ドゥノッツ、PVとライヴ映像満載で10周年記念DVDをリリース! インゴを直撃!

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──結成10周年おめでとうございます。

インゴ:ありがとう! この10年間、900回以上のライヴをやって来て、いろいろ思い出があるんだけど、不思議なことに記念すべき1回目のライヴは、まるで昨日のことのように覚えているんだよね。

──短命に終わるバンドが多い昨今、なぜ10年間続けてこられたんだと思いますか?

インゴ:中には成功するために、レコード会社の言いなりになっているバンドもいるけど、そういうことをやっていると、バンド・スピリットって長続きしないんだと思うよ。もちろん、僕達だって音楽ビジネスの世界で、いろいろな決断をしなければいけなかった。ただ、僕達はメンバー全員がそれで気持ちいいかどうかってことを第一に考えて、いろいろなことを決めてきた。だからこそ長続きできたんだ。金を稼ぎたいと思うなら、バンドなんてやらないほうがいい。音楽が好きだからとか、楽しい時間を過ごしたいからとかって気持ちでバンドをやっている連中は長続きしているんじゃないかな。

──『10 Years of Noise』にはドゥノッツの全PVが収録されていますね。今回、改めて見てみたんですか?

インゴ:もちろん。でも、『俺ってこんななの?』って不思議な気分だったよ。実はPVの撮影って苦手なんだ。PVの撮影って同じことを何度もくり返さなければいけないんだけど、それで思いっきりロックしてと言われてもね(苦笑)。だから、撮影の度に変な気分を味わっていた。そもそもロックってテレビを通して体験できるものではないと言うか、もっと生の体験だと思うんだけどね。いや、もちろん、大好きなバンドのPVを見て楽しいっていうファン心理は、すごく理解できるよ。

──『10 Years of Noise』には『アプリファイ・ザ・グッド・タイムス』レコーディング中のドキュメントも収録されていますね。

インゴ:ああ。ずっとレコーディング中の僕らの姿を捉えたドキュメントを作りたいと考えていたんだ。単にレコーディングの過程を捉えたものではなくて、僕らの本当の姿を映し出すものにしたいと思ったから、友人のパスカル・ハイドクにカメラを回してもらったんだ。おかげでカメラを意識することは全然なかった。僕らの自然な姿が撮影できたと思う。編集も自分達でやると、こんなふうに見られたいって欲が出て、飾っているところばかり選んでしまうかもしれないから、パスカルに任せたんだ。

『テン・イヤーズ・オブ・ノイズ』

BMGファンハウス
BVBP-21032 ¥3,990(tax in)


1. アウト・シャイン・ザ・ワールド
2. ワットエヴァー・ハプンド・トゥ・ザ・80s
3. スーパーヒーロー
4. トゥデイ
5. ルーム・ウィズ・ア・ヴュー(ギヴ・ミー・シェルター)
6. サッカリン・スマイル
7. ビッグ・マウス
8. ウィ・アー・ノット・ゴナ・テイク・イット
9. ウィ・ゴット・ザ・ノイズ
10. グッドバイ・ルーティン
11. Making Of ワットエヴァー・ハプンド・トゥ・ザ・80s
12. Making Of ルーム・ウィズ・ア・ヴュー(ギヴ・ミー・シェルター)
13. Making Of ビッグ・マウス
14. Making Of ウィ・アー・ノット・ゴナ・テイク・イット
15. Making Of ウィ・ゴット・ザ・ノイズ
16. Making Of グッド・バイ・ルーティーン
17. レッチド・ボーイ (Live @ Hurricane 2004)
18. トゥデイ (Live @ Hurricane 2004)
19. グッド・バイ・ルーティーン (Live @ Hurricane 2004)
20. ワースト・フレンド/ベスト・エネミー (Japan Report)
21. フル・レングス・スタジオ・レポート - Making Of The Good Times Studio Report

──なぜドキュメントを作りたいと? レコーディングは、言ってみれば舞台裏。ファンに見せる必要はないですよね。

インゴ:僕達はファンの存在を、とても大切にしているんだ。だって、彼らがいるからこそ、僕らがいるわけだからね。僕らはレコード会社がリリースしている、ただの商品じゃない。リアルな人間としてファンと交流したいんだ。その為にはファンとの間には一切秘密はあってはいけないと思う。バンドの全てを見てほしいし、あらゆることをシェアしたいんだ。

──ところで、日本でSOLITARY MAN RECORDSというレーベルを始めたそうですね。

インゴ:そうなんだ。世界中には日本では全然知られていないけど、素晴らしいバンドがたくさんいる。たとえば、スペインのドーヴァー。彼らは本国では大人気バンドなんだけど、日本では無名だ。幸い、僕らは日本ではそれなりに知られている。その立場を利用してと言うと、言葉が悪いけど、僕らが持っているチャンスを他のバンドとシェアしてサポートしていきたいんだ。一人のファンとしてね。それがレーベルを始めた一番の理由さ。7月20日に出るコンピレーションは、ぜひ聴いてほしい。日本のファンが絶対気に入るバンドがいっぱい入っているよ。

──SOLITARY MANってレーベル名の由来はニール・ダイアモンドのヒット曲ですか?

インゴ:ニール・ダイアモンドって言うか、正確にはジョニー・キャッシュがカヴァーしたヴァージョンなんだけどね。その曲が入っているジョニー・キャッシュの『AMERICAN III:SOLITARY MAN』ってアルバムは、僕のオール・タイム・フェイヴァリットなんだ。彼は男の中の男だよ。SOLITARY(ひとりぼっち)ってドイツ人である僕が日本で始めるレーベルに、ぴったりの言葉だろ。それに5年間つきあっていた恋人と去年別れちゃって、今、僕は本当にひとりぼっちだからね(苦笑)。

取材・文●山口智男

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