【1メガでお願いします!】特集~今のメンバーで、ライヴをやれる曲を重要視

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KEY GOT CREW宙也率いるLOOPUSが実に二年ぶりとなるニューアルバム『FOUR』を完成させた。アナログ感、ロック感を全面 に押し出した今回のアルバムは、メンバーチェンジを経て“4人”となったLOOPUSの決意表明的な作品だ。

──今回LOOPUSとして4枚目、2年ぶりとなるニューアルバム『FOUR』がリリースされましたが、このタイトルは4枚目、というところからつけられたんですか。

宙也:確かにそれもあるんだけど、ソロ名義で出していた『zero db』も入れると5枚目になるんで。あれはソロ名義だったけど、メンバー的にはもう今のメンバーが揃ってたからね。それよりは、今まで5人いたメンバーが、今年になってキーボードのD.I.Eが抜けて4人になったっていうのが大きいですね。これからはこの4人でLOOPUSをやっていくぞ、という宣言的な意味での『FOUR』ですね。

──今回のアルバムでは、よりロック感のあるサウンドが強く押し出されていると思いますが。

宙也:その変化は以前から徐々にはあったんですけどね。だからこそ、LOOPUSの音楽性がよりシンプルに、ロックっぽくなっていく過程で、D.I.Eの中でこのバンドにキーボードの音が本当に必要なのか…というような葛藤はあったんじゃないですかね。それで今回キーボードが抜けたことによって、メンバーの中でも色々な物が吹っ切れたような気がするんですよ。ギター、ベース、ドラム、ヴォーカルというロックバンドの最少単位になったというのもあるし、以前のアルバムだと、キーボード以外にも、デジタル的なサウンドが入っていたり、ギターを重ねてみたりと、割と作り込んだ音作りをしていたんですが、今回はその辺も取っ払っているんで。もちろん音数が少なくなった事によって、全体の音が薄くなってしまうんじゃなくって、メンバーそれぞれが責任感を持って自分の音を作っていくことによって、それぞれの音がちょっとづつ厚みを増しているとは思います。

──今回は、変にレコーディングで作り込むというよりは、ライヴ感の強いシンプルな音作りという感じですかね。

宙也:今のメンバーで、ライヴをやれる曲というのを重要視しました。レコーディング作業にもライヴっぽさが出ているとは思います。今回入っている曲は、今までライヴでやってきて、ライヴの中で成長してきた曲なんで。曲って生きてる物だから、ライヴでやっていくうちにどんどん変化し続けていくんですよね。特にオレらはその傾向は強いんじゃないかと思います。だからこそ、メンバーチェンジがあって、いい意味でバンドのテンションが高くなっている「今」の状態をパッケージにして音源を作りたかったというのもありますね。

──宙也さんというと、やはりニューウェイヴというイメージが強いと思いますが、今回こういう風にロック感のあるアプローチになったというのは、やはり長いことやってきて原点に戻っていったという事なんでしょうか。

宙也:ボクが音楽を聴き始めた時期が、ちょうど時代がパンクからニューウェイヴに移りつつあるような時だったんで、その頃から特にこれはパンク、ロック、ニューウェイヴ…という分け方はしていなかったんですよね。だから、それほど意識的に原点に…というわけではないんですけど、ただ、若い頃は自分が音楽をやるからには常に新しい事をやっていかなくてはならないっていう思いがずっとあったり、周りの人やバンドたちと同じ事は絶対にやりたくないっていう意識を持っていました。でも、最近は40歳も越えて、変な焦りみたいな物はなくなって、別に新しい物、新しい物…っていうんじゃなくても、いい物が作れればいいかな、という自然体で音楽活動をやれていると思いますね。奇抜で目新しくなくてもいいから、歌詞も、メロディも、よりしっかり聴かせたいな、という意識が強くなっていますね。

取材・文/北村ヂン
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