グリーン・デイ 来日&グラミー受賞大特集!! 2005 アルバム解説編

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1. アメリカン・イディオット(アホなアメリカ人) …… 所信表明。「バカなアメリカ人にはなりたくない」
アメリカのアホにはなりたくない
メディアにコントロールされる国なんて
情報化時代のヒステリーが
アホなアメリカで大声を上げる

※斜体の部分は歌詞の抜粋です。以下同

2. ジーザス・オブ・サバービア(郊外の救世主)
I. ジーザス・オブ・サバービア …… 「ジーザス・オブ・サバービア」はこの物語の主人公の名。テレビばかり見ている、受動的で自堕落な生活を送る典型的なアメリカ人像。
だけど俺が悪いわけじゃない
最初からこうなる運命だった
   (中略)
恋して借金 酒とタバコとマリファナと



II. シティ・オブ・ザ・ダムド(地獄に堕とされた人々の街) …… 日常がウソに取り囲まれていると気付く。
ショッピング・モールの聖書と同じ
信仰深そうに見えるけど
本当に信じてるわけじゃない

III. アイ・ドント・ケア(俺には関係ない) …… 偽善への怒り。
どいつもこいつもクソばっか
偽善に生まれ育てられ
魂は次々に誕生したが
救われたことなど一度もない


IV. ディアリー・ビラヴド(心からの愛) …… 怒りから疑問へ。

それともおかしいのは俺なのか?
ここに大きな疑問があるんだ
狂気と不安の間にね



V. テイルズ・オブ・アナザー・ブロークン・ホーム(もう一つの崩壊した家庭) …… 狂気の世界からの逃亡。家庭も捨てる。
信じるものを見つけるため
だから俺は捨てたんだ
ファッキングうその大嵐
こんなもの信じられなくなって
存在すらしてないこの町を



3. ホリデイ(不在) …… ここでの「ホリデイ」は休日ではなく、“不在”の意味。アウトローとして生きることを宣言。
名もなく死んで逝った者達への
「信仰と苦痛」と血
   (中略)
また「アーメン」か?
国旗で包まれた闇金
   (中略)
なぜなら俺達アウトロー
それでも俺達には夢がある
上っ面だけのウソには付き合えない
これは人生の始まり




4. ブールヴァード・オブ・ブロークン・ドリームス(破れた夢の大通り) …… 真実を見つけるため旅に出る主人公。しかし、その道は孤独で、喪失感と虚無感を伴うものだった。
そして俺はひとり
俺はひとり歩く
道連れは
俺の影だけ
鼓動を刻むのは
俺の弱った心だけ

5. アー・ウィー・ザ・ウェイティング(俺達は待ち人なのか) …… 一人で生きていくことの孤独から絶望する。
そして孤独に生き
コインの裏表
おとぎ話を信じて
俺達は
知られざる待ち人なのか


6. セイント・ジミー(聖ジミー) …… 第二の主人公セイント・ジミー登場。犯罪、反逆、暴力の象徴。実は主人公と同一人物で人間の二面性を表している。
権威の心臓に針をぶっさす
俺はその代表ってわけだ
俺は否定の
守護神なんだ
   (中略)
俺様の名前はセイント・ジミー
拳銃の申し子


7. ギヴ・ミー・ア・ノヴァカイン(ノヴァカインをくれ) …… 自分の中の“セイント・ジミー”の存在に気付き苦悩する主人公。
なんだかおかしな頭痛がするんだ
心が歯痛でずきずきするみたいに
   (中略)
ジミーお願いだから
この痛みは消えると言ってくれ
だからノヴァカインをくれ

※ノヴァカイン:局部麻酔薬


8. シーズ・ア・レベル(あの女は反逆者) …… ヒロイン登場。彼女は同志だが、世間との協調を完全に拒否している。しかし、主人公の心は惹き付けられていく。
あの女は反逆者
あの女は天使
あの女は地の塩
   (中略)
しかも俺のハートを掴んでる
手榴弾みたいに


