'04年 HipHop/R&B事件簿 グッド・ニュース編

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'04年のヒップホップ/R&Bシーンにて起きた様々な事件の中で、グッド・ニュースに注目してみよう。

まずはアメリカ国内で今年最も話題となったニュースの一つでるアメリカ大統領選挙で、多くのヒップホップ/R&Bアーティストが選挙運動に関わったことが挙げられる。まず最初に動いたのがデフ・ジャム・レコーディングス創設者であるラッセル・シモンズで、彼は非営利団体HSAN(Hip-Hop Summit Action Network)を率いて、アメリカ全国各地で投票促進のための集会を行なってきた。シカゴで行なわれた集会ではカニエ・ウェスト、トゥイスタ、コモン、リュダクリスなども参加し、デトロイトでの集会ではエミネム、50セントなどまで参加し、若者層に対して、選挙投票を訴えた。

P.ディディも投票促進運動を積極的に行なってきた一人で、彼は「Citizen Change」という非営利団体を発足し、「Vote or Die」という投票促進キャンペーンを全米で行なった。アメリカ各地で展開された同キャンペーンのポスターにはP.ディディの他、50セント、ネリー、アッシャー、メアリー・J.ブライジといったアーティストの他にジェイミー・フォックスなどのハリウッド俳優なども登場し、レオナルド・ディカプリオにいたっては、P.ディディと共に実際に各都市を巡るキャンペーン運動にも参加している。

他にはエミネムがブッシュ大統領を批判する「Mosh」を発表したり、アウトキャストのアンドレ3000が選挙に関するドキュメンタリー番組に参加したりと、いずれも若者層への投票促進に繋がる活動を行なっており、結果的にはブッシュ大統領の再選となったものの、ヒップホップ/R&Bアーティストが社会や政治に対して影響を与えることができることを証明した。

もう一つのグッド・ニュースは、'90年代の活躍したヒップホップ・グループの復活だ。Q-ティップ、ファイフ、アリによるトライブ・コールド・クエストは'98年リリースのアルバム『The Love Movement』によって解散宣言をしていたが、9月にサンディエゴにて開催されたイベント『Street Scene '04』にて復活ライヴを行ない、今後の本格的に活動を再開する可能性があることを発表している。

解散ではなくグループとしては活動休止という状態であったウータン・クランは、7月にカリフォルニア州サンバーディーノで行なわれたイベント『Rock The Bells』に出演し、約10年ぶりに主要メンバー9人全員が勢揃いしてのライヴを行なった。そして、このライヴの模様は『Disciples Of The 36 Chamvbers』というCDとDVDの両方でリリースされているが、皮肉にもオール・ダーティ・バスタードがウータン・クランとして参加した最後の作品になってしまった。

そしてもう一組復活したのがローリン・ヒル、ワイクリフ・ジョン、プラーズによるフージーズだ。彼らは9月にブルックリンにて行なわれた人気コメディアン、デイヴ・シャペル主催のブロック・パーティに3人揃って出演した。さらにニュー・アルバムに関する話し合いを行なっていることも明らかになっており、大ヒット・アルバム『The Score』以来となる新作が早くリリースされることを強く望みたい。

K.Omae, LA
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