの性格なんです。

──梶山さんが他のギタリストと違うと森川さんが感じる点は?

森川:昔は違ったみたいですけど(笑)、楽曲を生かすギターを弾くということですね。速弾きというのは、曲を生かす一つのファクターでしかないということを分かっているというところですね。ヴォーカリストとしては、速弾きよりもヴィヴラートとかチョーキングのニュアンスとかトーンの使い分けとかが気になるんです。それに加えて、タメというかコブシというか、梶山くんは歌心あるギターを弾くんです。梶山くんのギターの表情というものを聴いてもらいたいですね。

梶山:抑えてるわけじゃなくて自然なんです。曲にとって必要じゃない速弾きなんて弾きたくない。ライヴでは“やっちゃったー”ってこともありますけど、スタジオでは冷静で客観的なんで、曲に常に尋ねてみるって感じですね。あくまで“音楽”を作ってるんで、ギターアルバムを作ってるわけじゃない。

──今回のアルバムはトータルが60分以上の大作ですね。最初に何曲くらいを準備したんですか?

梶山:最初のアイデアで46曲、デモで20数曲を用意して、そこから半分くらいを森川くんに聴いてもらって、アルバムに収録する曲を決めたんです。信頼してますから。

──「CRIMSON TEARS」はスゴイ迫力です。これは弾きまくりですもんね。

梶山:もう分からないんですよ。他人だと“うわ、弾きまくりだ”ってあるですけど、自分のを聴いてそう思うことってあまりなくて。どうなんでしょ、分からない(笑)。

ライヴ情報
<GOLDBRICK LIVE 2005 -MAX BODY GROOVE->
1/8(土)東京:Shibuya O-East
【問】ザックコーポレーション 03-5474-9999
http://www.zak-tokyo.co.jp/
──アルバムの中で気に入ってる、もしくは印象に残ってる曲を教えてください。

森川:曲というよりも全体のサウンドが気に入っているということかなぁ。プレイ自体では自分の力を出し尽くせたと思いますが、プロデュースも同時にやってたので。

<プレゼント>
GOLDBRICKのTシャツを6名様にプレセント!応募はコチラ
締切は11月20日まで
梶山:曲を作ったのが'03年でレコーディングしたのもかなり前だから、今はエンジニアとしてのミックスとかの作業の印象の方が強いんです。そこでこだわったというか苦戦したのはプレイとか曲調とかよりも、ミックスなんかのサウンドプロデュースです。こちらの方が全体を決める上で重要なんじゃないかと思っています。だから、そこが印象に残っていますね。

森川:ミックスだけで2、3ヶ月かけましたからね。他には、曲を生かすドラミングにもコダワリましたね。グルーヴがあって表情豊かなリズム。ヴォーカルが乗ることで、よりよいグルーヴを作り出せるようなリズムっていうのが、今回のアルバムの大きなテーマでした。

取材・文●森本 智

この記事をツイート

この記事の関連情報

*

TREND BOX

編集部おすすめ

ARTIST RANKING

アーティストランキング

FEATURE / SERVICE

特集・サービス