井筒監督インタヴュー3:『パッチギ!』には幻のシーン1があった!

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──フォークルといえば、もう一つの代表曲「帰ってきたヨッパライ」がありますが。

井筒監督:あ、「帰ってきたヨッパライ」は最初入れてたんだけど、割愛したのよ。シーン1は「帰ってきたヨッパライ」だったの、実は。だから、実はシーン1は欠番になってるんですよ。撮ったけど全部カットしたんです。

──見たかったなぁ、それ…。

井筒監督:見たかったでしょ? これは今、初めて言うことやわ。関係者以外は誰も知らないよ。厳密に言うと、DVDのプレミアム・エディションに特典でつける台本には入ってるんですよ。

──(台本を見ながら)お寺のシーンだったんですね。

井筒監督:こういう穏やかなシーンから始まるわけよ。お寺の息子の康介が一人で練習で木魚を叩いてんのよ。“お寺継げ”って言われてるしね、一人でけだる~くやってるわけよ。「♪オラは死んじまっただ~~」言うて。ほんで、もうやってられませんよ、てな感じで「あぁ~~!」って叫んでお母さんに怒られるシーンがあるのよ。そこからポンとあのオックスのシーンへ行く。

──これはDVDにも入ってないんですか?

井筒監督:入ってないね、あれは。捨てたからな。入れたらよかったな(笑)。300万枚売ったものすごいヒット・ソングだから。子どもから爺さんからオバはんまで歌って、誰でも知ってたよ。なんであの歌が流行ったのか意味不明やけどな。普通の歌じゃないんだもの、ほんまに。当時の加藤和彦さんと北山修さんの成せるワザだね。フォークルってヘンなバンドですよ。活動がたったの1年だしね。

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