THE BACK HORN、音に集中することから生まれる説得力!ライヴレポ@ZEPP TOKYO
全国35公演に及ぶ今回のツアーを<産声チェインソー>と名付けたTHE BACK HORNの意思は文字通りに明確だった。新たに何を生み出せるのか。創造性をさらに押し広げた新作『ヘッドフォンチルドレン』。ここに込められた積極的な姿勢が、充実したライヴに継承されることを予感していた人も多かったはずだ。
ゆったりと「扉」をスタートさせ、アップ・テンポに「運命複雑骨折」、ギターとベースの轟音を掛け合いながらの「墓石フィーバー」へと展開する序盤。シンプルに爽快な空気を感じさせた新曲群のステージにおける再現は大きな見どころだった。4人は自らの音に導かれるままに躍動し、それがまたフィードバックしてパフォーマンスに変化を与える。中盤の「夢の花」などは、アンサンブルを強固にしつつ、全編がインプロヴィゼーションで紡がれた雰囲気すらあった。ただ音に集中することから生まれる説得力が、自然と観客を巻き込んでいく様が圧巻だ。
一方で興味を惹かれたのは、インディーズ時代の「無限の荒野」「泣いている人」を含む初期の楽曲。THE BACK HORNの根底に流れる色彩感覚が、今の音で再構築される中で、脈々と受け継がれているのがわかる。その点では、松田が「ヘッドフォンチルドレン」を“リアルな日常を平熱で描けた曲”と紹介した意味は、彼らの現実を見据えるうえで、熟考する価値のあるものだろう。
一音入魂とでも言うべきか、演奏はとにかく力強い。それでいて、本編を締め括った「キズナソング」のように、じっくりと聴かせる術も身につけている。ほんの一例ではあるものの、彼らの表現の幅が確実に広がりつつあることを、この日のライヴは改めて認識させた。ふと聞かれた“早く新曲を作りたい”という発言。これこそ、一連のツアーの成果だろう。この進化/深化がどう結実するか、次章がますます楽しみだ。
セットリスト
01. 扉
02. 運命複雑骨折
03. 墓石フィーバー
04. コバルトブルー
05. 幸福な亡骸
06. 雨
07. 夢の花
08. 無限の荒野
09. 上海狂騒曲
10. ヘッドフォンチルドレン
11. 泣いている人
12. 涙がこぼれたら
13. サニー
14. 光の結晶
15. キズナソング
【アンコール】
01. 何処へ行く
02. 奇跡
8月24日にライブアルバム、リリース決定! 詳細は後日発表。
ゆったりと「扉」をスタートさせ、アップ・テンポに「運命複雑骨折」、ギターとベースの轟音を掛け合いながらの「墓石フィーバー」へと展開する序盤。シンプルに爽快な空気を感じさせた新曲群のステージにおける再現は大きな見どころだった。4人は自らの音に導かれるままに躍動し、それがまたフィードバックしてパフォーマンスに変化を与える。中盤の「夢の花」などは、アンサンブルを強固にしつつ、全編がインプロヴィゼーションで紡がれた雰囲気すらあった。ただ音に集中することから生まれる説得力が、自然と観客を巻き込んでいく様が圧巻だ。
一方で興味を惹かれたのは、インディーズ時代の「無限の荒野」「泣いている人」を含む初期の楽曲。THE BACK HORNの根底に流れる色彩感覚が、今の音で再構築される中で、脈々と受け継がれているのがわかる。その点では、松田が「ヘッドフォンチルドレン」を“リアルな日常を平熱で描けた曲”と紹介した意味は、彼らの現実を見据えるうえで、熟考する価値のあるものだろう。
一音入魂とでも言うべきか、演奏はとにかく力強い。それでいて、本編を締め括った「キズナソング」のように、じっくりと聴かせる術も身につけている。ほんの一例ではあるものの、彼らの表現の幅が確実に広がりつつあることを、この日のライヴは改めて認識させた。ふと聞かれた“早く新曲を作りたい”という発言。これこそ、一連のツアーの成果だろう。この進化/深化がどう結実するか、次章がますます楽しみだ。
文●土屋京輔
セットリスト
01. 扉
02. 運命複雑骨折
03. 墓石フィーバー
04. コバルトブルー
05. 幸福な亡骸
06. 雨
07. 夢の花
08. 無限の荒野
09. 上海狂騒曲
10. ヘッドフォンチルドレン
11. 泣いている人
12. 涙がこぼれたら
13. サニー
14. 光の結晶
15. キズナソング
【アンコール】
01. 何処へ行く
02. 奇跡
8月24日にライブアルバム、リリース決定! 詳細は後日発表。
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