大解剖 ソロ・インタヴュー/コウスケ

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デビューしてからの3年半で、RUN & GUNは何を手に入れたのか?


自分で言うのもなんなんですけど、写真とか見てても親しみやすさみたいなものが出てると思うんです。他のグループと比べて、より親近感をもってもらえる。デビューしてからそこだけは変わらずに、だんだんイイ感じにまとまってきた気がします。自分自身のことで言うと、僕、デビューしたら絶対売れるもんやと思ってたんですよ(笑)。もともと母親が勝手に応募したもので、思い出作りやと思ってオーディション受けたぐらいですから(笑)。CD出せることは嬉しかったんですけど、どんどんやっていくうちに気持ちが変わってきたというか。周りの大人の人……スタッフたちは、最初から真剣じゃないですか? それで僕らのためにいろんな仕事を与えてくれて。それをあたり前やと思ってた自分が当時はいたんですけど。ほんま未熟やったなぁと、いまは思いますね。だから、デビュー当時のことは後悔してますよ。なんでいまぐらいの気持ちでデビューせえへんかったんやろうなって。
(――そんな当時の自分にいま声をかけるとしたら?)
「甘えんなよ」「もうちょっと世間見ろよ」と言いたいですね。そこはちょっと大人になった気がしますね。
(――そういう風に考えが変わったきっかけってなにかあった?)
RUN & GUNはもともと浅倉大介さんに曲を作ってもらってて。セールスとかも順調やったんですよ。そこで1回、それまでとは違うイメージの曲を出したら、セールスが少し落ち着いちゃって。数字の話になりますけど(笑)。イベントに来てくれる人の数も落ち着いてきたんですよ。曲のせいやと言う人もいましたけど、自分らの意識の低さが出てきたんだと思うんです。結局は調子に乗り過ぎてたのかなって。僕ら、基本がまだまだできてない。やってるときは必死なんで、そういう周りのスタッフの声もあんまり耳に入ってこないんですけど。後になって「そうやな」って冷静に自分で考えられるようになりましたね。




歌うことで芽生えた自我の主張は、どこへ向かおうとしているのか?


去年の8月のライヴでソロ・コーナーを作ろうってなったときに、僕は迷わず「歌いたい」って言ったんです。昔からギターの弾き語りを一人でやりたいという憧れがあって。でも、デビューしてからなんですけどね、歌が好きになったのも(微笑)。2~3枚目のシングルぐらいからですから。初めて自分のソロ・パートができて、完成したCDを聴いたときに「俺、歌が好きかも!」って思ったんですよ。そっから歌が好きになって。8月にやったソロ・コーナーではギター弾いて歌ったんですけど、緊張しましたね(笑)。その曲は自分で作ったものなんですけど……まだ自分で作った曲に対して、あんまり自信がないんですよ~(苦笑)。だから、今回のアルバムでは他の人に作ってもらったんですけどね。スタッフに、いま自分はどんなことを伝えたいのかを伝えて。僕はとりあえず「俺を知って欲しい」と思ったんです。人に何かを伝えて何かを変えたいとか、そんな大げさなことは思ってなくて。「ここに俺がいる」、それをみんなに知って欲しかった。それぐらいしか自分を表現する方法は思いつかなかったんです。それでできあがったのが「メモリーズ」。完成した曲を聴いて「やっぱプロはちゃうな~」というのを思い知ったんですけど(笑)。
(――詞・曲を書いてるシンガー・ソングライターの染谷俊君は知ってたの?)
以前、僕らのシングルのカップリングで詞を書いてもらってたんですよ。その歌詞もすごいイイ歌詞なんですよ。それで今回作ってもらって。サビの詞とか自虐的な主人公とか、自分を責めてなんぼみたいなとこはまったく自分と一緒ですね。曲調もバラード系が好きなんで、すんなり歌えました。現場では染谷さんと話しながら「ここはこうしよう」とかやってって。僕、レコーディングが好きなんですよ! 一つの作品ができあがってく。そういうのっていいな~と思ってて。じつは、ちょうどレコード会社の変わり目で、時間にゆとりがあったとき、自分が何をしていいのか分からなかった時期に「曲でも作ってみようか」「詞でも書いてみようか」と思ったりして。自分自身、歌に対する“好き”というレベルが変わったときでもあったんです。
(――歌を通して自分を伝えたいという気持ちがでてきた?)
そうなんですよ! 僕、それまで歌は好きでしたけど、歌詞とかはそこまで深く重要なものとか思ってなかったんです。でもすごい好きなアーティストがいて。坂上庸介っていうんですけど。あの人のアルバム聴いたりライヴを観て「すげぇかっこいい!」と思ったんですよ。いまは、そこに一歩でも近づきたい。



いま一番やりたいことと、RUN & GUNとしての課題とは?

RUN & GUNっていうのは、メンバーが4人いて。そこで全員が同じようなことができても意味ないと思うんですよ。いろんな個性をそれぞれが伸ばしていって、それが4人で集まったときにいい感じに表われたらなと思うんです。だから、俺は俺やしお前はお前って考えてて。俺はそこで自分で作った歌をRUN& GUNにフィード・バックしていく。それがいま一番やりたいことやし。ユウヤやったらしゃべりが好きなんやなってことは、見てて分かるし。いつも面白いネタを探してたりするんですよ。そういうところをRUN& GUNで使っていければ素晴らしいと思うし。リュウジはすごい芝居が好きで、いつも一人で「あの人のこういう演出は素晴らしい!」とか言ってるんですよ。そこはRUN& GUNとして芝居作品を作るときに、リュウジがプロデュースするというのは、僕らのことを一番分かってるわけやから、すごいアリやと思うし。アキラは何がしたいんかあんまり分かんないけど(笑)、RUN& GUNが好きやな~っていうのはすごい分かるんですよ。アキラは強がりなのであんまり言わないですけど。アイツがいま、一番自分が何をやらなあかんっていうのを探してる気がします。だから、RUN& GUNは個々、やりたいことをいろいろやればいいんですよ。でも一つに固まったときはちゃんと4人でやる意味が出る。ここ半年ぐらいで、この4人での結束力はすごく固まったと感じているので。今後は個々を伸ばすことがそのままRUN& GUNを伸ばすことにつながっていくと思います。
取材・文●東條祥恵
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