35年ぶりの渋谷公会堂ライヴレポート

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2004年10月10日、渋谷公会堂――。巷で話題となっている噂の音楽映画『ザ・ゴールデン・カップス ワンモアタイム』の完成を記念して、オリジナルメンバーによるスペシャルライヴが行われた。なんと彼らが渋公のステージに立つのは35年ぶり。「日本で最初のR&Bバンド」として'60年代を駆け抜けたこの伝説のバンドをひと目見ようとたくさんの人が会場に駆けつけた。

落ち着いた雰囲気の男性・女性が多く、日頃行なわれているロックバンドのお客さんより年齢層はやや高め。椅子から立ち上がって拳を突き上げるような人もなく、静かな雰囲気の中、だからといって盛り上がっていないわけでは決してなく、クールで熱い、大人のための、大人による、ロックコンサートが始まった!

カップスの追っかけを自称するテリー伊藤の呼びかけでステージに出て来たメンバーたち。ヴォーカルのデイヴ平尾、ギターのエディ藩、ベースのルイズルイス加部、ドラムのマモル・マヌー、キーボードのミッキー吉野。メンバーそれぞれ、その佇まいには独特の風格と匂いがある。そして、確かな実力と豊富な経験に裏づけされたロック魂がある。さらに、シークレットゲストとして登場したジョー山中、ロサンジェルスから駆けつけた林恵文、スペシャルゲスト・忌野清志郎らの登場に場内は興奮の坩堝と化した。

「GOT MY MOJO WORKING」、「I GOT A MIND TO GGIVE UP LIVING」といったライヴ映えするナンバーはもちろん、かつてはR&R、R&Bではないといってほとんどステージで演奏されることのなかったシングル曲「いとしのジザベル」、「長い髪の少女」、「愛する君に」なども堂々と熱唱。最後には、35年前にはめったになかったアンコールにも応えるなど、充実したステージを見せつけた。

ライヴ途中には、この日のために特別に編集された映画の予告編も上映。全身に鳥肌が立つほどの大きな感動と強い衝撃を残し、一夜限りの再結成ライヴは幕を閉じた。

ザ・ゴールデン・カップスの物語は、長い空白の時を越えて今、新章を刻み始めたのかもしれない……。

文●水越真弓
写真●佐藤愛子



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