9. エクストラオーディナリー・ガール(とんでもない女) …… 彼女は自ら世界を拒んでいるにも関わらず、実は孤独に悩んでいた。
そこから逃げ出すこともできず
そして男には勇気が足りなくて
置き去りにされた子犬みたいに
そして女はまたひとり
目の涙を拭いている



10. レターボム(手紙爆弾) …… 主人公は現実と向き合って生きる決心を固めるが、彼女は現実を受け入れることができず、理想を求めて去っていく。
手遅れになるまで終わっちゃいない
街が燃えているのに
「それは私の責任ではありません」だと
   (中略)
女は言った「こんな町にはいられない。だからあなたを置いて今夜出て行く」


11. ウェイク・ミー・アップ・ホウェン・セプテンバー・エンズ(9月が終わったら俺を起こして) …… アルバム中唯一リアルな歌詞。ビリーが父親を亡くしたときの気持ちを、主人公が恋人を失ったときの気持ちになぞらえている。
俺の痛みはびしょぬれで
そしてようやく自分になれる
思い出が眠る間に
でもそこで何を失ったのか
忘れることは絶対にないから


12. ホームカミング(帰還)

I. ザ・デス・オブ・セイント・ジミー(聖ジミーの死) …… 主人公は現実を向いて生きていく決意をしたため、反逆のシンボル、セイント・ジミーを心の中で葬り去る。
だから
ジミーはその日死んだ
湾岸に脳みそをぶっ放したんだ
俺の中では
それは密かな自殺行為


II. 東12丁目 …… 現実を受け入れて生きていく中での葛藤が始まる。
本当は他にやることがあるのに
タバコとコーヒーを腹の下に隠し
人生不安で
危機状態
だから女はもうこりごりで
そして男も一杯一杯
誰か俺をここから出してくれ


III. ノーバディ・ライクス・ユー(誰も君なんか好きじゃない) …… 去っていた彼女を想う主人公。彼女を罵りながらも想いを断ち切ることができない。
誰も君なんか好きじゃない
だから君を置き去りに
君だけ仲間外れで
お楽しみ
   (中略)
一体君はどこへ行ってしまったんだ


IV. ロックン・ロール・ガールフレンド …… トレが主人公の友達役としてヴォーカルを取る。一見“ロックン・ロール・ライフ”を謳歌しているが、内心飽き飽きしている。
俺にはロックン・ロール・バンドがあって
俺にはロックン・ロール・ライフがあって
俺にはロックン・ロール・ガールフレンドがいて
   (中略)
だからもういい加減にしてくれないか
いい加減にしてくれよ
いい加減にしてくれよ



V. ウィアー・カミング・ホーム・アゲイン(我が家に帰るのは俺達) …… 様々な出会いと別れ、心理的な葛藤の後、新たな決意のもと故郷へ帰還する。
俺は爆弾を入れた手紙でこの愛を送る
だから地獄の俺に面会に来てくれ
でも我が家に帰るのは
俺達なんだ



13. ワッツァーネイム(名もなき女) …… やがて時が経つ。主人公は去った彼女の顔は思い出せるが名前が思い出せない。人生の後悔の一つとして心に刻まれている。
どっかの男と結婚でもしたんだろうか
俺はある日
写真を全部焼いたんだ
彼女は飛び出し
俺は違う道を進んだ
顔は覚えてるのに
名前が思い出せない
   (中略)
彼女のことが忘れられない
正直に言うよ
後悔先に立たずって


14. フェイヴァリット・サン(ボーナス・トラック)

【あなたのアメリカン・イディオット解釈募集!】
『アメリカン・イディオット』では歌詞はストーリーの一部に過ぎず、上記の解釈も編集部による一例に過ぎません。ぜひ、自分なりのストーリーを想像し、自分なりの解釈をしてみましょう。あなたは郊外の救世主? あなたにとってのセイント・ジミーは? 名もなき女の正体とは? ぜひユーザーレヴューの欄に書き込んでください。




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