バンドの内実を語り尽くしたラモーンズのドキュメンタリー映画公開

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今年、結成30周年を迎えたラモーンズのドキュメンタリー映画『END OF THE CENTURY』が、日本でもようやく公開となった。オリジナルメンバーのジョニー、ジョーイ、トミー、ディーディーの4人が、ニューヨークでバンドを結成したのが'74年。それから30年に及ぶ日々を、あらゆる人物のインタヴューと貴重な記録映像をつなぎ合わせて浮き彫りにしていく。ロックバンドの内情を知り、ロックシーンの変遷をたどるという意味で、ラモーンズ・ファンのみならず興味を引かれる作品だ。

共同監督のマイケル・グラマグリアとジム・フィールズは、どちらも映画監督としてのキャリアは浅いが、ラモーンズのファンとして、ありとあらゆる映像素材を徹底的に集めた。オリジナルメンバーの4人はもちろんのこと、後に加入したマーキーやC.J.をはじめ、在籍したすべてのメンバーの証言を収録。また、彼らと同時代を生きたミュージシャン(ザ・クラッシュのジョー・ストラマー、ブロンディのデビー・ハリー、セックス・ピストルズのグレン・マトロック等)や、彼らの影響を受けた世代(ソニック・ユース、メタリカ、ランシド、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ等)も登場する。

決してきれいごとだけではないバンドの内実を、それぞれの立場で振り返り、語り尽くす。その結果、浮かび上がるラモーンズの姿は、想像以上に衝撃的だ。'01年にジョーイ、'02年にディーディーが相次いで亡くなったのに続き、この映画の完成後の今年9月にはジョニーも前立腺癌でこの世を去っている。オリジナルメンバーで健在なのはトミーだけという現実を考えると、このドキュメンタリーの重要性が改めて身にしみるはずだ。(11月27日よりシネセゾン渋谷にて公開中)

原 令美/イーフィールズ
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