NANO-MUGEN FES.2005特集 LIVE REPORT 前編

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「NANO-MUGEN FES.」というタイトルのイベントは今年で3年目。通算でも5回目となるわけだが、本当の意味での「フェスティバル」は、今回から始まると言ってもいいだろう。オーガナイザーのASIAN KUNG-FU GENERATIONを始め、日英の優れた若いバンドたちが合わせて8組出演するという質と量のレベルの高さもさることながら、横浜アリーナという自由度の高いスペースを拠点としたことがまず一つ。さらにセット・チェンジをスムースにするための2ステージ制や、フロア内の移動の自由、フードエリアの設営など、フェスを楽しむ基本条件「各自が自由に楽しむ権利」にしっかりと配慮したことが挙げられる。開演は土曜日の14時。終演後の終電の時間も考えて、舞台設定はばっちり整った。

一番手に登場したSPARTA LOCALSは、アジカンとも対バン経験の多い新進気鋭のバンドで、独特の和風なコブシを回しながら、殺気みなぎる独特のバンドサウンドでいきなり観客を圧倒する。「酒飲んでるか!? 飲まんか! 飲んで吐け!!」と、わけのわからないブチ切れMCをカマしつつ、ダンス・グルーヴというよりは盆踊りパワーに似た強力にエネルギッシュなステージを展開。初めて観た人にも、鮮烈な印象を残したことだろう。


続くFARRAHはイギリスからやってきたメロディックなポップ&ロック・バンドで、少年の面影を残す甘い声のヴォーカルが、感傷的、青春的、疾走感あふれるバンド・サウンドに乗ってひたすらキャッチーなメロディを歌いまくって好感度高し。ギタリストが時折キーボードでポップな旋律を奏でたり、なかなかセクシーな女性ベーシストが長い髪をひらひら揺らして踊ったり、「コンニチワ! ヨンデクレテアリガトウ!」など、やたらフレンドリーに日本語を連発したり。サイケデリックな轟音で締めたラスト曲の迫力もなかなかのものだった。

そして、間違いなくこの日前半のハイライト。今の日本のロック・シーンにおいて最もノッているバンドといっても過言ではないELLEGARDENが、進行中の自らのツアーの勢いをそのまま持ち込んだ素晴らしくアグレッシヴなライヴを展開。最新大ヒット・アルバム『RIOT ON THE GRILL』に収められた、メロディック・ロックの真髄を行く珠玉の曲たちをこれでもかと畳み掛けながら、ヴォーカリストの細美が観客に呼びかける。

「俺、普段はこんなこと絶対言わないけどさ。こんなに人が集まるんだったら、何か変えられるかもしれないよな」

アジカンが意識的に押し進めている「日本のロック活性化計画」への賛同表明として、これ以上ない言葉だろう。迷いのないリズム、まっすぐに切ないメロディ、あきらめることを知らないポジティヴな歌詞のメッセージ。頼りになるバンドが、いよいよ日本のロック・シーンの先頭集団に加わってきたことがとてもうれしい。


⇒後半に続く

SPART LOCALS


FARRAH




ELLEGARDEN

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