Vo Vo Tau、大胆なアレンジで次の予感を期待させるツアー無事終了

ポスト
Vo Vo Tauの全国ツアー<Tour 2005 "MUSILIC GAME">が5/22(日)渋谷CLUB QUATTROで行なわれた。この日はツアーの最終日となった。

この日のライヴは「水芭蕉」からスタート。金のスパンコールのタンクトップでキラキラとステージに華を咲かせたRing(Vo)だが、まずはじっくり聴かせるつもりなのか、しっとりと大人な雰囲気だ。ヒット曲「Beautiful Days」「Song for you」も音源で感じた力強さよりも、ライヴではとても柔らかく滑らか。Ringとコーラスの女性の息が合っていれ、ハマり具合がよいし、キーボードがサポートに入って音の煌びやかさは増しているのにとてもタイトだ。昨年の夏、SHIBUYA-AXで観たときとは違う、バンド内変化を感じさせてくれる。

それを“変化”を確実にしてくれたのが、中~終盤でぐぐっと盛り上げたところ。「secret」はレゲエ・アレンジに、「Red Eye」をサンプリングが印象的なドープなクラブ・アレンジに、そして「Can u Stay」ではギターがギャンギャンに鳴り響くハードロック・アレンジにとどれも大胆に仕立てていた。これらが見事にハマっている…! とってつけで、お楽しみでやってみました、なんて中途半端さはゼロ。バンドの音楽性の幅広さ、研究熱心さ、歌唱・演奏力を見せてくれたが、それよりも彼らがこういった音をライヴで披露するという自信に満ちている顔、そして「めっちゃ楽しいねん!」(Ring)という言葉がそのまま音に表われている空気でいっぱい。その空気に会場のみんなが包み込まれ、音を共有した――ステージも観客も熱かったけれど、瞬間的にだけでなく、芯までも暖かくなるようなライヴを見せてくれた。

最後、Ringは「発見の多いツアーで、込み上げてくるものが多くて……うまく説明できない。でも、ありがとう、ってそれだけは言いたい」といった。そして、伸びやかで広がりを感じさせる新曲「Step Into The World」も披露。次のVo Vo Tauのステップが楽しみにさせれくれるライヴだった。

文●星野まり子
この記事をポスト

この記事の関連情報