3つの要素から解明するムックのすべて
ムックというバンドから目を離すことができない最大の理由は、その進化のスピードにある。少なくとも僕の場合はそうだ。
確かに何年か前までの彼らは、その時代なりのヴィジュアル系の枠内で語られるべきバンドだったと言わざるを得ない。が、さまざまな経験のひとつひとつを確実に自分たちにとっての栄養素として消化しながら、彼らは作品を重ねるごとに唯一無二の存在としての説得力を増してきた。
『是空』で徹底的に追求されたヘヴィネスとダークネスを、さらにその奥深くまで突き詰めた『朽木の灯』。そうした流れというのは、常に変化を重ねてきたこのバンドの歴史においてはむしろ異例のものだったといえるかもしれない。が、そうしたプロセスのなかで、これ以上あり得ないくらいの自己探求を経てきたムックは、また新たな進化をカタチにしつつある。
言うまでもなく「ココロノナイマチ」は、それを象徴するものであり、ムックの“これから”を解くためのヒントとなるべきものである。
この曲を、単純に明るいとか、ここ数年の作風からの反動だと解釈することは、確かに自然ではあるかもしれない。が、ムックの音楽に心底から共鳴する人たちには、その奥底にあるものを感じとって欲しい。ここまでストレートなアプローチができるということは、それだけ彼らの音楽に対する欲求がストレートで曇りのないものになっているからこそなのだという現実を。
もちろん「ココロノナイマチ」1曲だけでムックの未来図を想像することには無理もあるだろう。が、こうして作品を発表するたびに“次はどうなるんだろう?”“このバンド、一体どこまでデカくなるんだろう?”と思わせてくれるのが彼らなのである。今回はバンド史上初めて外部プロデューサー(岡野ハジメ氏)と手を組んで創作活動に臨んでいたりもする彼ら。そうした環境のなかで得る刺激や新たな栄養素というのも、今後このバンドを間違いなく変えていくことになるのだろうし、その進化のスピードにはさらに加速度がついていくことになるに違いない。4月からのツアー、『ココロ失キ朝焼ケ』でも、きっとその進化が具現化されることになるはずである。
で、結論。彼らの疾走するスピードに振り落とされずにいるためには、僕らもやはり音楽リスナーとして進化すべきなのである。
文●増田勇一
確かに何年か前までの彼らは、その時代なりのヴィジュアル系の枠内で語られるべきバンドだったと言わざるを得ない。が、さまざまな経験のひとつひとつを確実に自分たちにとっての栄養素として消化しながら、彼らは作品を重ねるごとに唯一無二の存在としての説得力を増してきた。
『是空』で徹底的に追求されたヘヴィネスとダークネスを、さらにその奥深くまで突き詰めた『朽木の灯』。そうした流れというのは、常に変化を重ねてきたこのバンドの歴史においてはむしろ異例のものだったといえるかもしれない。が、そうしたプロセスのなかで、これ以上あり得ないくらいの自己探求を経てきたムックは、また新たな進化をカタチにしつつある。
言うまでもなく「ココロノナイマチ」は、それを象徴するものであり、ムックの“これから”を解くためのヒントとなるべきものである。
この曲を、単純に明るいとか、ここ数年の作風からの反動だと解釈することは、確かに自然ではあるかもしれない。が、ムックの音楽に心底から共鳴する人たちには、その奥底にあるものを感じとって欲しい。ここまでストレートなアプローチができるということは、それだけ彼らの音楽に対する欲求がストレートで曇りのないものになっているからこそなのだという現実を。
もちろん「ココロノナイマチ」1曲だけでムックの未来図を想像することには無理もあるだろう。が、こうして作品を発表するたびに“次はどうなるんだろう?”“このバンド、一体どこまでデカくなるんだろう?”と思わせてくれるのが彼らなのである。今回はバンド史上初めて外部プロデューサー(岡野ハジメ氏)と手を組んで創作活動に臨んでいたりもする彼ら。そうした環境のなかで得る刺激や新たな栄養素というのも、今後このバンドを間違いなく変えていくことになるのだろうし、その進化のスピードにはさらに加速度がついていくことになるに違いない。4月からのツアー、『ココロ失キ朝焼ケ』でも、きっとその進化が具現化されることになるはずである。
で、結論。彼らの疾走するスピードに振り落とされずにいるためには、僕らもやはり音楽リスナーとして進化すべきなのである。
文●増田勇一
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